■トリプルアイズ<5026>の事業概要
1. セグメント情報
同社は、同社と連結子会社4社((株)シンプルプラン、(株)所司一門将棋センター、ゼロフィールド、BEX)の計5社で構成されている。セグメントは、AIソリューション事業とGPUサーバー事業の2つであり、AIソリューション事業は、AIインテグレーション、エンジニアリング、AIプロダクト、その他により構成されている。GPUサーバー事業は、ゼロフィールドを2023年9月に連結子会社化し創設された。なお、同社は事業セグメントの区分方法を変更し、報告セグメントを従来の「AIソリューション事業」「研修事業」から、「AIソリューション事業」「GPUサーバー事業」に変更している。
(1) AIソリューション事業
(a) AIインテグレーション
AIインテグレーションは、LAMP※1技術、OSS※2開発技術をベースとした基幹システム・決済システムなどの開発を中心に、金融、流通、不動産、サービス、医療などの様々な業界において実績を有している。大手SIerからの一次請けやエンドユーザーからの直接取引によるシステム開発が主な案件となっている
※1 LAMPとは、「Linux」、「Apache」、「MySQL」、「Perl・PHP・Python」の4種類の技術の頭文字をとった総称であり、Webサイト構築技術を指す。
※2 OSS(Open Source Software:オープンソースソフトウェア)とは、ソースコードの改変や再配布が自由に認められている無償のソースコードやソフトウェアなどのこと。
同社では、システムの開発からネットワーク構築まで開発における様々な分野に精通したフルスタックエンジニア※の育成に注力している。あらゆる工程に対応できる技術者を揃えており、システムの設計から、システム開発、システム運用のためのインフラ構築、運用・保守まで一連のサービスをワンストップで提供できる体制を構築している。顧客のニーズに合わせて、柔軟に対応し、高クオリティかつコストパフォーマンスの高いサービスを提供することで、競合他社に対して優位性を築いている。
※ フルスタックエンジニアとは、システムエンジニア・ネットワークエンジニアなどの特定の技術を専門とする技術者に対し、システム開発・ソフトウェア開発などのエンジニアリング業務において、設計から環境構築、開発、運用までの全ての行程を手掛けることができるエンジニアのことを指す。
さらに、AI、ブロックチェーン※1、IoTなどの研究開発成果を生かした最先端技術によるソリューションを提携先SIerと協働し、顧客先に提案できるのも同社の特徴である。AIエンジン※2を独自に設計、構築することができるシステム開発会社として、顧客先のニーズに最適なAIシステムをトータルで提供し差別化を図っている。
※1 ブロックチェーンとは、データが地理的に離れたサーバーに分散保持され、一定の形式や内容のデータの塊(ブロック)を改ざん困難な形で時系列に連結していく技術。
※2 エンジンとは、特定の情報処理を実行するためのひとまとまりになったソフトウェアやシステムなどのこと。
(b) AIプロダクト
AIプロダクトでは、同社が独自に開発したAIエンジンによるサービスを展開している。同社のAIエンジンは、画像認識を中心に、特に顔認証のサービスを充実させている。なお同社のAIエンジンは、画像認識に留まらず言語処理、需要予測、経路探索などに活用されている。これらのAIエンジンは、他社のデバイスへの組み込みが可能で実績も増加している。
