■会社概要
1. 会社概要
CRI・ミドルウェア<3698>は、主に「CRIWARE」というブランドで、音声・映像に特化したミドルウェア※の許諾ビジネスや技術サポートを行っている。音声・映像のデジタル信号処理技術に強みを持ち、ゲーム事業とエンタープライズ事業を展開、ゲーム事業では、ミドルウェアや画像最適化ソリューションなどを提供、子会社で音響制作を手掛けており、特に音声ミドルウェアは国内ゲーム市場でのシェアが非常に高い。エンタープライズ事業では、ゲーム事業で培った技術を生かし、ゲーム以外のなかでもモビリティ分野や家電・IoT機器などの組込み分野、Web動画や静止画等に係る技術を取り扱うクラウドソリューション分野に注力している。ゲーム向けミドルウェアで創業した同社だが、ゲームから遊技機などエンターテインメント分野へ、さらにモビリティや組込みなどエンタープライズ事業へと領域を拡大し、海外への再進出を果たした。中長期的に国内のゲーム依存の事業構造を変革し、ゲーム、モビリティ、TeleXus関連を3本柱にしていく計画で、5〜10年後に100億円企業となることを目指している。
※ ミドルウェア:ハードウェアやOS(オペレーティングシステム)と、アプリケーションソフトウェアとの中間(ミドル)に位置するソフトウェア。様々なハードウェアやOSの特性を押さえることで、アプリケーションの動作や開発をスムーズに行う。クオリティの向上、開発工数の削減、開発期間の短縮、開発難易度の低減などの効果があり、また、アプリケーションを異なる様々なプラットフォームで展開することも容易になる。
前身はCSK総合研究所のミドルウェア事業
2. 沿革
同社の前身は、(株)CSK(現SCSK<9719>)の子会社で、1983年にソフトウェア技術の研究所として設立された(株)CSK総合研究所である。設立当初はAIなどの研究を行っていたが、音声・映像関連の研究を進める過程で、当時、CSKのグループ会社であった(株)セガ・エンタープライゼス(現(株)セガ)との関係が深まり、セガの家庭用ゲーム機向け基本ソフト(ミドルウェア)やアプリケーションソフト(ゲーム)の開発を手掛けるようになった。その後セガの子会社となったが、2001年1月にセガが家庭用ゲーム機のハードウェア事業から撤退することになったため、同社前身であるCSK総合研究所のミドルウェア事業は、セガ以外の家庭用ゲーム機向けに(マルチプラットフォーム)展開する必要が生じた。このため、2001年8月にCSK総合研究所からミドルウェア部門が独立する形で同社が設立されることとなった。現在でも同社株式を12.25%所有するセガのゲームの多くに同社のミドルウェアが使われているが、経営自体は非常に独立性が高く、マルチプラットフォームとしてスクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>や(株)バンダイナムコエンターテインメントなどゲーム業界で顧客数を増やしていった。2011年にはスマートデバイス向け営業プレゼンテーションシステムでゲーム業界以外に進出、2017年には車載組込み用サウンドミドルウェアによってモビリティにも進出、ゲームで培った技術力を背景にゲーム業界以外での顧客数も急拡大している。なお、海外事業については2006年に米国に進出したが、ゲーム機の世代が変わり、海外のタイトルが大型化するタイミングでいったん撤退することになった。しかし2019年に海外進出を再開、映像ミドルウェアのニーズが強かった中国から始めたことが奏功し着実に成長、欧米への再進出も視野に入れたところである。
エンタープライズの成長余地は大きい
3. 業界環境
ゲーム業界では、スマホゲームのブームが落ち着き、スマホからコンソール、PCへと揺り戻しが起きている。タイトルとしては、近年様々な理由で大規模タイトルの低迷が相次いでいるなか、小規模チームによるインディータイトルが活性化している。一方、国内ゲーム市場が圧倒的に伸びる時代はとうに終わったため、もちろんマルチプラットフォームとして国内も大規模タイトルもターゲットだが、インディーにも照準を合わせている。同社にとってはタイトル規模の大小以上に、導入するタイトル数が重要なため、無料製品※を投入するなどインディーの育成も進めている。ゲーム業界以外では、特にモビリティ分野が伸びている。価格と質の面、汎用マイコンを使っているため調達リスク回避の面で同社ミドルウェアの優位性が高く、自動車メーカーは音声ICからシフトしている状況である。また、音声が必要な場所は1台の自動車の中に多数あり、また海外メーカーもほぼ未開拓のため、拡大余地は大きいと見られる。
※ 無料製品:インディーを支援する仕組み。売上規模などが一定以上になると料金が発生する。
