■会社概要
3. 強み
プレミアムウォーターホールディングス<2588>の強みの根源は「高い顧客獲得力による保有顧客の純増」であり、それによって積み上げられた162万件(2024年3月末)の顧客基盤である。大きな顧客基盤により、水源分散化や物流効率化、無駄のない工場設備などへの投資が可能となり、好循環を生み出している。
(1) 高い顧客獲得力
同社は宅配水市場でのシェアを近年大きく伸ばしている。高い顧客獲得能力を培ってきた元をたどると、エフエルシーがデモンストレーション販売では国内トップクラスであったことに遡る。顧客獲得方法は様々であるが、主に大型商業施設や大手量販店、ホームセンターなどで同社専用のブースを期間限定で出展し、デモンストレーション販売で5割強の顧客を獲得している。また、培った営業ノウハウや従業員への教育のほか、従業員の育成とモチベーションを考慮して作り込まれた従業員評価制度があり、能力を引き出す仕組みが充実している。5割弱の新規顧客を獲得する手法がテレマーケティング及びWeb販売である。特にコロナ禍により在宅時間が増えた消費者に対して、これらの手法の有効性が増している。環境の変化に柔軟に対応し、多様な販売チャネルから顧客を獲得できるのが同社の強みと言えるだろう。
従来は自社の営業による販売(直販)が主体であったが、近年は代理店による販売(代販・取次)が増えており、その割合が50%を超えている。同社の認知が高まったことにより、取次店販売の依頼が増えた。取次店としては、家具、各種通販、家電量販店、不動産、鉄道、電力など多様な事業会社との取引を拡大中である。また宅配水事業を行う他社への製品提供(OEM)も増えている。2023年3月期には、営業力が期待できるラストワンマイル、2024年3月期にはINESTと資本業務提携を結び、外部チャネルの活用が加速している。
(2) 水源の分散化(全国8水源体制へ)
同社は水の安定供給及び地産地消を狙いとして水源を分散する方針を採っている。現在では、富士吉田(山梨県)、富士(静岡県)、南阿蘇(熊本県)、金城(島根県)、朝来(兵庫県)、北アルプス(長野県)、吉野(奈良県)、そして2024年4月には北方(岐阜県)の新工場の第二期工事が完了し、全国8ヶ所、最大で月に250万件の生産が可能な体制が整った。8つもの水源を持つことは業界では特異であるようだ。水源を増やす難しさは、一定以上の顧客が確保できなければ工場の稼働率は上がらず製造コストが高くなってしまう点にある。その点で同社は保有顧客を増加させることができているため、工場稼働率を落とすことなく水源の開拓が可能である。また、水源の分散は、災害時などの事業継続対策にもつながる。2016年の熊本地震の際に南阿蘇の供給がストップする事態があったが、九州地方に配送する宅配水をほかの水源から供給することができたことからも、分散化が災害時にも強いことを証明した。
(3) 地産地消及び自社物流による物流効率化
宅配水業界にとって、近年の物流費の上昇は大きな経営課題である。同社は1WAY方式(使い切り容器)の配送を行うため、大手の配送業者に配送を委託しており、売上収益に占める配送費の比率は20%を超える。配送業界からは絶えず値上げのプレッシャーがあるため、物流費をコントロールすることの重要性は高い。同社が打ち出す大きな方向性が「水源の分散化による配送距離の短縮化」、いわゆる「地産地消」である。製造地と消費地が近ければ配送費も抑制できる。8工場が担当するエリアは決まっている。例えば南阿蘇工場から九州地方、金城工場から中国・四国地方などである。エリア内で、定期的にまとまった物量が確保できるため、トラックの積載効率も高くなり、物流費高騰を回避できる要因となっている。
配送は、長らく全国に物流網を持つ大手配送業者に委託してきたが、2019年3月期より大都市圏を中心に自社専用の配送を行う地域のパートナーを置き、地産地消の物流インフラと大手配送業者を使い分ける独自の配送を行っている。自社物流網の開始の契機としては、物流単価の値上げの圧力が高まったことが挙げられる。特に大都市圏では、1ルート当たりの配送先が多くなり、専用配送車の積載効率を高めやすい。2024年3月期には、自社物流(全国に物流を持っている大手配送業者以外の配送パートナー。同社製品の配送を専門に行う)の比率は51.5%まで向上し、物流費の抑制に寄与している。
(4) 無駄のない工場設備投資による原価低減
