■中期的な展望
1. 免震・耐震に優れた新たな建築技術の開発
ファーストコーポレーション<1430>は、中期的には建築技術に関する新たな手法を開発し、他社との差別化によって受注拡大につなげる方針だ。具体的には、免震・耐震に優れた新建築技術の研究開発に注力している。現在の新耐震基準は1981年から施行されており、施行から40年以上が経過している。国土交通省の調査によると、2023年末には新耐震基準のマンションで築年数が40年超となるものが約34万戸に上ると推定されている。さらに、2038年末には、その約8倍の約260万戸まで膨らむという。一般的にマンションは築30~40年で建て替える傾向にあり、新耐震基準対応のマンションであっても今後、建て替えのニーズが発生することは想像に難くない。そうしたなか、同社の免震・耐震に優れた新たな建築技術が差別化要因になると弊社は考える。研究開発は順調に進んでおり、近い将来、具体的な成果を発表できるようである。今後も引き続き研究開発に注力し、投資家に向けて進捗状況の開示を適宜実施していく。
全国的に人口が減少するなかにあっても、同社が主要事業エリアとしている首都圏1都3県の人口減少スピードは相対的に緩やかである。また、同社によると分譲マンションに対する購買意欲は今後も底堅く推移することが予想されるという。同社のこの地域でのシェアは2024年5月期で3.21%であることから、なお市場開拓の余地は大きいと言えそうだ。
九州支店でもオフィスビルを建設。実績をベースにさらなる事業拡大を模索中
2. M&Aを念頭に置いた事業展開
建設業界における足元のマイナス要因の1つは慢性的な人手不足である。そうしたなかで同社は、業務提携によって施工人員の拡充を図るなど、積極的に対策を講じている。人手不足解消の手段としては、業務提携のほか、M&Aも念頭に置いている。人材育成は時間を要するため、現状では規模に応じた受注を心掛けているが、必要に応じてM&Aによる陣容増強に踏み切る考えだ。M&Aについてはコストパフォーマンスに留意し、慎重に進める考えだ。外部環境の好調が見込まれるなか、旺盛なニーズをしっかりと業績に取り込む体制を構築し、事業領域を広げるためにもM&Aを活用する方針である。また、2024年5月には管理本部管下の採用・人材開発部を採用・人材開発室に改組したうえで、社長直轄部門とした。採用力を強化することで、施工人員と施工体制の拡充を図る。
一方、将来の成長性を考えたうえで重要なポイントとなるのがエリアの拡大であり、注目すべきは九州支店である。同支店については、2018年4月の開設後、投資先行の状態が続いていたが、直近では福岡県福岡市博多区でオフィスビルを手掛けたほか、事業用地の売却、自社開発案件を手掛けるなど、事業活動の幅を確実に広げている。アジアへの玄関口であるこの地域の人口は2038年まで増加すると見込まれており、将来的なビジネスの展開を踏まえても、九州支店を開設した意味は大きい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
■中期展望
1. 開發出具有抗震性和耐震性的新建築技術
第一公司<1430>中期計劃是通過開發關於建築技術的新方法,實現與其他公司的差異化以擴大訂單。具體而言,公司致力於研究和開發具有出色的抗震性和耐震性的新建築技術。目前的新耐震基準自1981年開始實施,已經超過40年。根據國土交通省的調查,預計到2023年年底,約有34萬套公寓在新耐震基準下的建築年限超過40年。此外,到2038年年底,這個數字將增長到約260萬套,是現有的八倍左右。一般情況下,公寓在建成30到40年後會進行重建,即使是符合新耐震基準的公寓,未來肯定也會有重建需求。在這種情況下,我們相信該公司出色的抗震性和耐震性的新建築技術將成爲差異化的重要因素。研究開發進展順利,未來不久將能夠公佈具體成果。我們將繼續專注於研究開發,並及時向投資者披露進展情況。
儘管全國範圍內人口在減少,但該公司所經營的首都圈和3個縣的人口減少速度相對較緩。此外,據該公司表示,購買分銷式公寓的意願將在未來保持穩定。根據該公司在該地區的市場份額爲2024年5月期的3.21%,可以看出該市場還有很大的開拓空間。
在九州支店也正在建設辦公樓。根據實際業績不斷探索進一步的業務拓展。
2. 以併購爲導向的業務拓展
在建築行業,人員短缺是當前的一個負面因素。在這種情況下,該公司通過業務合作來擴大施工人員,並積極採取措施。作爲解決人員短缺的手段,除了業務合作外,公司還將考慮併購。由於人才培養需要時間,目前我們專注於根據規模接訂單,但根據需要,我們打算通過併購來增強我們的實力。關於併購,我們將注重成本效益,謹慎推進。在預計的外部環境良好的情況下,我們將建立一個能夠充分利用強勁需求的體系,並利用併購來擴大業務領域。此外,2024年5月,該公司改組了管理總部的招聘和人才開發部門,併成立了招聘和人才開發部。通過加強招聘能力,我們將擴大施工人員和施工體系。
然而,在考慮未來的增長潛力時,拓展業務區域是一個重要的關鍵點,九州支店值得關注。對於該支店來說,自2018年4月開設以來,一直處於投資先導的狀態,但最近在福岡市博多區承建了辦公樓,還出售了工業用地並開始自主開發項目,確實擴大了業務範圍。預計到2038年,這個地區作爲通往亞洲的門戶,人口將繼續增加,考慮到未來的業務拓展,九州支店的開設具有重要意義。
(作者:富士客座分析師清水陽一郎)