■システムインテグレータ<3826>の事業概要
同社は1995年設立の独立系ソフトウェア開発会社で、自社開発したソフトウェアのパッケージ販売及び保守サービスのほか、クラウドサービス(SaaS)を提供している。新製品に関しては基本的にSaaSモデルでの事業展開を志向している。現在の主力製品には、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」や統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」のほかWeb-ERPパッケージ「GRANDIT」などがある。なお、ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」を主力とするE-Commerce事業については、事業分割によって新設した(株)DGコマースに承継させたうえで、同子会社株式の60.0%を2024年1月に(株)DGフィナンシャルテクノロジー※に譲渡した。これにより、DGコマースは同社の持分法適用関連会社となっている。また、2022年にベトナムにオフショア開発子会社として設立したKEYSTONE SOLUTIONS COMPANY LIMITED(出資比率83%)を連結対象子会社とし、2025年2月期より連結決算を開始した。
※ DGフィナンシャルテクノロジーはデジタルガレージ<4819>の子会社で、決済情報処理サービスや収納代行サービス、送金サービス事業などを展開している。
事業セグメントはObject Browser事業、ERP事業、AI事業の3つの事業と、新規事業が含まれるその他として区分開示している。2025年2月期第2四半期累計の構成比を見ると、ERP事業が売上高の80.0%、セグメント利益の69.9%を占める主力事業となっており、次いで、Object Browser事業が売上高で17.7%、セグメント利益で35.6%を占める。AI事業についてはまだ先行投資段階であり、売上規模も小さく収益化前の段階にある。
1. Object Browser事業
Object Browser事業では、エンジニアの生産性向上に寄与するデータベース開発支援ツール「SI Object Browser」やデータベース設計支援ツール「SI Object Browser ER」(以下、「Object Browser」シリーズ)のほか、統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」を開発、ライセンス販売またはSaaSとして提供している。
売上構成比は「Object Browser」シリーズが約3割、「OBPM Neo」が約7割である。「Object Browser」シリーズは1997年の発売以来、約2万社、50万ライセンスの導入実績があり、Oracle製品を筆頭に主要データベースのほぼすべてに対応していることからデファクトスタンダードとなっている。高いブランド力を持つため販売費用もほとんどかからず、売上総利益率は80%超と高収益製品となっている。競合製品として無料ソフトが出ているが、機能面での差があるため直接的な影響は受けていない。従来はパッケージ販売(ライセンス販売+保守サービス)のみとなったが、2021年2月よりSaaS型での販売※も開始している。売上高の30%超は保守サポートなどのストック収入で占められており、売上高も比較的安定して推移している。
※ 契約期間は1年、2年、3年の年間契約(保守料含む)。バージョンアップは無償。for Oracleのみ。
一方、「OBPM Neo」※1は開発プロジェクトの進捗状況を統合管理(スケジュール、コスト、要員、品質、採算などの管理)することで不採算プロジェクトの発生を未然に抑止するなど、開発部門の生産性向上を支援するツールである。2008年にオンプレミス版「OBPM」の開発・販売を開始し、2021年3月にSaaS版の「OBPM Neo」にリニューアルした。国内で唯一、PMBOK※2に準拠していたことから中堅規模のIT企業を中心に導入が進み、2024年2月末時点の累計導入実績は約270社となっている。大手IT企業はプロジェクト管理ツールを内製化しているが、最近では「OBPM Neo」の認知度向上や品質の高さが評価され、部門内で導入を検討する企業も増えている。一方、中小企業はExcelなどの市販ソフトや無料ソフトを使用しているケースが多い。既存顧客のうち30%超がオンプレミス版を継続しているが、SaaS版の機能を拡充しながら移行を進めていく。売上総利益率は50%程度の水準と見られる。
※1 月額利用料(税抜)は10ライセンスで10.5万円、20ライセンスで15.75万円、30ライセンスで18.9万円、40ライセンスで23.1万円、50ライセンスで26.25万円。50ライセンス超は別途相談。契約期間は1年。各種システムと連携するためのオプションサービス有り。
※2 PMBOK(Project Management Body of Knowledge)とは、プロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を体系立ててまとめたもの。1987年にアメリカの非営利団体PMIが「A Guide to the Project Management Body of Knowledge」というガイドブックで発表してから徐々に知られるようになり、現在はプロジェクトマネジメントの世界標準として世界各国に浸透している。
