■今後の見通し
2. 中期経営計画の概要
ウェーブロックホールディングス<7940>は2025年3月期から3ヶ年の中期経営計画をスタートしている。テーマとして「安定的かつ継続的な成長を前提とした長期利益の獲得による従業員・株主への持続的な還元を実行する」を掲げ、事業戦略として(1)成熟分野における稼ぐ力の再構築、(2)成長分野の拡大、(3)グループシナジーの最大化とさらなる関係深化の3点に着手している。また、グループにおける経営施策として、従業員のエンゲージメント向上への取り組みも推進している。
最終年度となる2027年3月期の業績目標は、売上高で29,500百万円、営業利益で1,300百万円、ROEで6.3%を設定した。売上高と営業利益は、インテリア事業売却後の2022年3月期以降で過去最高を更新する見通しだ。3年間の年平均成長率は売上高で7.8%、営業利益で49.6%となり、収益力の回復に力点を置いていることがうかがえる。事業セグメント別では、マテリアルソリューション事業が売上高で20,800百万円、営業利益で1,350百万円となり、営業利益率は6.5%と2024年3月期実績から0.8ポイントの上昇を見込んでいる。また、アドバンストテクノロジー事業は売上高で8,700百万円、営業利益で700百万円となり、営業利益率は8.0%と同7.3ポイントの上昇を目指す。同事業の利益率は仕入販売品の売上動向によっても変動するが、注力分野の金属調加飾フィルムの売上が順調に成長すれば、金額ベースで達成可能な水準と見られる。
金属調加飾フィルムの売上規模が自動車向けを中心に3年で2倍に拡大し、収益けん引役となる見通し
3. 事業戦略
(1) 成熟分野における稼ぐ力の再構築
a) 低成長・低収益分野の構造改革と生産の最適化による収益改善
マテリアルソリューション事業では多くの製品を販売しており、低成長・低収益分野に属する製品については生産の最適化によるコストダウンや価格改定交渉を行うことで収益性の改善に取り組んでいる。それでも収益改善が見込めない分野については整理・統合し、成長や高収益が期待できる分野へ経営資源を重点的に投入することで収益力を強化していく。こうした戦略の一環として、従来品との差別化が可能で付加価値の高い新製品の開発に取り組んでおり、いくつか注目される新商品も出てきている。
前述した「ダイオネオシェード清冷」は酷暑が続くなかでビニルハウス向けだけでなく、一般消費者用への需要拡大が期待される。また、防災・減災対策品として2023年9月に発売した車両浸水防止カバー「ウォーターセーフ」は、豪雨災害時の車両浸水を防止することを目的とした防水シートとなるが、運送会社からのニーズに応えて開発した商品で、「防災・減災×サステナブル大賞2024」で優秀賞を受賞した。認知度がまだ低いため潜在需要のある運送会社向けでの販促を強化し、家庭向けとしてカーポートタイプも発売する。
そのほか、災害時に少ない人数で簡単に広げることが可能な防災シート「SAT!開く防災シート※」も2024年夏に開催されたホームセンター業界最大の総合展示会「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2024」の新商品コンテストで、最高位となる経済産業大臣賞を受賞するなど注目を浴びている。同製品は従来品と同等以上の強度を維持しながら素材を変えることで従来品比約15%の軽量化も実現している。簡単に広げられる仕組みや畳み方についての特許も取得しており、高付加価値品として自治体や学校、事業会社などの災害備蓄用としての需要拡大が期待される。製造プロセスの折り畳み工程については中国工場で手作業にて行っているため、今後は量産化に向けて自動化を進めていく考えで、「ウォーターセーフ」と「SAT!開く防災シート」あわせた3年後の売上高は15億円を目指す。こうした高付加価値製品を今後も積極的に開発し市場に投入していくことができれば、外部環境の変化にも対応できる強固な収益基盤の構築が可能になると弊社では見ている。
※ サイズは3.6×5.4m、7.2×9m、10×10mの3種類。
b) 地中熱と既存分野の連携強化
マテリアルソリューション事業の収益力強化施策の1つとして、SDGsの観点(脱炭素社会の実現、働く環境の改善)から、今後の需要拡大が期待される地中熱ビジネスと既存分野の連携強化を進める。地中熱ビジネスは、販売ターゲットとして施設園芸、工場・倉庫などの2分野に重点的に注力する方針である。施設園芸向けには農業資材(遮熱・遮光網、防虫網、ビニルハウスなど)との組み合わせ、工場・倉庫向けでは産業資材(間仕切りシート、仮設、テントなど)との組み合わせにより、より付加価値の高いソリューション提案が可能となり、受注獲得の機会が広がるとともに、農業資材や産業資材の売上拡大にもつながると期待される。
営業活動については、直販だけでなく卸商社との連携を進めるほか、Webマーケティングによって潜在需要を掘り起こしていく。また、省エネ性能の向上に向けた技術開発(計測・制御、熱交換・循環分野)を継続し競争力の維持向上を図るほか、施工面でも子会社のエイゼンコーポレーションとの連携だけでなく、パートナー企業との協業体制を確立することで営業エリアを拡大する考えだ。地中熱を活用した省エネシステムは、政府や自治体の補助金制度を活用できるケースもあるため※、導入メリットの認知度が広がれば売上規模も一段と拡大する見通しだ。
