■Jトラスト<8508>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) 日本金融事業
債務保証残高は、2024年9月末には2,451億円へ増加した。保証残高の8割を占める賃貸住宅ローン(アパートローン)保証のうち、2020年11月から開始した中古アパートローンの保証残高は引き続き順調に増加した。保証残高は、2024年12月末には合計2,500億円を計画している。同社グループは保証残高の大幅な拡大を目指して様々な取り組みを行っている。従来からのアパートローン保証だけでなく、有価証券担保ローン・海外不動産担保ローン・クラウドファンディング(融資型/不動産投資型)の保証・不動産買取保証といった保証商品の多角化を推進しており、徐々にその成果が表れている。
サービサー(債権回収)業務では、パルティール債権回収(株)では回収が順調で、債権の買い取りが進み、請求債権残高は2024年9月末には10,238億円へ増加した。債権回収においては、多様な債権回収事業会社出身者のノウハウを結集した国内トップクラスの回収力があり、保証業務と並び日本金融事業の利益の柱となっている。Nexus Cardでは割賦事業の好調により、営業収益16億円(前年同期比7億円増)、営業利益6億円(同6億円増)と損益分岐点を超えた。Jトラストグローバル証券(株)でも、プライベートバンキング及びIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザーを意味するIndependent Financial Advisorの略)事業が順調で、営業収益33億円(前年同期比7億円増)、営業利益3億円(同5億円増)と黒字化した。預かり資産は2024年9月末には3,866億円で、2024年12月末には4,300億円に拡大し、手数料の増加を計画している。
(2) 韓国及びモンゴル金融事業
2024年12月期第3四半期の営業収益は34,554百万円(前年同期比3.1%減)、営業損失は72百万円(前年同期は1,652百万円の損失)となった。営業収益は貯蓄銀行業における貸出金の減少などに伴い、減収となった。営業損失は景気の悪化及び債権の不良化により債権売却損が増加した一方、預金の減少により利息費用が減少したことで損失幅が圧縮した。第2四半期までに引当金を積んできたが、不良債権化を抑制したことで、計画どおりの業績改善をもたらした。
JT親愛貯蓄銀行(株)の貸出残高は、不良債権増加やBIS規制遵守のため戦略的に個人向け貸出を抑制したことで、2024年9月末には2,278億円に減少した。貸出残高の減少に伴い不良債権比率は2024年9月末には9.46%に上昇したが、貸倒引当金を控除したネットでは2.61%と低位であった。JT貯蓄銀行の貸出残高は2024年9月末には2,063億円とほぼ横ばいで推移した。債権の質の良化を重視し、貸出残高をコントロールした結果である。また、不良債権比率は2024年9月末には9.47%になったが、貸倒引当金を控除したネットでは7.64%に留まった。JT親愛貯蓄銀行と比べてネット不良債権比率は高いものの、JT貯蓄銀行では法人向け貸出の割合が多く、大半が担保で保全されており問題はない。引き続き回収とモニタリングを強化することで、不良債権の抑制に注力する方針だ。
(3) 東南アジア金融事業
2024年12月期第3四半期の営業収益は35,580百万円(前年同期比29.3%増)、営業利益は2,310百万円(同56.6%増)となった。営業収益は、銀行業における貸出金の増加や新規貸出金利の上昇や貸倒引当金の戻し入れ等により増収となった。営業利益は、優良な貸出金の積み上げによる利息収益の増加などにより増益となった。
a) Jトラスト銀行インドネシア
Jトラスト銀行インドネシアにおける、2024年12月期第3四半期の営業収益は222億円(前年同期比54億円増)、営業利益は20億円(同10億円増)となった。法人大企業や国営企業を中心とする貸出残高は2024年9月末には2,673億円と、順調に増加した。不良債権化抑制と回収による不良債権の圧縮に加え貸出残高の増加もあり、不良債権比率はインドネシア銀行業界平均の2.3%(2024年8月)を下回る1.20%の低位で推移し、貸倒引当金を控除したネットでは0.91%であった。リスクマネジメントを強化した成果が表れたと言える。預金残高も3,247億円(2024年9月末)に増加した。預金金利は5.89%とやや上昇したが、インドネシアの政策金利(中央銀行の民間銀行への貸出金利は2024年9月時点で6.00%)より低位で推移したこともJトラスト銀行インドネシアの好業績に貢献した。
