■D&M カンパニー<189A>の今後の見通し
2. 市場動向
(1) 医療・介護業界を取り巻く課題
(一社)日本病院会、(公社)全日本病院協会、(一社)日本医療法人協会が共同で2023年9月に公表した「医療機関経営状況調査」では、2022年度(2022年4月~6月)と2023年度(2023年4月~6月)における医療機関の経営状況を比較調査(有効回答数:810病院)したところ、医業利益(医業収益から医業費用を控除したもの)、経常利益ともに赤字である病院の割合が前年度比で増加しており、特に医業利益については赤字となった病院の割合が2023年度に7割を超えた(補足:2024年9月に同上3組織が公表した「2024年度病院経営定期調査(有効回答数:480病院)」では、2023年度の赤字病院の割合について、医療利益では74.7%(2022年度比1.3ポイント減)、経常利益では51.0%(同28.3ポイント増)となっている)。2024年4月に廃止されたコロナ関連補助や特例の終了のほか、コロナ融資返済開始等に伴い、2024年6月(単月)の速報では、経常利益赤字の病院の割合は65.0%とさらに拡大した。また、同社が(独)福祉医療機構のデータを基に集計した結果では、介護施設の約4割が赤字となった。ほかにも、「令和4年版厚生労働白書」(厚生労働省)では、2040年に必要と見込まれる医療・福祉就業者数は1,070万人とされるのに対し、供給面の推計は974万人と96万人の需給ギャップが予測されている。少子高齢化の進展に伴って医療・介護報酬の見直しに関する議論が今後高まる可能性もあり、医療・介護業界では業務の高度化や生産性向上等の経営改善に対するニーズが益々高まるものと予想される。このような課題を克服し、変化に適応した経営体制を構築できなければ、地域が必要とする医療や介護のニーズに対応しきれず、撤退を余儀なくされることも想定される。特に地方では、都市部に比べて少数の医療機関や介護施設が地域住民に対する重大な責任を一手に担うことから、資金不足や業務生産性はより深刻化しており、安定した経営は喫緊の課題となる。
(2) 市場規模
同社は自社グループの各サービスが必要とされる潜在市場として、国内の医療法人と社会福祉法人(計約8万社)のうち約5万社の赤字事業者が存在すると想定している。同社の2024年5月期末時点の取引社数は152社であるため、潜在市場開拓の余地は大きい。潜在市場の金額規模については、診療報酬・介護報酬総額を赤字事業者の割合に基づいて試算し、約331,000億円と見積もった。このうち債権譲渡が発生している金額は、社会保険診療報酬支払基金が公表した債権譲渡金額をベースに国民健康保険及び介護保険について試算した結果、合計3,900億円となった。同社の2024年5月期における買取債権残高は約75億円であることから、市場規模は大きく、拡大の余地は十分にある。さらに、顧客から見ても、同社のように、債権買取サービスに加えて医療機関や介護施設等に対する経営改善に関するコンサルティングや、人材派遣・紹介、業務のアウトソーシングをトータルにサポートする企業は必要とされている。同社は単なる金融取引に終わらず、顧客の経営全般にまで踏み込んで関与し伴走することから信頼度も高く、取引規模拡大の期待は大きい。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
■D&M 公司<189A>的未來展望
2. 市場動向
(1) 醫療・護理行業面臨的挑戰
(日本醫院協會) (日本全醫院協會) (日本醫療法人協會) 共同於2023年9月公佈的《醫療機構經營狀況調查》顯示,2022年度(2022年4月至6月)和2023年度(2023年4月至6月)醫療機構經營狀況對比調查(有效回答數:810家醫院)結果表明,醫院的醫業利潤(醫業收入減去醫業費用)和經常利潤均出現虧損的比例比上一年度增加,特別是醫業利潤方面,2023年度虧損的醫院比例超過了70%(補充:2024年9月,以上三家組織公佈的《2024年度醫院經營定期調查》(有效回答數:480家醫院)顯示,2023年度虧損醫院的比例,在醫療利潤上爲74.7%(較2022年度減少1.3個百分點),在經常利潤上爲51.0%(同樣增加28.3個百分點))。由於2024年4月廢除的與疫情相關的補助和特例的結束,以及疫情融資的開始還貸等,2024年6月(單月)的速報顯示,經常利潤虧損醫院的比例進一步擴大至65.0%。此外,根據該公司基於(獨立)福祉醫療機構的數據彙總結果,約40%的護理設施出現了虧損。此外,《令和4年版厚生勞動白皮書》(厚生勞動省)提到,預計2040年所需的醫療與福利從業人數爲1070萬人,而供應面的估算爲974萬人,預計會有96萬人的人力需求缺口。隨着少子老齡化的加劇,醫療與護理報酬的修訂討論可能會愈加升溫,因此醫療與護理行業對於業務的高度化和生產力提高等經營改善的需求預計將進一步增加。如果不能克服這些挑戰,並建立適應變化的經營體制,可能無法滿足地區所需的醫療和護理需求,甚至被迫撤退。尤其是在地方,醫療機構和護理設施的數量相對較少,它們承擔着對當地居民的重大責任,因而資金短缺和業務生產力問題更加嚴重,穩定經營成爲亟待解決的課題。
(2) 市場規模
該公司預計,在國內的醫療法人和社會福利法人(約8萬家)中,約5萬家存在虧損經營者,作爲其自有集團各項服務所需的潛在市場。該公司截至2024年5月底的交易公司數量爲152家,因此潛在市場的開拓空間非常大。關於潛在市場的面值規模,依據虧損經營者的比例對醫療報酬和護理報酬的總額進行估算,約爲331000億日元。其中發生的債權轉讓金額,根據社會保險醫療報酬支付基金公佈的債權轉讓金額,試算國民健康保險和護理保險,總計爲3900億日元。該公司2024年5月期時的收購債權餘額爲約75億日元,由此可見,該市場規模龐大,擴張空間充足。此外,從客戶的角度來看,像該公司一樣,除了提供債權收購服務,還需要對醫療機構和護理設施等進行經營改善的諮詢、人力派遣和介紹、業務外包等提供全面支持的企業。該公司不僅停留在資金交易,還深入介入客戶的整體經營,建立了較高的信任度,因而在交易規模擴大的期望也很高。
(編輯:FISCO分析師村瀬智一)