※ 2023年1月に自社工場(ダイオ袋井工場)に投資額1億円強で導入した。うち半分は補助金を活用している。年間の光熱費の削減効果は14百万円程度と試算しており、補助金を活用することで投資額を約4年で回収できる計算となる。システムは15年程度利用できるため、通算すると1.5億円のコスト削減効果が期待できるほか、CO2の排出量削減に貢献することになる。また、働く環境が良くなることで従業員の生産性が向上する効果も期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■未來的展望
2. 中期經營計劃的概要
韋布洛克控股公司<7940>自2025年3月期起啓動了爲期三年的中期經營計劃。主題是 "在穩定且持續增長的基礎上,通過獲取長期利潤來實現對員工和股東的持續回饋",並將業務戰略分爲三個方面:(1)重新構建成熟領域的盈利能力,(2)擴大增長領域,(3)最大化集團協同效應及進一步深化關係。同時,集團還積極推動提高員工參與感的管理措施。
作爲最終年度,2027年3月期的業績目標設定爲營業收入29,500百萬日元,營業利潤1,300百萬日元,ROE爲6.3%。預期營業收入和營業利潤將在2022年3月期以後的歷史最高水平。三年的年均增長率爲營業收入7.8%,營業利潤49.6%,可見恢復盈利能力是重心。按業務細分,材料解決方案業務的營業收入爲20,800百萬日元,營業利潤爲1,350百萬日元,營業利潤率預計爲6.5%,較2024年3月期實際值上漲0.8個百分點。同時,先進技術業務的營業收入爲8,700百萬日元,營業利潤爲700百萬日元,營業利潤率力爭達到8.0%,比同年7.3個百分點有所上升。該業務的盈利率也會因採購銷售產品的銷售動態而波動,但如果重點領域的金屬調加飾膜銷量穩定增長,預計在金額基礎上是可達到的水平。
金屬調加飾膜的銷售規模將在以汽車爲中心的情況下,在三年內擴大至兩倍,併成爲收入的主要驅動力。
3. 業務戰略
(1) 重新構建成熟領域的盈利能力
a) 通過對低成長、低收益領域的結構改革和生產優化來改善收益
在材料解決方案業務中,我們銷售多種產品,對於屬於低增長和低盈利領域的產品,我們通過優化生產來降低成本並進行價格修訂談判,以改善盈利能力。對於仍然無法預期盈利改善的領域,我們將進行整理和整合,將經營資源重點投入到可以期待增長和高盈利的領域,以增強盈利能力。作爲這些戰略的一部分,我們正致力於開發能夠與傳統產品區分開並具有高附加值的新產品,並且已經推出了一些備受關注的新商品。
前面提到的「Dai奧尼奧遮陽清涼」在持續高溫的情況下,不僅預計在溫室方面有需求擴展,同時也期待在一般消費者中產生需求。此外,作爲防災減災對策產品,我們在2023年9月推出的車輛浸水防止蓋「水安全」旨在防止在暴雨災害時期的車輛浸水。該產品是響應運輸公司需求而開發的,並獲得了「防災減災×可持續大獎2024」的優秀獎。由於知名度仍然較低,我們將加強面向潛在需求的運輸公司的促銷,同時推出家庭用的車棚類型。
此外,能夠用少數人輕鬆展開的防災墊「SAT!展開防災墊※」也在2024年夏季的家居裝修商店行業最大綜合展覽會「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2024」的新產品比賽中獲得了最高的經濟產業大臣獎,受到了關注。該產品通過改變材料,在保持與傳統產品等同以上強度的同時,實現了約15%的輕量化。我們已經獲得了可以輕鬆展開的機制和摺疊方式的專利,作爲高附加值產品,其在政府、學校和企業等災害儲備需求方面的擴展也備受期待。由於製造過程中的摺疊環節是在中國工廠手工進行的,未來我們計劃朝着量產化的方向推進自動化,併力爭在三年內「水安全」和「SAT!展開防災墊」合計達到15億日元的營業收入。如果能夠繼續積極開發並推出這些高附加值產品,我們認爲將能夠構建應對外部環境變化的堅實盈利基礎。
※ 尺寸分別爲3.6×5.4米、7.2×9米和10×10米的三種類。
b) 加強地熱與現有領域的協同
作爲材料解決方案業務增強盈利能力的措施之一,從可持續發展目標的角度(實現脫碳社會、改善工作環境),我們將促進地熱業務與現有領域的協同。地熱業務將重點關注溫室栽培、工廠和倉庫等兩個領域。針對溫室栽培,我們將結合農業材料(隔熱和遮光網、防蟲網、溫室等),而針對工廠和倉庫則將與工業材料(隔斷墊、臨時設施、帳篷等)結合,以提供更具附加值的解決方案,並期待擴大訂單獲取的機會,同時也帶動農業材料和工業材料的銷售增長。
在營業活動中,不僅推進直銷,還通過批發商與聯合,藉助網絡營銷挖掘潛在需求。此外,我們將繼續進行提高能效的技術開發(測量控制、熱交換循環領域),以維持和提高競爭力,並且在施工方面也不僅是與子公司艾贊公司的合作,還要建立與合作伙伴企業的協作體制,從而擴大營業區域。利用地熱的節能系統,有可能利用政府和地方自治體的補助金制度,因此如果有關引入的好處得到更多知曉,預計營業規模也將會進一步擴大。
※ 2023年1月在自家工廠(Dai袋井工廠)投資了超過1億日元的設備,其中一半使用了補助金。估算每年節省的光熱費用爲1400萬日元,通過利用補助金預計在約4年內回收投資額。由於該系統可使用約15年,因此總計預計可實現1.5億日元的成本節約效果,並有助於減少二氧化碳排放。此外,改善工作環境也預計將提高員工的生產性。
(撰寫:FISCO客座分析師佐藤讓)