b) Jトラストロイヤル銀行
カンボジアのJ Trust Royal Bank Plc.(以下、Jトラストロイヤル銀行)では、2024年12月期第3四半期の営業収益は119億円(前年同期比19億円増)、営業利益は16億円(同6億円増)となった。貸出金利の上昇及び円安の影響により、増収増益となった。貸出残高を引き続き戦略的にコントロールして質の向上を進めており、2024年9月末には1,363億円に減少した。カンボジア経済が中国経済変化の影響を受けていることを主因に、不良債権比率は7.76%、貸倒引当金を控除したネットでは1.92%となった。引き続き担保物件の競売や法的手続き等による回収とモニタリングを強化し、不良債権比率の抑制に努める方針だ。一方、2024年9月末の預金残高は1,402億円、預金金利は3.90%となった。預金残高は、貸出とのバランスを考慮してコントロールしている。
(4) 不動産事業
不動産事業については、主にJグランド(株)、グローベルス<193A>及び(株)ライブレントが国内で、Prospect Asset Management, Inc.が米国ハワイ州で、それぞれ不動産事業を行っている。ライブレントは賃貸管理会社で利益貢献は小さく、Jグランドとグローベルスが大半の利益を稼いでいる。2024年12月期第3四半期の営業収益は、Jグランドにおける不動産取扱件数の増加やライフブレントの子会社化により不動産販売収益が増加したことにより、14,686百万円(前年同期比34.6%増)の増収となった。ただ、営業利益は前年同期に計上したミライノベートの吸収合併により生じた負ののれん発生益10,113百万円のはく落に伴い、651百万円(同94.0%減)に減少した。
(5) 投資事業
投資事業については、主にJTRUST ASIA PTE. LTD.(Jトラストアジア)が投資事業及び投資先の経営支援を行っている。2024年12月期第3四半期の営業収益は5百万円(前年同期比95.7%減)となり、またGroup Lease PCLにかかる訴訟費用(弁護士費用)が増加した一方、訴訟の判決により同社からの回収金を計上したことで1,221百万円の営業損失(前年同期は1,583百万円の損失)となった。2023年4月には、シンガポール高等法院において被告のGroup Lease PCLらに対して約124百万米ドル(約18,173百万円、1米ドル=146円換算)と、これに対する2021年8月からの利息の支払い等を命じる判決が下り、2024年1月に判決が確定し、2024年5月には約855百万円を回収した。同社では裁判で争った金銭債権に対して既に全額貸倒引当金を設定しており将来の回収金は利益計上される。今後も回収に注力することでグループ業績に貢献する計画である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
■J Trust 業績趨勢 (8508)
2。按業務領域劃分的趨勢
(1) 日本金融業務
到2024/9年底,債務擔保餘額增加到2451億日元。在佔擔保餘額80%的租金抵押貸款(公寓貸款)擔保中,從2020/11年度開始的二手公寓貸款的擔保餘額繼續穩步增長。計劃到2024/12年底,擔保總餘額爲2500億日元。該公司集團正在採取各種舉措,旨在大幅擴大擔保餘額。除了傳統的公寓貸款擔保外,證券擔保貸款、海外房地產擔保貸款、衆籌(貸款類型/房地產投資類型)擔保和房地產購買擔保等擔保產品的多樣化正在逐步顯示出成效。
在服務商(收債)業務中,Partir收債有限公司的催收進展順利,債務購買取得了進展,債權餘額在2024/9年底增加到10,2380億日元。在收債方面,它擁有一流的國內收款能力,彙集了來自各種收債商業公司的人的專業知識,它是日本金融業務和擔保服務的利潤支柱。由於分期付款業務的強勁銷售,Nexus Card突破了盈虧平衡點,營業收入爲16億日元(比去年同期增長7億日元),營業收入爲6億日元(比同期增長6億日元)。即使在J Trust Global Securities Co., Ltd.,私人銀行和IFA(獨立財務顧問的縮寫意爲獨立財務顧問)業務也進展順利,營業收入爲33億日元(比去年同期增長7億日元),營業收入爲3億日元(比去年同期增長5億日元)。截至2024/9年底,存託資產爲3,866億日元,到2024/12年底將擴大到4,300億日元,並計劃增加費用。
(2) 韓國和蒙古的金融業務
截至2024/12財年第三季度的營業收入爲345.54億日元(比去年同期下降3.1%),營業虧損爲7200萬日元(去年同期虧損16.52億日元)。由於儲蓄銀行業務的貸款等減少,營業收入下降。至於營業虧損,由於經濟惡化和應收賬款不佳,債務銷售損失增加,而利息成本因存款減少而下降,虧損範圍縮小。截至第二季度的準備金已累積,但通過抑制壞賬,業績得以按計劃改善。