ミドルウェアでライバルと目されるのは、音声に特化したカナダのAudiokinetic, Inc.の「Wwise」、映像を得意とするRAD Game Toolsあたりとなる。ゲームエンジンの米国Unity Technologies(Unity Software Inc.)の「Unity」と米国Epic Gamesの「Unreal Engine」はゲーム全体を作成しやすくするゲームエンジンなので、その機能をさらに高めたい場合に同社のミドルウェアを連携することが多く、同社と共存しているということができる。また、RAD Game ToolsはEpic Gamesに買収されて以来、Epic Games向けの開発が中心となっているようだ。そうしたなかで国内では同社がトップシェアと言われるが、海外は撤退していた時期もあり、「Wwise」が欧米で地歩を固めているようだ。このようにターゲットが明確なことから、もちろん海外ゲーム市場でのシェアを奪取することも目標となるが、一方、世界的にも市場として大きく広がりを見せているエンタープライズ事業の成長余地も、同社にとって魅力的と言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
■公司概述
1。公司概述
CRI 中間件 <3698> 主要是一個名爲 「CRIWARE」 的品牌,它爲專門從事音頻和視頻的中間件*開展許可業務和技術支持。它在音頻/視頻數字信號處理技術方面具有優勢,發展遊戲業務和企業業務,在遊戲業務中提供中間件、圖像優化解決方案等,並作爲子公司處理聲音製作,尤其是語音中間件在國內遊戲市場佔有非常高的市場份額。在企業業務中,我們利用遊戲業務中培育的技術,專注於移動領域、家用電器和物聯網設備等嵌入式領域以及處理與網絡視頻、靜止圖像等相關的技術的雲解決方案領域等。該公司最初是通過遊戲中間件成立的,但它已將其領域從遊戲擴展到遊戲機等娛樂領域,並進一步擴展到移動和嵌入等企業業務,並重新擴展到海外。該計劃將在中長期內改變依賴遊戲的國內業務結構,並將遊戲、移動和TeleXus作爲三大支柱,目標是在5到10年內成爲一家價值100億日元的企業。
* 中間件:位於硬件、操作系統(操作系統)和應用程序軟件中間(中間)的軟件。通過抑制各種硬件和操作系統的特性,可以順利進行應用程序的運行和開發。它具有提高質量、減少開發工時、縮短開發週期、降低開發難度等效果,還使在各種不同的平台上部署應用程序變得更加容易。
前身是CSK研究所的中間件業務
2。歷史
該公司的前身是CSK研究所有限公司,它是CSK株式會社(現爲SCSK<9719>)的子公司,成立於1983年,是一家軟件技術研究所。成立之初,進行了人工智能等方面的研究,但在進行音頻/視頻相關研究的過程中,與當時CSK旗下的世嘉企業有限公司(現爲SEGA株式會社)的關係加深,他們開始爲SEGA家用遊戲機開發基礎軟件(中間件)和應用軟件(遊戲)。之後,它成爲世嘉的子公司,但自從SEGA在2001/1年退出家用遊戲機硬件業務以來,有必要爲SEGA以外的家用遊戲機(多平台)發展其前身CSK研究所的中間件業務。出於這個原因,決定將公司成立於 2001/8 年,其形式是中間件部門獨立於 CSK 研究所。即使是現在,該公司的中間件仍在許多世嘉遊戲中使用,世嘉擁有公司12.25%的股份,但管理層本身非常獨立,遊戲行業的客戶數量,例如史克威爾艾尼克斯控股<9684>和萬代南夢宮娛樂有限公司,隨着多平台的增加。2011年,它通過智能設備的銷售演示系統將業務擴展到遊戲行業以外,2017年,它還通過車載嵌入式聲音中間件擴展到移動領域,在遊戲中培養的技術能力的背景下,遊戲行業以外的客戶數量正在迅速增長。注意,至於海外業務,它在2006年擴展到了美國,但是遊戲機的世代發生了變化,在海外遊戲規模擴大之際決定撤出一次。但是,海外擴張在2019年恢復,其起源於對視頻中間件的強烈需求的中國這一事實得到了回報,並且穩步增長,現在可以重新擴張到歐洲和美國。
企業還有很大的增長空間
3.行業環境
在遊戲行業,智能手機遊戲的繁榮已經平靜下來,從智能手機到遊戲機和個人電腦的逆轉正在發生。作爲遊戲,隨着近年來大型遊戲由於各種原因陸續停滯不前,由小團隊組成的獨立遊戲重新煥發了活力。同時,國內遊戲市場以壓倒性增長的時代已經結束,因此,他們當然將國內和大型遊戲都定位爲多平台,但他們也將目光投向了獨立遊戲。對於公司而言,要推出的遊戲數量比遊戲的大小更重要,因此他們也在促進獨立遊戲的開發,例如推出免費產品*。在遊戲行業之外,移動行業尤其在增長。由於他們在價格和質量方面使用通用微型計算機,因此該公司的中間件在規避採購風險方面具有很高的優勢,汽車製造商正在逐漸放棄語音IC。此外,由於單車需要聲音的地方很多,而且海外製造商幾乎沒有開發,因此似乎還有很大的擴張空間。
※ 免費產品:支持獨立遊戲的機制。當銷售規模等超過一定水平時,就會產生費用。
被視爲中間件競爭對手的是加拿大Audiokinetic, Inc.的 「Wwise」,該公司專門研究聲音,以及專門研究視頻的RAD Game Tools。由於美國Unity Technologies(Unity Software Inc.)的遊戲引擎 「Unity」 和美國Epic Games的 「虛幻引擎」 是遊戲引擎,可以更輕鬆地創建整款遊戲,因此當該功能需要進一步增強時,該公司的中間件通常會相互關聯,可以說它們與該公司共存。此外,自從RAD遊戲工具被Epic Games收購以來,Epic Games的開發似乎已成爲焦點。在這種情況下,據說該公司在國內擁有最大的市場份額,但也曾有一段時間撤出海外,看來 「Wwise」 已經鞏固了其在歐洲和美國的立足點。由於目標非常明確,目標當然是搶佔海外遊戲市場的市場份額,但另一方面,也可以說企業業務還有增長的空間,企業業務作爲一個市場在全球範圍內顯示出顯著的擴張,對公司具有吸引力。
(由 FISCO 客座分析師宮田仁光撰寫)