■STIフードホールディングス<2932>の事業概要
3. 同社の強み
同社の強みは(1) 製造技術、(2) 一貫生産体制、(3) フードロスとコストの削減にあり、コロナ禍や原材料高を乗り越える原動力にもなった。祖業が商社のため、海外を含め同社自ら検品や買付を実施していることから調達面での強みも持っている。また、小売最大手であるセブン-イレブンとの間で構築してきた関係も強みと言える。水産食材・食品は、行楽需要やイベント需要、世界の漁獲高などにより、需要供給ともに大きく変動する。こうした需給変動があっても全国の店舗で欠品が生じないよう、日々需給をチェックし適正在庫の確保に努めているが、同社では小売最大手のセブン-イレブンが収集するデータや知見を利用できるうえ、マーケティングに強いセブン-イレブンの協力によって市場変化に合わせた商品開発も可能となっている。一方セブン-イレブンにとっても同社との取引は、健康志向や少子高齢化に向けた品揃え強化の面からも、本格的な水産系食品・食材を生産できる水産系ベンダーが同社以外にない面からも、ファミリーマートやローソンといったコンビニエンスストア他社との差別化要因になっている。結果として、同社の業容拡大とセブン-イレブンの品揃え強化というWin-Winの関係が、今後も続いていくものと考えられる。
(1) 製造技術・特許の強み
水産資源は鮮度が命と言われる。また、塩や砂糖、味噌、醤油、酒といった基礎調味料だけで、素材のおいしさを十分に引き出せるとも言われているが、近年の工業化の中で、鮮度やうま味の維持のため殺菌剤や鮮度保持剤など基礎調味料以外の補助材料を使うようになった。しかし、同社には鮮度の微差さえ見逃さない機械以上に精密な鼻と目を持ったプロがいるため、補助材料を安易に採用せずに新しい技術・製法を開発することができ、結果として高い参入障壁を築いてきた。現在でも、常時20~30の新技術をテストしマーケティングを行っているため、3年に1回程度、以下のような大きな技術革新を実現、さらに特許も積極的に取得している。
1997年8月に生鮮イクラの静菌管理技術を開発したことより本物のサーモン卵のおいしさを引き出すことに成功し、同社はコンビニエンスストア向けおにぎり用味付イクラのパイオニアとなった。静菌管理技術は現在の成長につながる技術基盤と言える。2014年5月には三段階焼成・ガス置換パック技術を開発した。なかでもガス置換パック技術は密封した包装から99.7%空気を除去して窒素を充填することによって、家庭での焼きたてのおいしさをパックに封じ込める技術で、保存料を使わずに消費期限を従来の約3日間から約10日間へと延長可能となった。
2018年1月にはホットパック技術を開発した。サーモンフレーク(特許取得済み)は一般家庭で焼いて手でほぐしたフレークとほぼ変わらない食感と形状で、焼きタラコ(特許出願中)はオーブントースターやグリルなどで焼成した焼きタラコと変わらない食感、うま味、風味をもっており、同社食材の全国展開に弾みがつく商品となった。2021年4月にはカップサラダ・ガス置換技術を開発し、商品のパッキングにガス置換の技術を利用することで、薬品を使わずに鮮度を保持できるようになり、塩や酒の浸透力だけで素材の「うま味」を生かす「パウチ惣菜」の開発につながった。こうした技術を利用した「たことブロッコリーバジルサラダ」は、セブン-イレブンの人気商品となっている。現在も商品開発の深化を追求しているほか、賞味期限をさらに延長する新技術の開発に取り組んでいる。
