■業績動向
1. 2024年3月期の業績動向
サクシード<9256>の2024年3月期の業績は、売上高が3,227百万円(前期比9.8%増)、営業利益が332百万円(同13.2%減)、経常利益が332百万円(同16.8%減)、当期純利益が223百万円(同17.0%減)となり、期初予想との比較では、売上高で212百万円、営業利益で112百万円、経常利益で112百万円、当期純利益で74百万円の未達となった。これは、先行的費用が重なるなか、おおむね計画どおりの動きとなったものの、対面型家庭教師サービスの苦戦が要因である。
日本経済は、コロナ禍による行動制限の緩和を背景に、経済活動の正常化が進んだ。一方、不安定な国際情勢や為替変動、人件費や物流費の上昇や物価高など、先行きは依然として不透明な状況にある。こうした情勢のなか、教育業界では、教育現場における教員の長時間労働の実態が浮き彫りになり、教員のなり手不足に歯止めが掛かっていない。そのような状況を改善するため、教員の負担を軽減する部活動の地域移行や外部人材の活用が注目を集めている。また、ICT支援員については、文部科学省が掲げる「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」で目標とする水準である「4校1人配置」に届いておらず、新たにデジタル教育の拠点となる高校「DXハイスクール」の指定が始まるなど、デジタル人材のニーズは一層高まっている。
学習塾業界においては、少子化による市場の縮小が見込まれる一方、大学入試改革などの教育制度改革が進み、顧客のニーズが多様化し、より質の高い教育サービスを求める声が高まっているため、ニーズの変化に迅速に対応できる優秀な人材の確保がますます重要な課題となっている。福祉業界においては、子育て支援の充実に向けて、認定こども園増設の推進やこども誰でも通園制度の策定など、待機児童問題の緩和が進む一方で、そこで働く保育士不足や保育の質の低下が懸念されている。また、小学校入学後に親の働き方を変えざるを得なくなる、いわゆる「小1の壁」問題も深刻さを増しており、学童保育に対する需要が急速に高まっているため、子育て支援事業者の社会的役割は一段と重要性を増している。
このように、同社が事業領域とする教育と福祉ではどの分野も人手不足が高水準で続いており、同社における、教育人材支援事業、福祉人材支援事業、個別指導教室事業、オンライン型家庭教師サービスは予想どおり順調に成長した。しかし、対面型家庭教師サービスにおける先行的な費用が実を結ばず、全社の売上高は2ケタ増に届かなかった。利益面では、家庭教師事業の減収に加え、高採算だが不安定な「人材紹介サービス」から安定収益基盤となる「人材派遣サービス」へシフトしたことで売上総利益率が低下した。また、費用全般を抑制し販管費を前期比微増に留めたものの、個別指導教室や学童保育施設の出店投資、各事業における人的投資など、必要な投資を積極的に進めたことから、結果的に営業利益は減益となった。なお、Web広告の単価上昇、少子化のなかでの求人増加などから、教育人材の登録コストは上昇傾向にあるようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
■業績動向
2024年3月期的業績趨勢規則如下
Succeed(9256)2024財年的業績,營業收入爲3,227百萬日元(同比增長9.8%),營業利潤爲332百萬日元(同比下降13.2%),經常性利潤爲332百萬日元(同比下降16.8%),淨利潤爲223百萬日元(同比下降17.0%)。與期初財務預測相比,營業收入、營業利潤、經常性利潤和淨利潤均未達到,分別差212百萬日元、112百萬日元、112百萬日元和74百萬日元。這是由於先行性費用重疊,雖然總體上按計劃運行,但面對面家庭教師服務遭遇困境是造成這種情況的原因。
日本經濟在新冠疫情減輕的背景下逐步恢復。然而,國際形勢不穩定,匯率波動,人工成本和物流成本上漲以及物價高漲等問題,未來仍然面臨不確定的局面。在這種情況下,內地教育股中暴露出教師長時間工作的問題,教師短缺的問題始終沒有得到阻止。爲了改善這種狀況,學校活動地區轉移和利用外部人才正受到關注。此外,在文部科學省制定的“面向教育的ICT環境整備五年計劃”中,ICT支援員尚未達到“每所學校配置一個支援員”的目標,DX High School的指定成爲新的數字教育基地等,數字人才的需求更加旺盛。
在教育補習行業,儘管市場因少子化而縮小,但教育制度的改革,如大學入學考試的改革,客戶需求的多樣化以及對更高質量教育服務的需求不斷增加,所以更快速地滿足需求變化的優秀人才的獲取成爲越來越重要的問題。在福利行業中,爲了加強對養育兒童的支持,已經開始加強管理認定的兒童園增長和設立適用於任何兒童的通勤制度,緩解了等待幼兒園的問題,但對從事這項工作的保育員的短缺和保育水平的下降仍然存在擔憂。此外,據稱,穿過小學1年級的通稱“小1壁”,父母不得不改變工作方式等問題日益嚴重,因此對學童保育服務的需求急劇增加,幼托企業的社會責任更加重要。
因此,在同一公司的教育和福利業中,所有領域都持續缺乏人力,教育人力支援業務、福利人力支援業務、單獨指導課堂業務和在線家教服務預計都順利增長。然而,面對面家庭教師服務的先行性成本沒有收到回報,全公司的營業總額未達到兩位數的增長率。在利潤方面,由於家庭教師業務下降,並且從高效但不穩定的“人才介紹服務”轉向穩定收益基礎的“人才派遣服務”,銷售毛利率下降了。此外,儘管抑制了所有費用並將銷售和管理費用限制在微增的水平,但投資產生了必要的投資,如開設單獨教授教室和學童保育設施,並向各業務注資,從而由於各種原因,營業利潤降低了。此外,由於網上廣告價格上漲和求職需求的增加,教育人才的註冊成本似乎呈上升趨勢。
(作者:華富證券客座分析師宮田仁光)