■要約
ネオマーケティング<4196>は、東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場に上場する総合マーケティング支援企業である。生活者の深い理解のためにマーケティングリサーチからスタートし、クライアント企業に対して「生活者との対話」を通じて「買ってもらい続ける仕組み」をコンサルティングする一連の支援活動を展開する。中期経営計画における3つの成長戦略の推進によって、さらなる発展を目指している。
1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期の連結業績は、売上高2,098百万円(前期比7.8%減)、営業利益15百万円(同95.0%減)、経常利益14百万円(同95.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益147百万円(同25.7%減)となった。売上高の減収は、マーケティングコンサルタントの採用は中期経営計画どおり順調に進んでいるものの、採用人員の育成に時間を要したことによる顧客獲得の遅れなどによる。加えて、採用増加に伴い販管費が大幅に増加し、営業利益及び経常利益は大幅減益となった。当期純利益の減益率が小さいのは、特別利益として子会社株式売却益を計上したことによる。サービス別売上高では、インサイトドリブン(R)(以下、インサイトドリブン)、カスタマードリブン、デジタルマーケティング・PRは、いずれもおおむね前期並みの売上高であったが、カスタマーサクセス・その他は契約が満了した大型案件と株式譲渡した子会社の影響から減収に終わった。以上から自己資本比率は48.0%で、東証プライム・スタンダード・グロース合計の33.7%を上回る高い安全性を維持したが、今後は収益性の改善が課題であると弊社では考えている。同社は成長過程にあり配当は未実施であるが、当期より株主優待制度を開始し、また当期は創立25周年の記念株主優待も実施し、株主還元にも考慮している。
2. 2025年9月期の業績見通し
2025年9月期の連結業績については、売上高2,500百万円(前期比19.2%増)、営業利益100百万円(同545.1%増)、経常利益100百万円(同610.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益70百万円(同52.5%減)の見通しだ。前期の販売活動の遅れをキャッチアップするために、営業体制の再編と育成の強化によって、売上高は増収を見込む。営業利益については、引き続き翌期以降の成長のための採用・育成などの人材投資を、利益水準とのバランスを見極めながら行うことで、大幅な増益を見込んでいる。当期純利益の減益は、前期に計上した特別利益が消失するためである。引き続き中期的な企業成長のために人材投資に注力し、取引社数を増加させてサービスメニューを拡充することで、全てのサービスの増収を図る計画だ。株主優待制度は継続する予定である。当面は事業拡大を優先する方針であるが、一定の利益水準を確保できるようになった段階では、配当による株主還元の実施が検討課題であろう。
3. 中長期の成長戦略
同社初となる3ヶ年の中期経営計画(2024年9月期〜2026年9月期)では、2024年9月期における営業活動進捗の遅れを踏まえて、数値目標を下方修正した。新たに、最終年度の2026年9月期には、売上高3,100百万円(今後2年間のCAGR 21.6%)、営業利益250百万円(同301.6%)の急成長を目指す。目標達成に向けた成長戦略では、これまでの戦略を維持し、コンサルタントの採用と戦力化、対応エリアの拡大、顧客単価増大といった成長戦略に取り組む計画だ。初年度の2024年9月期には、同社成長のカギを握るマーケティングコンサルタント数は計画を上回った。優秀人材を確保したことで、今後は組織横断的な教育委員会の活用により、早期の戦力化を図ることで売上を伸ばす計画である。また、初年度の顧客数は減少したが、今後の顧客数拡大に向けて、大阪・仙台営業所の営業人員を合計で3人増員している。さらに、顧客単価は大口案件終了に伴い初年度は減少したが、大口案件を除いた単価は増加している。さらに、サービスメニューの拡充についても、セルフインタビューツール「リサーチDEMO!」の事業譲受、海外リサーチサービスの強化など、着々と実績を積み上げている。成長戦略に沿った取り組みは順調に進捗していると言えよう。成長戦略加速のために、さらなるM&Aも検討している。引き続き中期経営計画の進捗状況を注視したい。