2. ERP事業
ERP事業では、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」の開発、導入販売を行っている。「GRANDIT」は11社のIT企業が参画したコンソーシアム方式で運営されているERPパッケージのことで、同社は2004年のコンソーシアム結成時より「GRANDIT」の企画・開発に携わり、普及拡大に貢献してきた。「GRANDIT」の顧客ターゲットは年商数百億円規模の中堅企業だが、最近は大企業向けの実績も増えはじめ、導入社数はコンソーシアム全体で1,400社超まで拡大している。「GRANDIT」の特徴は、完全Webベースでバージョンアップ時にクライアント側でのメンテナンス作業が不要なこと、またハードウェアに依存しないためWebが動作する環境であればどこでも利用できる点が挙げられる。さらに、「GRANDIT」は11社それぞれの技術ノウハウが製品開発に生かされているため幅広い業種に対応可能で、機能面での競争力も高く、生産管理まで含む数少ない国産ERPとなっている。2022年11月には、中小企業向けを対象としたクラウドERPサービス「GRANDIT miraimil(ミライミル)」をリリースするなど、日々進化を続けている。
同社の導入実績は製造業向けを中心に200社超となっており、年間販売実績が最も高かった企業に与えられる「GRANDIT AWARD Prime Partner of the Year」を2011年に初受賞して以降、通算8回受賞(2022年以降2年連続受賞中)するなど、コンソーシアムのなかでトップの実績を有する。同社の強みは、「GRANDIT」の基本機能を補完するアドオンモジュールとして製造業向けの「生産管理アドオンモジュール」や「工事管理アドオンモジュール」のほか、ソフトウェア業界向けに「OBPM Neo」と連携させた「プロジェクト管理テンプレート(ITテンプレート)」などを自社開発するなど、幅広いソリューションに対応できる開発力である。さらに、RPAやAIと組み合わせた業務自動化提案やAWS、Microsoft Azureなどのパブリッククラウドベースでのインテグレーションサービスにも対応可能である。
ERPの国内市場規模は、新型コロナウイルス感染症拡大を契機に経営のデジタルトランスフォーメーション(DX)が活発化するなかで着実に拡大を続けている。ERP最大手のSAPが既存システムの保守サポートを2027年度で終了することを発表しており、大企業を中心に既存システムから「SAP S/4HANA」への移行、またはほかのERPに切り替える動きが活発化するなかで、エンジニアが慢性的に不足する状況が続いていることから、同社も「SAP S/4HANA」の導入支援サービスを2024年4月より開始した。
ERPベンダーは顧客規模別に棲み分けが進んでおり、大企業向けではSAPやOracle<ORCL>など外資系が強く、中堅企業向けでは「GRANDIT」のほか富士通<6702>の「GLOVIA」、オービック<4684>の「OBIC7」などが競合製品となる。ここ最近は多機能化や外部連携機能など複雑化していることもあり、1件当たりの受注単価も3~5億円と大型化する傾向にある。売上総利益率は製品構成や仕様によって変わるため一概には言えないが、平均すると20%台後半の水準となる。一方、プロジェクトの延伸や改修作業が生じた場合は、利益率が低下したり不採算プロジェクトとなるリスクもある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■系統集成商 <3826> 業務概述
該公司是一家成立於1995年的獨立軟件開發公司,除了爲內部開發的軟件提供一攬子銷售和維護服務外,它還提供雲服務(SaaS)。至於新產品,他們的目標基本上是使用SaaS模式進行業務開發。目前的主要產品包括Web-ERP軟件包 「GRANDIT」,以及數據庫開發支持工具 「SI對象瀏覽器」 和集成的項目管理工具 「OBPM Neo」。此外,在以歐共體網站建設一攬子計劃 「SI Web Shopping」 爲主力的電子商務業務方面,同一子公司60.0%的股份在被DG Commerce Co., Ltd.(因業務拆分而新成立)接管後,於2024/1年度轉讓給了DG Financial Technology Co., Ltd.結果,DG Commerce已成爲採用股權法的公司的附屬公司。此外,2022年在越南作爲離岸開發子公司成立的KEYSTONE SOLUTIONS COMPANY LIMITED(投資比率爲83%)成爲合併目標子公司,合併財務業績始於2025/2財年。
* DG Financial Technology是Digital Garage<4819>的子公司,正在開發支付信息處理服務、存儲代理服務、匯款服務業務等。
該業務部門被歸類和披露爲三項業務:對象瀏覽器業務、ERP業務和人工智能業務以及包括新業務在內的其他業務。從截至2025/2財年第二季度的累計構成率來看,ERP業務是主要業務,佔銷售額的80.0%和分部利潤的69.9%,其次是對象瀏覽器業務,佔銷售額的17.7%和分部利潤的35.6%。人工智能業務仍處於前期投資階段,銷售規模很小,處於盈利之前的階段。