(2) 一貫生産体制による「味」品質の向上
同社は、一貫生産体制によって技術力を効果的に生かしている。一貫生産と徹底した温度管理により、冷凍・解凍の回数を1回に削減する(産地で冷凍、工場で解凍、一気に製品化)ことで、おいしさの品質向上を図っている。分業を前提とする大手メーカーの生産体制では、分業に比例して冷凍・解凍の回数が増えてしまい、うま味成分の漏出などおいしさに重大な影響を与えることになる。一貫生産と分業生産という考え方の違いが根本にあるため、差別化以前の参入障壁とも言える。また、一貫生産によって、素材の鮮度、素材の大きさ、肉づきなどの基準を明瞭化し、鮮魚の裁断や切り身づくりの工程を工業部品のように標準化することで、旬や漁場、船、流通、調理によって1つ1つが異なる自然の水産素材を、品質の安定性や量産化、効率化を図りながら生産することができる。なお、20年近くにわたるプロの鼻と目による分析の蓄積により、おいしさの根拠となるアミノ酸や脂肪分、水分、油分、塩分、Brix、pH、色味、硬さ、粘度、歯ごたえなど、舌や歯で感じる「味」をすべて数値化している。一方、コンビニエンスストア向けの惣菜製造には労働集約的な側面があるが、同社では待遇や労働条件などの面で高いスキルを継承する体制を構築している。
(3) フードロスとコスト削減の両立
一貫生産は、素材を使い切ることによって徹底したフードロス対策になっている。チリで大型サイズに限定して集荷し頭部をカットした後に冷凍して日本に運ばれてきた素材は、同社工場搬入後、唯一の解凍工程を経た後、徹底した温度管理の下で調理されるため、すべて無駄なく使うことができる。現在では、切り身(背側・ハラミ)を焼魚やおにぎり具材に、中骨を缶詰に、カマ・ハラス・ヒレ・端材も焼魚(カマ・切り身)に商品化され、廃棄は1%に満たず、ほぼ全身が商品化されている。このため、フードロスを削減すると同時に、原材料コストの削減にもつながっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
■STI Food Holdings<2932>的業務概要
公司的優勢在於平衡的業務投資組合和機動的全方位業務拓展,這些優勢將爲公司的穩健業績擴張提供支持。公司提供綜合物流服務,涉及國內航運、國際航運、港口運輸和倉儲業務,組成了一個平衡的業務組合。這4項業務同時開展,使得公司整體上可以分散風險。此外,作爲一家獨立的海運公司,也是公司的出色特點之一。在海運業中,存在大量的與貨主有業務往來的航運公司,這些公司與貨主的交易關係易呈僵化態勢。由於該公司不隸屬於任何一個系列,因此可以在全方位上自如地進行業務活動。在察覺到潛在收益機會時,該公司會採取迅捷的經營資源投入措施;相反地,當察覺到潛在風險時,則會重新考慮或者儘早撤退。該公司機動的經營將繼續增強其獲得收益的能力,這也是該公司最大的優勢之一。
同公司的優勢在於(1)製造技術,(2)一貫生產體制,(3)食品浪費和成本削減,這也成爲克服新冠疫情和原材料高漲的動力。由於其創業是貿易商,因此公司自行進行檢品和採購,也在採購方面具有優勢。此外,該公司與最大的零售商7-11之間建立的關係也是一個優勢。水產食材和食品受到旅遊需求、活動需求和全球捕撈量等影響,需求和供應都會發生很大變化。即使存在這種需求供應變動,在全國門店都不會出現缺貨,公司每天都努力檢查需求和供應,以確保適當的庫存。與此同時,由於依靠7-11蒐集的數據和見解,以及與在營銷方面均有優勢的7-11的合作,公司也能進行隨市場變化調整的商品開發。另一方面,對於7-11來說,與該公司的交易不僅是因爲健康趨勢和老齡化要求增加了產品種類,還因爲除了該公司以外沒有其他水產品生產商可以生產真正的水產食品和食材。對於便利店等其他公司,這也成爲差異化因素。因此,可以預見的是,公司的業務擴大和7-11的產品種類加強形成了雙贏的關係,這種關係將持續下去。