JT中國儲蓄銀行股份有限公司的貸款餘額在2024/9年底下降至2278億日元,這是由於不良貸款增加和遵守國際清算銀行法規導致對個人貸款的戰略抑制。由於貸款餘額減少,不良貸款比率在2024/9年底升至9.46%,但在扣除債務損失準備金後,淨利率低至2.61%。截至2024/9年底,JT儲蓄銀行的貸款餘額幾乎保持不變,爲2063億日元。這是控制貸款餘額的結果,重點是提高索賠質量。此外,截至2024/9年底,不良貸款的比率爲9.47%,但在扣除債務損失準備金後,互聯網上的不良貸款率仍爲7.64%。儘管與JT信愛儲蓄銀行相比,淨壞賬比率很高,但JT儲蓄銀行的公司貸款比例很高,而且其中大多數都有抵押品保護,因此沒有問題。這項政策側重於通過繼續加強收款和監測來抑制壞賬。
(3) 東南亞金融業務
截至2024/12財年第三季度的營業收入爲355.8億日元(比去年同期增長29.3%),營業利潤爲23.1億日元(較同期增長56.6%)。營業收入的增加是由於銀行業貸款的增加、新貸款利率的提高以及債務損失準備金的回報等而增加的。由於優厚貸款的積累,利息收入的增加等導致營業利潤增加。
a) 印度尼西亞J信託銀行
印度尼西亞信託銀行截至2024/12財年第三季度的營業收入爲222億日元(比去年同期增長54億日元),營業利潤爲20億日元(較同期增長10億日元)。到2024/9年底,以大型企業和國有企業爲中心的貸款餘額穩步增長至2673億日元。除了因抑制和催收不良貸款而壓縮不良貸款外,貸款餘額也有所增加,不良貸款比率保持在1.20%的低水平,低於印度尼西亞銀行業2.3%(2024/8)的平均水平,扣除債務損失準備金後的淨利率爲0.91%。可以說,加強風險管理的成果已經顯現。存款餘額也增加到3247億日元(2024/9年底)。存款利率小幅上升至5.89%,但仍低於印度尼西亞的政策利率(截至2024/9年,中央銀行對私人銀行的貸款利率爲6.00%)這一事實也促成了印尼信託銀行的強勁表現。
b) J Trust 皇家銀行
柬埔寨的J Trust Royal Bank Plc(以下簡稱 「J Trust Royal Bank」),截至2024/12財年第三季度的營業收入爲119億日元(較去年同期增長19億日元),營業利潤爲16億日元(較同期增長6億日元)。由於貸款利率上升和日元貶值的影響,銷售額和利潤增加。貸款餘額繼續受到戰略控制以提高質量,到2024/9年底,貸款餘額降至1363億日元。主要由於柬埔寨經濟受到中國經濟變化的影響,不良貸款率爲7.76%,扣除債務損失準備金後的淨貸款率爲1.92%。該政策是通過拍賣抵押財產和法律程序等繼續加強收集和監測,並努力控制壞賬比例。同時,截至2024/9年底,存款餘額爲1402億日元,存款利率爲3.90%。通過考慮貸款餘額來控制存款餘額。
(4) 房地產業務
在房地產業務方面,J Grand Co., Ltd.、Globels <193A>和Livelent株式會社主要是國內業務,而Prospect Asset Management, Inc.位於美國夏威夷,各自從事房地產業務。LiveRent是一家租賃管理公司,利潤貢獻很小,而J Grand和Globels賺取了大部分利潤。截至2024/12財年第三季度的營業收入增加了146.86億日元(比去年同期增長34.6%),這是由於J-Grand處理的房地產交易數量增加以及LifeBrent成立子公司導致房地產銷售收入增加。但是,營業收入下降至6.51億日元(比同期下降94.0%),這是由於去年同期Mirai Novate的吸收合併導致的負商譽利潤下降了101.13億日元。
(5)投資業務
投資業務主要是JTRUST ASIA PTE。有限公司。(J Trust Asia)爲投資企業和被投資公司提供管理支持。截至2024/12財年第三季度的營業收入爲500萬日元(比去年同期下降95.7%),儘管與Group Lease PCL相關的訴訟費用(律師費)有所增加,但由於訴訟判決導致該公司記錄了追回資金,營業虧損爲1.221億日元(去年同期虧損15.83億日元)。2023/4年,新加坡高等法院作出裁決,命令向被告集團租賃公司等支付約1.24億美元(約合181.73億日元,1美元=146日元兌換),並從2021/4年起對此支付利息等,該判決於2024/1年度完成,並於2024/5年追回約8.55億日元。該公司已經爲法庭上有爭議的金錢索賠設定了全額債務損失補貼,未來的追回款項將記爲利潤。該計劃將通過將來專注於收款,繼續爲集團績效做出貢獻。
(由FISCO客座分析師國茂樹撰寫)