同社が注力する画像認識プラットフォーム・AIZEは、顔認証、画像認識を行うソリューションとして、流通小売業を中心に店舗や工場など、業種・業態を問わないサービス提供を行っている。なかでも顔認証については、512次元の特徴量※を顔画像から検出し、正面静止画像であれば認証率99%超という高精度を誇っている。横や斜めからの顔画像の認証、ウォークスルー環境での認証、マスク着用時の本人認証も可能で、写真によるなりすまし認証も防ぐことができる認証精度を有している。年齢・性別・感情を推測できるAIエンジンは、マーケティングやおもてなし、安全管理といった分野で貢献している。
※ 特徴量とは、コンピュータが学習するデータにどのような特徴が含まれているのか数値化したもの。
AIZEは画像認識プラットフォームとして豊富なサービスレイヤーを備え、拡張性に優れており、個別の企業ニーズに合ったサービスラインナップに留まらず、既存システムに即したカスタマイズも可能である。
AIZEは画像を取得するデバイスを問わない。防犯カメラ、スマートフォン、PCカメラ、サーモ機器、ロボットなど、カメラ付きのデバイスと、通信環境さえあればクラウド上のAIエンジンが画像を解析する。短期間に導入することができ、ローコストで始められる顔認証システムは、AI導入のスモールスタートに最適である。AIZEには記録保存できる画像枚数の上限がないため大量のデータの処理が可能で、AIによる企業のDX推進を容易にする。
AIZEが提供する自社プロダクトは、以下のとおりである。
・店舗などでの顔画像の認識によるマーケティングサービス(AIZE Research)
・従業員の勤怠管理・会員管理・入退室管理などを行う顔認証勤怠サービス(AIZE Biz)
・顔認証勤怠サービスにアルコールチェック機能を付加し、道路交通法改正に対応したサービス(AIZE Breath)
・太陽光発電所の銅線ケーブル盗難対策のための侵入検知AIシステム
(c) エンジニアリング
同社は2024年7月にBEXを買収し、100%子会社化した。BEXは自動車分野における機械設計開発事業、先端技術領域の研究・実装(AI研究、EV設計)、ITシステムの設計開発事業などを手掛けており、主要取引先はアイシン<7259>、小島プレス工業(株)、住友電装(株)、デンソー<6902>、トヨタ自動車<7203>、トヨタ車体(株)など大手自動車メーカーやティア1などが多くを占めている。事業規模としては2023年3月期が売上高1,551百万円、営業利益86百万円であり、買収価格の約650百万円は割安に映る。同社がBEXをグループ化した背景には、BEXの自動車設計業務において、自動車産業の特性上、CAD図面の法規チェックが煩雑化しており、今後両社がタイアップすることで早期のAI実装が可能となる点が挙げられる。これらが実現できれば、既存取引先の拡大やBEX自身の業務効率化につながり、収益性の向上が進むなどメリットは大きいと見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
■三重眼<5026>的業務概述
1. 細分信息
該公司由本公司及4家全資子公司(股份有限公司簡單計劃、股份有限公司所司一門將棋中心、零字段、BEX)共計5家公司組成。細分市場包括AI解決方案業務和GPU服務器業務,其中AI解決方案業務由AI集成、工程、AI產品及其他構成。GPU服務器業務於2023年9月通過將零字段併入全資子公司而創立。此外,該公司已更改業務細分的分類方式,將報告部分從傳統的「AI解決方案業務」「培訓業務」改爲「AI解決方案業務」「GPU服務器業務」。
(1) AI解決方案業務
(a) AI集成
AI集成主要基於LAMP※1技術和OSS※2開發技術,專注於基礎系統和支付系統的開發,在金融、流通、房產、服務、醫療等各種行業中具有豐富的經驗。主要項目是來自大型SIer的一級承包和與終端用戶的直接交易進行系統開發。
※1 LAMP是「Linux」、「Apache」、「MySQL」、「Perl·PHP·Python」四種技術的首字母縮寫,指的是網站構建技術。