(1)製造技術和專利的優勢
水產品兒的新鮮度被視爲至關重要。此外,據說只有鹽、糖、味噌、醬油、酒等基本調味料足以充分展現食材的美味,但由於最近的工業化,爲了保持新鮮度和鮮味,人們開始使用除基本調味料之外的輔助材料,如殺菌劑和保鮮劑等。然而,該公司擁有比機械更精密的嗅覺和視覺專家,因此能夠不隨意採用輔助材料,而是開發新技術和新工藝,進而構建高進入壁壘。目前,他們每天測試20-30種新技術並進行營銷,因此每年左右實現1次較大的技術革新,並積極獲取專利。
1997年8月,開發了生鮮鮭魚籽的靜菌管理技術,成功地挖掘出了真正的鮭魚卵的美味,使該公司成爲便利店壽司用味付魚子飯的先驅。靜菌管理技術可以說是該公司目前發展所依賴的技術基礎。2014年5月,該公司開發了三階段烘烤和氣體置換包裝技術。其中,氣體置換包裝技術通過密封包裝,消除了99.7%的空氣並用氮充填,可以在不使用防腐劑的情況下,將傳統約3天的消費期限延長至約10天。
2018年1月,開發了熱度榜技術。三文魚片(已獲得專利)在家裏烤並用手撕成的片狀幾乎和烤鱈魚子(正在申請專利)在烤箱或烤架上烤制後的口感、鮮味和風味相似,成爲了公司食材全國推廣的產品。2021年4月,開發了杯裝沙拉・氣體置換技術,通過利用氣體置換技術對商品進行包裝,可以在不使用化學品的情況下保持新鮮度,有效利用了鹽和酒的滲透力,以此來發展「袋裝半菜」的商品。利用這些技術開發的「章魚和西蘭花羅勒沙拉」成爲了7-11的熱門商品。該公司目前也在不斷深化商品開發,並努力開發進一步延長保質期的新技術。
(2)一貫生產體制帶來「味道」品質的提升
公司通過一貫生產體制有效利用技術實力。通過一貫生產和嚴格的溫度管理,將冷凍解凍次數減少到1次(在產地冷凍,工廠解凍,立即進行產品化),以提高美味品質。大型製造商以分工爲前提的生產體制會導致冷凍解凍次數與分工成正比,可能導致美味成分泄露等嚴重影響美味的情況。由於一貫生產與分工生產的思維差異作爲基礎,可以說是差異化之前的進入壁壘。此外,通過一貫生產,可以明確素材新鮮度、尺寸、肉質等標準,將生鮮魚的切割和切片工藝標準化,像工業元件一樣,從而在保持品質穩定性和批量生產的基礎上實現季節性、漁場、船隻、流通、烹飪等每個具有不同特點的海鮮素材的生產。此外,通過近20年的專業分析經驗積累,將構成美味基礎的氨基酸、脂肪、水分、油分、鹽分、Brix、pH、色澤、硬度、粘度、口感等舌頭和牙齒能感受到的「味道」全部數字化。另一方面,儘管便利店食品製造具有勞動密集性方面,但該公司已建立起具備高技能的體制,包括福利和勞動條件等方面。
(3)食物浪費和成本削減的雙重實現
一貫生產通過充分利用原料來徹底解決食物浪費問題。在智利限定大尺寸採摘完成並切掉頭部後冷凍運送到日本的原料,在公司工廠運入後經過唯一的解凍工序,隨後在嚴格的溫度管理下進行烹飪,因此可以全部有效利用。目前,魚片(靠背和雪花肉)用作烤魚或飯糰配料,中骨用於罐頭,魚頭、腹部、魚尾和雜魚也被用於烤魚(魚頭和魚片)商品化,廢棄率不超過1%,幾乎整個魚身都被商品化。因此,不僅可以減少食物浪費,還有助於降低原料成本。
(作者:華富證券客座分析師宮田仁光)