■ミガロホールディングス<5535>の事業概要
1. DX推進事業
DX推進事業では、グループ会社を通じて様々な業界向けにDX支援を行っている。顔認証プラットフォーム「FreeiD(フリード)」の展開によるスマートシティAI顔認証事業と、主に「Salesforce」や「Amazon Web Services」を扱っている生成AI/クラウドインテグレーション事業を展開している。顔認証プラットフォームサービス「FreeiD」は、マンションやオフィスの利便性向上とセキュリティの向上、保育園や娯楽施設の安心安全な入退室管理と職員の業務効率化、無人店舗や飲食店の決済機能など、社会の様々な分野への導入拡大が期待されており、競合との差別化と高付加価値化を担う重要な事業であると言える。
同社のDXを支えるIT人員については、役職員423名(2024年3月期末時点)のうち約55%がエンジニア等のIT人員であり、四半期ごとの人員数は増加を続けている。人材確保は新卒採用とM&Aを基本戦略としており、売り手市場である中途採用と比較して、採用コストを圧倒的に抑えられる。DX推進事業は、エンジニア数が売上に直結する領域であるため、同社のIT人員数は今後の事業成長に資するものと弊社では見ている。
2. DX不動産事業
DX不動産事業では、投資用不動産の売買・貸借・管理を通じて顧客の資産形成をサポートしている。開発販売から入居管理、売却相談まで一気通貫型の賃貸管理体制を構築しており、Webマーケティングによる集客支援やAI査定・営業支援システムの最適化といったDXにより生産性向上に取り組んでいる。また、DX技術を活用した不動産投資の小口化による投資家の活性化と顧客資産の有効活用にも取り組んでおり、代表的なサービスとして不動産投資型クラウドファンディング「Rimple」がある。従来の不動産投資では、投資家1名でマンションを購入・運用するのが基本であったが、クラウドファンディングでは、複数名の投資家がマンションに共同出資して運用する。約5,000万円から1億円のファンドを月に2本程度、3%前後の利回りで出資を募っており、1口1万円から投資できる。不動産投資に興味はあるが高額で手を出せないという顧客層にとって、手軽で最適な選択肢となる。対象となる物件は、同社が不動産投資物件を開発してきた実績・ノウハウに基づき選定しているため、信頼性と安全性が担保されている。そのほかにもリアルエステートコインの運用を行っており、他社のサービスで獲得したポイントを「Rimple」内で使用できるリアルエステートコインに交換して投資することができる。
また、2021年に国内で初めてとなる「オール顔認証マンション※」を竣工。以降、自社開発のすべてのマンションにグループ会社DXYZの展開する顔認証プラットフォーム「FreeiD」を標準採用している。エントランス、駐車場などの共用部から、宅配ボックス、メールボックス、エレベーター、住戸ドアに至る専有部まで、すべて顔認証で開錠できる「オール顔認証マンション」は、他社との差別化要因となっている。
※2021年竣工「クレイシアIDZ学芸大学」(同社調べ)
3. 同社の強み
同社の強みは、単なる不動産企業ではなく総合DX企業グループである点が挙げられる。祖業であるDX不動産事業では、都心を中心に投資用の新築・中古マンション、居住用新築マンション、投資用アパートの販売を行い、同社の安定的な収益を下支えしている。DX推進事業ではこれまでに培ってきたCRMやシステム導入ノウハウを外販事業化しているほか、不動産クラウドファンディングや顔認証などの拡張性を持ったデジタルサービスを展開している点に強みがある。不動産購入の見込み客を不動産クラウドファンディング「Rimple」など顧客ニーズに合わせたプラットフォームで集客するなど、DXを生かしたマーケティングを活用することで、ミガログループDX不動産経済圏を構築し競争優位性を確立した。また、従来の不動産に「顔認証」という顧客ニーズを捉えた新たな付加価値をつけることで価値向上と差別化を実現している。
マンションのエントランスだけ顔認証で開錠可能なサービスを提供する事業者は存在するが、同社のように、エントランス、駐車場などの共用部から宅配ボックス、メールボックス、エレベーター、住戸ドアに至る専用部まで、すべて顔認証で開錠可能なサービスをトータルで提供できるのは現時点で同社のみである。また、同社はデベロッパーとして蓄積してきたノウハウを基に、安全性と精度を兼ね備えた顔認証システムを提供できる。加えて、顔認証IDの発行やトラブルへの適切な対処、さらにはシステム導入時のコスト削減なども実現している。さらに同社は、DXという言葉がまだ浸透していなかった2018年半ばからDXを活用した独自のサービスの特許申請を進めており、2019年以降は顔認証や顔認証のマンション、顔認証プラットフォーム関連の特許を次々と取得し、同社のノウハウと技術により他社の容易な参入を許さない仕組みを作り上げた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