※2 OSS(開源軟件)是指源代碼的修改和再分發可以自由認可的無償源代碼或軟件。
該公司致力於培養精通從系統開發到網絡構建等各個開發領域的全棧工程師※。我們擁有能夠應對各個開發階段的技術人員,建立了一個可以一站式提供從系統設計、系統開發到系統運營基礎設施構建、運營及維護等一系列服務的體制。通過靈活應對客戶需求,提供高質量、性價比高的服務,從而在競爭對手中建立優勢。
※全棧工程師是指能夠從事系統開發、軟件開發等工程業務,涵蓋從設計到環境構建、開發、運營等所有環節的技術人員。
此外,利用AI、區塊鏈※1、物聯網等研究開發成果,與合作的SIer協作,提供基於最先進技術的解決方案也是該公司的特點。作爲一家能夠獨立設計、構建AI引擎※2的系統開發公司,我們爲客戶提供最優的AI系統以實現差異化。
※1 區塊鏈是指數據分散存儲於地理上分隔的服務器中,以不可篡改的方式將一定格式和內容的數據塊(區塊)按時間序列連接起來的技術。
※2 引擎是指爲執行特定信息處理而形成的一個整體的軟件或系統等。
(b) AI產品
在AI產品方面,該公司推出了基於其獨立開發的AI引擎的服務。該公司的AI引擎主要集中在圖像識別,尤其是在人臉識別服務上得到了強化。此外,該公司的AI引擎不僅限於圖像識別,還應用於語言處理、需求預測、路徑探索等領域。這些AI引擎可以嵌入到其他公司的設備中,且業績也在不斷增加。
該公司重點開發的圖像識別平台AIZE,作爲進行人臉識別和圖像識別的解決方案,主要爲流通零售業的門店和工廠等提供服務,不分行業和業態。特別是在面部識別方面,能夠從人臉圖像中檢測512維特徵量※,且當靜態正面圖像時,認證率超過99%的高精度。支持橫向和斜向圖像的識別、行走環境下的認證,以及佩戴掩膜版的身份認證,並具備防止照片僞裝認證的認證精度。能夠推測年齡、性別和情感的AI引擎在營銷、客戶服務、安全管理等領域作出貢獻。
特徵量是指計算機學習數據中包含的特徵的數值化表現。
AIZE作爲圖像識別平台,擁有豐富的服務層,具有卓越的擴展性,不僅滿足個別企業的服務需求,還可以根據現有系統進行定製化。
AIZE不限制獲取圖像的設備。只要有帶攝像頭的設備和通信環境,例如監控攝像頭、智能手機、PC相機、熱成像設備、機器人等,雲端AI引擎就能夠解析圖像。可以在短時間內部署的低成本人臉識別系統,非常適合AI導入的「小型啓動」。AIZE沒有記錄保存的圖像數量上限,因此能夠處理大量的數據,促進企業的數字化轉型。
AIZE提供的自有產品如下。
・通過門店等場所進行面部圖像識別的營銷服務(AIZE Research)
・進行員工考勤管理、會員管理、出入管理等的人臉識別考勤服務(AIZE Biz)
・爲人臉識別考勤服務增加酒精檢測功能,符合道路交通法修正的服務(AIZE Breath)
・爲光伏電站的銅線電纜盜竊防止提供的入侵檢測AI系統
(c) 工程師
該公司於2024年7月收購BEX,並將其完全變爲子公司。BEX涉足汽車領域的機械設計開發業務、前沿技術領域的研究與實施(AI研究、電動汽車設計)、IT系統的設計開發業務等,主要客戶包括愛信<7259>、小島壓工株式會社、住友電裝株式會社、德爾福<6902>、豐田汽車<7203>、豐田車體株式會社等大型汽車製造商及Tier 1供應商。其業務規模在2023年3月期間的營業收入爲15.51億日元,營業利潤爲8600萬日元,而收購價格約爲6.5億日元,顯得相對便宜。該公司將BEX納入集團的背景,是由於在BEX的汽車設計業務中,因汽車產業的特性,CAD圖紙的法律檢查變得複雜,未來兩家公司通過合作實現早期的AI實施成爲可能。如果能夠實現這些,將有助於擴大現有客戶的基礎,並提高BEX自身的業務效率,從而提升盈利能力,帶來顯著的好處。
(作者:FISCO客員分析師永岡宏樹)