1。對象瀏覽器業務
在對象瀏覽器業務中,除了有助於提高工程師生產力的數據庫開發支持工具 「SI 對象瀏覽器」 和數據庫設計支持工具 「SI Object Browser ER」(以下簡稱 「對象瀏覽器」 系列)外,還開發並以許可證銷售或SaaS的形式提供集成的項目管理工具 「OBPM Neo」。
「對象瀏覽器」 系列的銷售構成比例約爲30%,「OBPM Neo」 的銷售構成比例約爲70%。自1997年 「對象瀏覽器」 系列發佈以來,約有2萬家公司推出了500,000個許可證,並且由於它與幾乎所有主要數據庫兼容,從甲骨文產品開始,它已成爲事實上的標準。由於它具有很高的品牌影響力,因此幾乎沒有銷售成本,毛利率超過80%,使其成爲利潤豐厚的產品。自由軟件已作爲競爭產品發佈,但由於功能存在差異,因此沒有受到直接影響。傳統上,僅使用套餐銷售(許可證銷售+維護服務),但SaaS類型的銷售*也已在2021/2年開始。超過30%的銷售額來自維護支持等股票收入,銷售也保持相對穩定。
※ 合同期爲1、2年和3年的年度合同(包括維護費)。升級是免費的。僅適用於 Oracle。
同時,「OBPM Neo」 *1是一種支持開發部門生產率提高的工具,例如通過對開發項目進度進行綜合管理(管理進度、成本、人員、質量、盈利能力等)來抑制無利可圖項目的發生。本地版本 「OBPM」 的開發和銷售始於2008年,並於2021/3年更新爲SaaS版本的 「OBPM Neo」。由於它是日本唯一符合PMBOK*2的公司,因此實施進展主要是中型IT公司,截至2024/2年底的累計實施記錄約爲270家公司。大型IT公司內部製造了項目管理工具,但最近對 「OBPM Neo」 的認識和高質量的提高進行了評估,考慮在該部門引入該工具的公司數量也在增加。同時,在許多情況下,中小型企業使用市售軟件,例如Excel或免費軟件。超過30%的現有客戶繼續使用本地版本,但過渡將在擴展SaaS版本功能的同時進行。毛利率預計約爲50%。
*1 10個許可證的月度使用費(不含稅)爲10.5萬日元,20個許可證爲157,500日元,30個許可證爲189,000日元,40個許可證爲231,000日元,50個許可證爲262,500日元。如需獲得 50 個或更多許可證,請單獨查詢。合同期爲 1 年。有用於連接各種系統的可選服務。
*2 PMBOK(項目管理知識體系)是與項目管理相關的專有技術和方法的系統彙編。自從美國非營利組織PMI於1987年在一本名爲《項目管理知識體系指南》的指南中宣佈該指南以來,它逐漸廣爲人知,現在它已作爲項目管理的全球標準滲透到世界各國。
2。企業資源規劃業務
在企業資源規劃業務中,我們正在開發、推出和銷售網絡企業資源規劃軟件包 「GRANDIT」。「GRANDIT」 是一個由聯盟系統運營的ERP軟件包,有11家IT公司參與,自該聯盟於2004年成立以來,該公司一直參與該聯盟的規劃和開發,爲其傳播和擴張做出了貢獻。「GRANDIT」 的客戶目標是年銷售額爲數百億日元的中型企業,但最近大型公司的業績也開始增加,採用它的公司數量已擴大到總共1400多家公司。「GRANDIT」 的特點包括它完全是基於 Web 的,升級版本時不需要在客戶端進行維護工作,而且由於它不依賴硬件,它可以在任何運行 Web 的環境中使用。此外,由於這11家公司的技術知識都用於產品開發,「GRANDIT」 與廣泛的行業兼容,在功能方面具有很高的競爭力,是爲數不多的包括生產管理在內的國產ERP之一。2022/11年度,針對中小型企業的雲ERP服務 「GRANDIT miraimil(miraimil)」 發佈,並且該服務每天都在不斷髮展。
該公司的實施記錄超過200家公司,主要來自制造業,自從獲得 「GRANDIT AWARD年度最佳主要合作伙伴」(授予年度銷售記錄最高的公司)以來,它總共獲得了8個獎項(自2022年以來連續2年),並且在財團中名列前茅。該公司的優勢在於開發能力,可以處理各種解決方案,例如開發與軟件行業的 「OBPM Neo」 相關的內部 「項目管理模板(IT模板)」 等,以及作爲補充 「GRANDIT」 基本功能的附加模塊 「生產管理附加模塊」 和 「施工管理附加模塊」。此外,它與結合了RPA和AI的業務自動化提案,以及基於AWS和微軟Azure等公有云的集成服務兼容。
隨着新型冠狀病毒感染的蔓延,管理層的數字化轉型(DX)變得活躍,國內ERP市場的規模繼續穩步擴大。最大的ERP公司SAP宣佈,對現有系統的維護支持將於2027年結束,隨着從現有系統過渡到 「SAP S/4HANA」 或切換到其他ERP的運動變得活躍,主要是在大型企業,該公司還從2024/4年開始提供 「SAP S/4HANA」 引入支持服務。
ERP供應商正在根據客戶規模進行劃分,SAP和甲骨文<ORCL>等外國公司在大型企業中表現強勁,除了 「GRANDIT」 之外,富士通的 「GLOVIA」 <6702>和奧比克的 「OBIC7」 <4684>也是中型企業的競爭產品。最近,還出現了諸如多功能和外部協作功能等複雜問題,每筆訂單的單價也趨於上漲至3億至5億日元。由於毛利率會根據產品結構和規格而變化,因此不能毫不含糊地說,但平均而言,毛利率處於20%範圍的後一半。另一方面,如果進行項目擴建或翻新工程,也存在利潤率下降或成爲無利可圖的項目的風險。
(作者:FISCO 客座分析師佐藤喬)