■会社概要
(2) アドバンストテクノロジー事業
ウェーブロックホールディングス<7940>のアドバンストテクノロジー事業は、デコレーション&ディスプレー分野(金属調加飾フィルム、高透明多層フィルム)、コンバーティング分野、その他(仕入商品)に分けられ、売上高の約6割をデコレーション&ディスプレー分野で占めている。
デコレーション&ディスプレー分野の売上の大半を占める金属調加飾フィルムは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに特殊金属を蒸着させ、耐候性を保つために表面側にPMMA(アクリル樹脂)シート、下面側にABSフィルムを重ね、ドライラミネート工法※により貼り合わせた6層構造となっている。同フィルムは平面的な形状だけでなく、異型押出成形やフィルムインサート成形、真空成形など様々な加工技術を用いることで立体的な形状にすることも可能である。メッキ加工品との比較における長所は、錆が発生せず車体の軽量化に寄与すること、製造時に廃液が発生しないなど環境負荷が小さいことに加えて、電波並びに光の透過性が高く、成形性、意匠性にも優れるといった点が挙げられる。こうした長所が評価され、自動車や自動二輪車の内外装品向けに採用が広がっている。
※ 基材となるフィルムに接着剤を塗布し、乾燥炉で乾燥させた後、別のフィルムと圧着して貼り合せる加工方法。
自動車向けでは、国内だけでなくアジア、欧米などで販売実績があるが、2022年に入ってからは米国メーカーの電気自動車向け外装部品として採用されるなど、北米向けで販売が急増している。自動二輪車向けでは、エンブレム用としてインドや東南アジアで需要が拡大している。製造拠点は古河工場(フィルム製造)と名古屋工場(パーツ成形加工)の2拠点体制だったが、2022年9月に名古屋第二工場(パーツ成形加工)を新設したほか、2023年4月に一関工場を移転拡張しフィルムの増産体制を整えるとともに、米国でも顧客要請に対応すべく完成パーツ品の加工工場をオハイオ州に開設するなど、需要拡大に対応すべく能力増強投資を積極的に実施している。
金属調加飾フィルムのうち、自動車外装用の競合としてはオランダの大手化学メーカーであるAkzo Nobel N.V.(アクゾノーベル)が挙げられるが、参入企業はまだ少ないようだ。また、金属調加飾フィルムの製法には同社やAkzo Nobelが採用している金属蒸着法のほか転写法などもある。転写法は量産性に優れるためコストが低いものの、耐候性が弱く自動車の外装用としては別途ハードコートが必要となる場合が多いため金属蒸着法が有利と同社では見ている。
高透明多層フィルムについては、光学特性の高さや歪みの少なさ、防塵特性や耐衝撃性などの強みを生かして内装ディスプレーの大型化が進む車載分野(センターインフォメーションディスプレイ(CID)やヘッドアップディスプレイ(HUD)※向けなど)の拡販に注力している。競合は三菱ガス化学<4182>など多いものの、製品特性が評価されフォルクスワーゲンなど欧州系自動車メーカーで採用実績が出ている。
※ HUDは、車のフロントガラスへ映像を投影することで、ドライバーの視線の先に車速やナビゲーションなどのさまざまな情報を表示するシステム。ドライバーの視界の中心近くに情報を投影することで、視線移動によるドライバーの負担を軽減し、安全運転を支援するシステムとして高級車を中心に搭載されている。
コンバーティング分野は、医療用湿布の不織布印刷や離型フィルムへの印刷・シリコン処理加工などが含まれ、売上規模は小さいものの安定収益源となっている。そのほか液晶テレビモニター向けの拡散板や導光板、食品包材向け開封テープなどの仕入販売も行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■公司資料
(2) 高級技術事業
WaveLock Holdings<7940>的高級技術事業分爲裝飾和蘋果-顯示屏領域(金屬調加飾膜、高透明多層膜)、轉換領域和其他(採購商品),其中約60%的營業收入來自裝飾和蘋果-顯示屏領域。
佔據裝飾和蘋果-顯示屏領域營業收入大部分的金屬調加飾膜是將特殊金屬蒸發沉積在PET(聚對苯二甲酸乙二醇酯)膜上,爲了保持耐候性,在表面側疊加PMMA(丙烯樹脂)薄膜,在下面側疊加ABS膜,通過乾式複合工藝※貼合形成的六層結構。該膜不僅可以形成平面形狀,還可以通過異型擠出成型、膜嵌入成型、真空成型等多種加工技術製造出立體形狀。與鍍膜加工品相比,其優點在於不易生鏽,有助於汽車的輕量化,並且在生產時不會產生廢液,環境負擔小,加上電波和光的透過性高,成型性和外觀性也優秀等。這些優點受到高度評價,逐漸被廣泛應用於汽車和摩托車的內外裝配件。
※ 將粘合劑塗在作爲基材的膜上,經過乾燥爐乾燥後,與另一膜壓合在一起的加工方法。
在汽車應用方面,不僅在國內,還有在亞洲、歐美等地的銷售業績,但自2022年以來,被美國廠商用於電動汽車的外裝元件等,北美市場的銷售急劇增長。在摩托車應用方面,印度和東南亞的商標需求正在擴大。雖然製造基地包括古河工廠(膜生產)和名古屋工廠(元件成型加工)的兩地體系,但在2022年9月新設了名古屋第二工廠(元件成型加工),此外,在2023年4月遷移擴展了一關工廠,將膜的增產體系整合進來,並在美國也爲了應對客戶需求而在俄亥俄州開設了成品元件的加工工廠,積極實施應對需求擴大的能力強化投資。
在金屬調加飾膜中,作爲汽車外裝的競爭對手是荷蘭大型化學制造商Akzo Nobel N.V.(阿克蘇諾貝爾),但進入企業仍然較少。此外,金屬調加飾膜的製造方法除了本公司和Akzo Nobel採用的金屬蒸發沉積法,還有轉印法等。轉印法因其量產性優秀而成本較低,但其耐候性較差,作爲汽車外裝常常需要額外硬塗層,因此本公司認爲金屬蒸發沉積法更有優勢。
關於高透明多層薄膜,利用其光學特性優越、變形少、防塵特性和抗衝擊性等優勢,爲車載領域(如中央信息顯示屏(CID)和抬頭顯示器(HUD))的大型內飾顯示屏的推廣做出了努力。儘管競爭對手包括三菱氣體化學<4182>等衆多公司,但由於產品特性被認可,已在大衆等歐洲指數汽車製造商中獲得採用記錄。
※ HUD是一種通過將圖像投影到汽車的擋風玻璃上,向駕駛員的視線前方展示車速、導航等各種信息的系統。通過將信息投影到駕駛員視線中心附近,減輕駕駛員因視線移動車而帶來的負擔,作爲幫助安全駕駛的系統,主要裝備在豪華汽車上。
轉化領域包括醫療用溼敷料的不織布印刷、脫模膜的印刷和硅處理加工等,儘管營業收入規模較小,但仍成爲穩定的收益來源。此外,還開展針對液晶電視顯示器的擴散板和導光板、食品包裝的開封膠帶等的採購和銷售。
(撰寫:FISCO客座分析師佐藤讓)