■Key Points
・「生活者起点のマーケティング支援会社」が事業コンセプト
・2024年9月期は、減収減益決算。今後の成長のカギとなるコンサルタント数を着実に増員、早期の戦力化が課題。株主優待を開始し、記念株主優待も実施
・2025年9月期は、営業体制の再編と育成の強化を図る。株主優待を継続
・中期経営計画を下方修正したが、成長戦略は順調に進捗。初年度にマーケティングコンサルタントの増員、「リサーチDEMO!」の事業譲受、海外リサーチサービスの強化などの成果
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
■摘要
ネオマーケティング<4196>是一家在東京證券交易所(以下稱東證)主板上市的綜合市場營銷支持企業。爲了深入了解消費者,從市場調查開始,向客戶企業提供通過「與消費者對話」來諮詢「持續購買的機制」的一系列支持活動。通過推進中期經營計劃中的三個增長戰略,努力實現進一步的發展。
1. 2024年9月期的業績概要
2024年9月期的合併業績爲,營業收入2098百萬元(同比減少7.8%),營業利潤15百萬元(同比減少95.0%),經常利益14百萬元(同比減少95.5%),歸屬於母公司的當期淨利潤147百萬元(同比減少25.7%)。營業收入的減少是由於營銷諮詢顧問的招聘雖然按照中期經營計劃順利進行,但因招聘人員的培訓所需時間導致客戶獲取延遲。此外,隨着招聘人數的增加,銷售管理費用大幅增加,營業利潤及經常利益大幅減少。當期淨利潤減少幅度小的原因是計入了子公司股票出售帶來的特別利益。在服務別營業收入中,因塞特驅動(R)(以下稱因塞特驅動)、客戶驅動、數字營銷和公關均維持了大致與前期相當的營業收入,但客戶成功和其他因合同到期的大型項目及股權轉讓子公司的影響造成了收入下降。因此,自有資本比例爲48.0%,高於東京證券交易所主板、標準和成長合計的33.7%,維持了較高的安全性,但我們認爲今後改善盈利能力是課題。公司處於成長過程中,分紅尚未實施,但自本期開始推出股東優待制度,同時在本期實施創立25週年紀念股東優待,考慮到股東的回報。
2025年9月期的業績展望
2025年9月期的合併業績預計爲,營業收入2500百萬元(同比增長19.2%),營業利潤100百萬元(同比增長545.1%),經常利益100百萬元(同比增長610.6%),歸屬於母公司的當期淨利潤70百萬元(同比減少52.5%)。根據前期銷售活動的滯後情況,通過重新編排銷售體制和加強培訓,預計營業收入將增加。關於營業利潤,預計將繼續根據盈利水平平衡進行招聘和培養等人力投資,以實現大幅增加。當期淨利潤下降是因爲前期計入的特別利益消失。爲了繼續中期公司的成長,將重點進行人力投資,增加交易公司數量,擴充服務菜單,從而計劃實現所有服務的增加收入。股東優待制度將持續。暫時以業務擴展爲優先方針,但在確保一定的盈利水平後,將考慮通過分紅進行股東回報的實施。
中長期增長戰略
該公司首個爲期三年的中期經營計劃(2024年9月期〜2026年9月期)根據2024年9月期營業活動的進展滯後情況,調整了數值目標。新設定到最後一年2026年9月期,目標營業收入3100百萬元(未來兩年的複合年增長率21.6%),營業利潤250百萬元(同301.6%)的快速增長。爲了實現目標,保持原有戰略,計劃繼續進行顧問的招聘和實力提升、擴大服務區域、提高客戶單價等增長戰略。在首年度2024年9月期,作爲公司成長的關鍵,營銷諮詢顧問數量超過了計劃。通過確保優秀人才,今後將利用跨組織的教育委員會,計劃通過快速的實力提升來提高營業收入。此外,雖然首年度客戶數量有所減少,但爲了未來客戶數量的擴大,已在大阪和仙台的營業所共增員3人。進一步地,因大型項目結束,首年度客戶單價有所下降,但除大型項目外的單價是增加的。關於服務菜單的擴充,正在穩步積累自助訪談工具「Research DEMO!」的業務收購、境外研究服務的強化等業績。可以說,根據成長戰略的措施進展順利。爲了加速成長戰略,也在考慮進一步的併購。將繼續關注中期經營計劃的進展情況。
■關鍵點
・「以生活者爲起點的營銷支持公司」是我們的業務理念
・2024年9月期,營業收入和淨利潤下降。今後增長的關鍵是持續增加顧問人數,儘早形成戰鬥力是挑戰。開始實施股東優待,並推出紀念股東優待
・2025年9月期,將加強營業體系的重組與育成。繼續實施股東優待
・雖然下調了中期經營計劃,但成長戰略進展順利。在首年度增加了營銷顧問,收購了「研究DEMO!」業務,加強了境外研究服務等成果
(作者:富士客座分析師國重希)