同社は、製造原価の低減にも取り組んできた。2016年からプリフォーム射出成形機を導入し、容器の内製化を行い、原価低減に成功した。この設備投資は約4億円の投資であった。容器1本当たり20円削減を想定した投資だったが、大きな設備投資も商品の本数が少なければ、無駄な投資となってしまう。同社では初年度に1,000万本出荷し、約1.6億円の利益向上を達成した。投資から3年目には投資回収し、利益を生み出し続けている。このように、顧客純増による出荷規模の拡大は様々な面で好循環を生み出している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
■公司概述
3. 優勢
Premium Water Holdings<2588>實力的根源是 「由於客戶獲取能力強,自有客戶淨增加」,因此建立了162萬個案例(2024/3年底)的客戶群。龐大的客戶群使得分散水源、提高物流效率以及投資無浪費工廠設備等成爲可能,從而形成良性循環。
(1)較高的獲客能力
近年來,該公司在供水市場的份額已大大增加。如果你追溯培養高客戶獲取能力的起源,那可以追溯到FLC在日本示範銷售方面名列前茅的時候。獲取客戶的方式多種多樣,但主要是公司專用的展位在大型商業設施、大型大型零售商、家居中心等限時展出,超過50%的客戶是通過示範銷售獲得的。此外,除了培養員工的銷售知識和教育外,還建立了考慮員工發展和動機的員工評估體系,並且有許多激發能力的系統。電話營銷和在線銷售是獲取不到50%新客戶的方法。特別是,對於因 COVID-19 疫情而增加居家時間的消費者而言,這些方法的有效性正在提高。可以說,該公司的優勢在於它可以靈活地應對環境的變化,並從各種銷售渠道獲得客戶。
過去,通過內部銷售(直銷)進行的銷售是主要的,但是近年來,代理商(代理銷售/經紀)的銷售有所增加,這一比例已超過50%。隨着公司知名度的提高,代理銷售的要求也隨之增加。作爲一家代理機構,我們正在擴大與各種商業公司的交易,例如傢俱、各種郵購店、電子產品零售商、房地產、鐵路和電力。此外,對其他開展送貨上門供水業務的公司的產品供應(OEM)也在增加。在2023/3財年與INEST結成了資本和商業聯盟,這是預期銷售能力的最後一英里。在2024/3財年,外部渠道的使用正在加速。
(2) 分散水源(向全國8個水源系統)
該公司採取了分散水源的政策,目的是穩定供水和當地生產,供當地消費。目前,富士吉田(山梨縣)、富士(靜岡縣)、南麻生(熊本縣)、金城(島根縣)、朝來(兵庫縣)、北阿爾卑斯山(長野縣)、吉野(奈良縣)新工廠的第二階段建設已經完成,並且已經建立了能夠在全國8個地點每月生產250萬台的系統。擁有多達八個水源似乎在行業中是獨一無二的。增加水源的困難在於,如果無法確保超過一定數量的客戶,工廠的運營率將不會提高,製造成本也會增加。在這方面,由於該公司能夠增加其擁有的客戶數量,因此可以在不降低工廠運營率的情況下開發水源。此外,水源的分散也導致了災害等期間的業務連續性措施。在2016年熊本地震期間,曾出現過向南阿蘇的供水停止的情況,但由於向九州地區輸送的水可以從其他水源供應,因此事實證明,即使在災害期間,權力下放也很強大。
(3) 通過本地生產供當地消費和內部物流提高物流效率
最近物流成本的上漲是供水行業的主要管理問題。由於該公司執行1WAY交付(一次性容器),因此交付外包給了主要的快遞公司,交付成本與銷售收入的比例超過20%。由於快遞行業不斷施加提高價格的壓力,因此控制物流成本非常重要。該公司啓動的一個主要方向是 「通過分散水源來縮短交付距離」,即所謂的 「本地生產供當地消費」。如果製造地和消費地相近,也可以抑制交貨成本。8家工廠負責的區域已經確定。例如,從南阿蘇工廠到九州地區,從金城工廠到中國/四國地區。由於可以在該區域內定期確保合併後的貨物,因此卡車裝載效率也很高,這是避免物流成本上漲的一個因素。
長期以來,配送服務一直外包給在全國擁有物流網絡的主要快遞公司,但自2019/3財年以來,我們已經建立了區域合作伙伴,主要在大都市地區提供內部獨家配送,並正在進行獨特的配送,利用物流基礎設施進行本地生產,供當地消費和主要送貨公司使用。建立內部物流網絡的原因是提高物流單位價格的壓力增加了。特別是在大都市地區,每條路線有更多的送貨目的地,而且很容易提高專用送貨車輛的裝載效率。在截至2024/3的財年中,我們將擁有自己的物流(交付合作夥伴),但在全國範圍內提供物流服務的主要快遞公司除外。該比率(專門交付公司的產品)已增加到51.5%,這有助於抑制物流成本。
(4)通過精益工廠設備投資降低成本
該公司還一直在努力降低製造成本。2016 年推出了預製件注塑機,容器由內部製造,併成功降低了成本。這筆資本投資約爲4億日元。這是一項假設每個集裝箱減少20日元的投資,但是如果產品數量很少,即使是大量的資本投資也是一種浪費性投資。該公司在第一年出貨了1000萬瓶,實現了約1.6億日元的利潤增長。投資在投資後的第三年收回了投資,利潤持續增長。因此,由於客戶淨增而導致的出貨規模擴大,在各個方面形成了良性循環。
(由 FISCO 客座分析師角田秀夫撰寫)