■Migaro Holdings<5535>業務概要
1. DX推進業務
在DX推進業務中,通過集團公司爲各行業提供DX支援。主要展開了面向智慧城市AI人臉識別業務的人臉識別平台“ FreeiD(フリード)”以及主要處理“Salesforce”和“Amazon Web Services”的生成AI/雲集成業務。人臉識別平台服務“FreeiD”可期望擴大應用到社會的各個領域,例如公寓或辦公室的便利性改善和安全加強、幼兒園和娛樂設施的入退室管理和職員的工作效率提高、無人店和餐廳的結算功能等等,是差異化和高附加值的重要業務。
該公司IT人員支持其DX,其中約55%(截至2024年3月期末)的423名職員是IT人員,如工程師等,而每個季度的員工人數都在增加。人才的獲取是他們的基本策略,包括新畢業生和M & A,相對於中途招聘的賣方市場,他們在僱用成本方面具有壓倒性優勢。由於DX推進業務是工程師人數與營業額息息相關的領域,所以我們認爲該公司的IT人員數量將有助於未來的業務增長。
2. DX房地產業務
DX房地產業務通過房地產投資的買賣、貸款、管理等,支持客戶的資產形成。他們已經構建了通達的租賃管理體系,從開發銷售到入住管理、銷售諮詢一氣呵成。他們通過Web營銷支持聚客,通過DX致力於提高生產力,比如AI評估和銷售支持系統。此外,他們還在通過DX技術將房地產投資小額化,以促進投資者活動和客戶資產的有效利用。例如,他們提供了房地產投資的雲融資服務“Rimple”。 在傳統的房地產投資中,每個投資者購買並運營公寓都是基本的,但在衆籌中,多名投資者共同投資公寓。他們每個月以3%左右的回報率募集5000萬日元到1億元左右的基金,投資金額爲1萬元。 對於那些對房地產投資感興趣但無法承擔高額費用的客戶,這是一種方便而合適的選擇。由於所選資產是基於該公司開發房地產投資的實際經驗和技術,因此信譽和安全性得到保障。 此外,他們還經營着Real Estate Coin,可以將其他公司賺取的積分交換成Real Estate Coin並投資於“ Rimple”內。
此外,他們在2021年竣工了日本第一座“全人臉識別公寓※”。“FreeiD”的母公司DXYZ量身定製的Face Recognition平台已標準化應用於其自主開發的所有公寓中。從共用設施(如入口,停車場等)到專有部分(如快遞包裹箱,郵件箱,電梯,住宅門),這座“全人臉識別公寓”都可以通過人臉識別來開鎖,成爲與其他公司區分的差異化因素。
※“Craysia IDZ Gakugei University”(根據該公司的報告)
公司的優勢在於平衡的業務投資組合和機動的全方位業務拓展,這些優勢將爲公司的穩健業績擴張提供支持。公司提供綜合物流服務,涉及國內航運、國際航運、港口運輸和倉儲業務,組成了一個平衡的業務組合。這4項業務同時開展,使得公司整體上可以分散風險。此外,作爲一家獨立的海運公司,也是公司的出色特點之一。在海運業中,存在大量的與貨主有業務往來的航運公司,這些公司與貨主的交易關係易呈僵化態勢。由於該公司不隸屬於任何一個系列,因此可以在全方位上自如地進行業務活動。在察覺到潛在收益機會時,該公司會採取迅捷的經營資源投入措施;相反地,當察覺到潛在風險時,則會重新考慮或者儘早撤退。該公司機動的經營將繼續增強其獲得收益的能力,這也是該公司最大的優勢之一。
該公司的優勢在於它不僅是一家房地產公司,而是一家綜合DX企業集團。在其本質的DX房地產業務中,他們銷售投資用新建築/二手公寓,居住用新建築公寓和投資用公寓,這支持了該公司的穩定收入。在DX推進業務中,他們不僅將CRM和系統安裝經驗外包,而且還推出了具有擴展性的數字服務,例如房地產衆籌和人臉識別。通過利用DX營銷,例如將有房地產購買意願的潛在客戶集中在針對客戶需求的平台上,以此建立米加羅集團的DX房地產經濟區並確立競爭優勢。此外,該公司也通過給傳統的房地產增加“人臉識別”這樣的新附加值,實現了價值的提升和差異化。
有些公司提供了只需進行人臉識別即可從公寓入口開始使用的服務,但只有該公司可以總體提供一種從入口、停車場等共用部位到專用部位如快遞櫃、郵箱、電梯和住宅單元門都可以使用人臉識別開啓的服務。此外,該公司可以根據開發商積累的專業知識提供安全性和準確性兼備的人臉識別系統。此外,它還實現了人臉識別ID的發行、適當的故障處理,以及系統引入時的成本削減。此外,該公司從2018年中期開始運用DX開發了其專利申請的獨特服務,利用該公司的專業技術和知識,從2019年開始,該公司連續獲取了與人臉識別、公寓、人臉識別平台相關的專利,從而建立了一套防止其他公司輕易進入的體系。
(撰寫者:富士客座分析師茂木稜司)