■SOLIZE<5871>の事業概要
1. 事業の構成
同社が展開する事業は、エンジニアが顧客企業の製品開発に対し直接的に製品開発ノウハウ・技術等を提供する「デザイン事業」と、顧客企業に対し同社の3Dプリンター等の設備による試作モデル製作及び最終製品に使用できる少量多品種製品の製作や3Dプリンターの代理販売・保守サポート等を行う「マニュファクチュアリング事業」の2セグメントである。デザイン事業ではエンジニアリングサービス及びコンサルティングサービスを、マニュファクチュアリング事業ではマニュファクチュアリングサービスを提供する。
2024年12月期中間期のセグメント別の売上高構成は、デザイン事業が82.2%を占める主力事業であり、マニュファクチュアリング事業が17.8%を占める。一方、営業利益では、マニュファクチュアリング事業が販管費抑制により利益を計上したのに対し、デザイン事業では人材採用を積極化したことで販管費が増大したことから小幅の損失を計上した。ただ、こうした特殊要因を除けば、本来はデザイン事業の方が利益率は高い。
2. サービスの内容
同社では、自動車関連メーカーを中心とする顧客企業に対して、エンジニアリングサービス、マニュファクチュアリングサービス、コンサルティングサービスの3つのサービスを提供している。1990年の創業時より、エンジニアリングサービスとマニュファクチュアリングサービスを展開し、2000年からコンサルティングサービスが加わった。
(1) エンジニアリングサービス
創業以来続けている事業で、ものづくりのデジタル化の黎明期で2Dから3Dに変わるタイミングに、同社は3D CADの教育をスタートした。その後、実際に3D CADのエンジニアを顧客企業へ送り込むところから、エンジニアリングサービスが始まった。このサービスでは、同社グループのエンジニアが保有する製品開発ノウハウやデジタル技術等を顧客企業の開発現場で直接提供するオンサイト支援(契約形態としては請負契約・準委任契約・派遣契約など)と、顧客企業からの依頼を受けて取り決めたアウトプット等を提供するオフサイト支援(契約形態としては請負契約・準委任契約など)により提供している。
同サービスの大きな特長は、対応領域がハイエンド領域(設計や解析など、ものづくりの上流工程)に特化しており、受託開発も可能な点にある。具体的には、デザイン&シミュレーション(3Dスタイリング、設計、解析、3Dソリューション)、ソフトウェア&シミュレーション(ソフトウェア、MBD、XR)、デジタルリスク(サイバーセキュリティ、デジタル・フォレンジック)等である。そのため、技術者派遣ビジネスでは、2024年6月末時点で平均時間単価4,835円と、業界水準に比べて10%以上高いトップクラスの水準を誇る。同社グループのエンジニアは高い付加価値を出すため、結果として単価も高くなる。さらにエンジニア数も、国内で約1,400名、米国で約60名、インドで約150名、中国で約30名と、連結ベースで1,600名超を誇る。
(2) マニュファクチュアリングサービス
エンジニアリングサービスと並んで創業以来続けている事業である。同サービスは、3Dプリンティング技術を駆使したサービスで、製造だけではなく、材料開発、装置導入・保守、活用支援まで幅広い3Dプリンターのケイパビリティを誇る。3Dプリンティングは、デジタルデータを用いて物体を造形する技術であり、積層造形法とも呼ばれる。材料を一層ずつ形成していくことで、3次元オブジェクトを作成する技術だ。
3Dプリンティング技術は、1990年以来、30年以上にわたり蓄積してきた技術とノウハウ、並びに自社で保有する3Dプリンター等の造形設備を活用し、製品開発における評価・検証等に使用される試作部品や、最終製品に使用される量産部品の提供を行っている。量産部品については自動車の量産品質へも対応している。また、ハイエンド3Dプリンターを、2024年6月末時点で国内最大級の41台保有している。ハイエンド3Dプリンターの価格は、1台当たり数百万円から1億円超のものまで様々であるが、大半は5千万円以上と高価である。粉末造形機、光造形機、インクジェット式、金属造形機を有しており、顧客の様々なニーズに対応できるのが強みである。さらに、3Dプリンターの導入から活用支援や、設計から製造までを支援等、ワンストップサービスを提供している。
(3) コンサルティングサービス
2000年代には、ものづくりのデジタル化を進めるなかで培ったノウハウを生かし、同社はいち早く3つ目の柱となるコンサルティングサービスを開始した。同サービスは、企業のビジネスモデルや製品開発の業務プロセスの変革等の実行力を提供し、顧客の組織を活性化するサービスである。
同社独自の方法論として、暗黙知(意思決定ロジック)まで踏み込むメソドロジー(筋道だったやり方の体系)に基づき、徹底した可視化・数値化技術をベースとして、組織を活性化する。エンジニアリングサービスやマニュファクチュアリングサービスで培った開発現場での経験・ノウハウ、デジタル技術や独自の方法論を融合したコンサルティングを展開する。これにより、技術課題の解決や組織横断的なプロセスの最適化を行い、顧客企業の競争優位性強化に向けた変革を推進する。さらにSaaS※により、ダイナミックな知恵の活用を実現する。同サービスでは、目指すべきことを描くだけでなく、顧客側に入り込み一緒に変革を行う。また、コンサルティングサービスの提供が終わった後も、エンジニアリングサービスのエンジニアが継続的に開発支援を行う。
※ Software as a Serviceの略称。サービスとしてのソフトウェアを意味するクラウドサービスの一種。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
■SOLIZE<5871>的業務概要
1. 業務構成
公司展開的業務包括直接向客戶企業提供產品開發方面的產品開發知識、技術等的"設計業務",以及向客戶企業提供使用其3D打印機等設備進行樣品製作和適用於最終產品的小批量多品種產品生產以及3D打印機的代理銷售、維護支持等服務的"製造業務",共同構成了2個部門。設計業務提供工程服務和諮詢服務,而製造業務則提供製造服務。
2024年12月期中期的分部銷售收入構成中,設計業務佔主力業務的82.2%,製造業務佔17.8%。然而,在營業利潤方面,由於製造業務通過控制銷售和管理費用而實現盈利,設計業務由於積極招聘人員導致銷售和管理費用的增加,出現輕微虧損。不過,除去這些特殊因素,設計業務本身的利潤率是較高的。
2. 服務內容
公司向以汽車製造商爲中心的客戶企業提供工程服務、製造服務和諮詢服務這三種服務。自1990年創立以來,開始提供工程服務和製造服務,2000年開始加入諮詢服務。
(1) 工程服務
這是公司一直在進行的業務,正值數字化製造的黎明時期,從2D到3D的變革時刻,該公司開始教授3D CAD。隨後,從派遣公司自家的3D CAD工程師到客戶企業現場開始,工程服務就此展開。該服務包括公司集團的工程師在客戶企業的開發現場直接提供產品開發知識和數字技術等支持(合同類型包括承包合同、準委託合同、派遣合同等),以及根據客戶企業的要求提供輸出內容等支持(合同類型包括承包合同、準委託合同等)。
該服務的主要特點是,其涉及領域專注於高端領域(例如設計和分析等,製造業的上游工藝),並且可以進行委託開發。具體而言,涵蓋了設計與模擬(3D造型風格、設計、分析、3D解決方案)、軟件與模擬(軟件、MBD、XR)、數字風險(網絡安全、數字取證)等。因此,在工程師派遣業務中,截至2024年6月底,平均小時價高達4,835日元以上,比行業水平高出10%以上,處於行業頂尖水平。該公司群的工程師提供高附加值,因此價格也較高。此外,該公司的工程師數量也很龐大,國內約1,400名,美國約60名,印度約150名,中國約30名,總計超過1,600名。
(2) 製造服務
工程服務和創業以來持續經營的業務之一。該服務利用3D打印技術提供服務,不僅涵蓋製造,還包括材料開發、設備引入和維護、支持利用等廣泛的3D打印機能力。3D打印技術是利用數字數據來製造物體的技術,也被稱爲分層製造技術。通過逐層形成材料,製造出三維物體的技術。
自1990年起,已經積累了30多年的3D打印技術和專業知識,利用自有的3D打印等成型設備,提供用於產品開發中的評估和驗證等試製部件,以及用於最終產品的量產部件。對於量產部件,也可以適應汽車的量產品質。此外,截至2024年6月底,擁有國內最大規模的41台高端3D打印機。高端3D打印機的價格爲每臺數百萬日元至1億日元以上不等,大多數超過5000萬日元。擁有粉末成型機、光造型機、噴墨式機、金屬成型機等,可以滿足客戶各種需求。還提供從3D打印機引入到支持利用,從設計到製造等一站式服務。
(3) 諮詢服務
在推進製造數字化的2000年代,公司立即開始了第三支柱——諮詢服務,利用在製造業培育的專業知識。該服務提供企業的業務模式和產品開發的執行力,以促進客戶組織的活化。
作爲公司獨特的方法,基於深入研究的方法論(體系化的邏輯決策),以嚴謹的可視化和數字化技術爲基礎,活化組織。結合在工程服務和製造服務中積累的開發現場經驗和專業知識,推出融合數字技術和獨特方法的諮詢服務。通過解決技術問題和優化跨部門流程,推動客戶企業的競爭優勢增強。此外,通過SaaS實現動態智慧的利用。該服務不僅提供爲了實現目標而繪製的藍圖,還讓客戶參與變革。此外,即使諮詢服務結束後,工程服務的工程師也將持續提供開發支持。
※ Software as a Service的簡稱。指作爲服務的軟件的一種雲服務。
(作者:富士客座分析師國重希)