■シード<7743>の中期経営計画
同社では「連結売上高50,000百万円を達成し、世界のコンタクトレンズ市場でプレゼンスを発揮するための生産基盤の確保」を目標として、新中期経営計画を策定している。経営目標としては、2027年3月期に売上高41,000百万円、営業利益2,800百万円、営業利益率6.8%、EBITDA6,020百万円、ROE10.7%を掲げている。利益構造の改善により、営業利益ベースでの増益を継続することで、連結売上高50,000百万円を達成するための足場固めを行う。国内コンタクトレンズ市場は、コロナ禍から回復し再度成長を続ける見通しであり、生産力の増強を背景に既存商品の拡販と新規商材の投入を計画している。同社の中期経営計画では、生産力の引き上げや多品種少量生産への対応、国内外のロジスティックサービスの強化などの成長戦略を明確に掲げており、競争力の強化による持続可能な成長の実現に高い期待が持てるものと弊社では見ている。
1. 位置付けと主要施策
同社では、世界のコンタクトレンズ市場でプレゼンスを発揮するための生産基盤の確保を目標として、連結売上高50,000百万円の達成を掲げている。売上及び業容拡大の足枷となっている商品供給力の不足を補うため、積極的な設備投資を行い、世界に伍する生産能力の整備を行う。また、省人化生産を実現し、競争力を維持できる生産体制の構築を目指している。さらに、品質の向上を進め、安心安全を追求することも重要な目標である。コーポレートブランドの再構築による企業価値の向上や、環境経営の推進も計画に含まれている。人的資源の強化を通じた事業基盤の整備も重要な施策の1つである。
主要施策としては、「Made in Nippon」と「Japan Quality」のプライドを通じて、安全で高品質な製品とサービスを提供することを追求していく。生産力の抜本的引き上げによる収益力の強化を図り、国内外のマーケットに対応するサービスの強化と提供を行う。また、市場のニーズに合わせたモノづくりを推進し、内部基盤の強化・人材確保と育成を行うことも重要な施策である。SDGsの推進や安定した株主還元も主要な施策として掲げられている。
2.成長戦略
(1) 生産力の抜本的引き上げによる収益力の強化
生産力の抜本的引上げを通じて収益力の強化を目指している。まず、省人化投資による生産性の向上を図り、新たな製造施設の建設によって生産キャパシティを拡大する計画が進行中である。具体的には、2024年4月に竣工し、10月より本格稼働が開始した2号棟別館が加わったことで、既存の1~3号棟と2号棟別館を合わせて月産6,500万枚の生産能力を持つ。さらに、新製造施設の4号棟については2024年11月に着工しており、2026年1月の竣工に向けて進捗している。当初、4号棟の第一期計画では、月間生産枚数を1,000万枚増加させる予定であったが、商品供給の安定性確保と成長戦略の実現を視野に入れ、月間生産枚数を1,400万枚に拡大する方針に変更した。また、今後の市場拡張や製品多様化への対応を目的に、処理能力の強化と設備仕様の見直しを行い、その結果、総投資額は当初計画の131億円から173億円に増加した。この第一期計画が完了することで、同社の生産能力は現状の月産6,500万枚から月産7,900万枚にまで引き上げられる予定である。新製造施設の設計に際しては、極めて高いレベルの省人化生産体制を構築するために、導入する設備だけでなく、建屋から省人化を想定した工場設計を行っている。AIを導入し、製造・検査工程の自働化運転を実現し、最新のラインのノウハウを既存ラインに横展開することで、更なる省人化を進め、生産能力の向上を図る。
また、グループ内の生産ラインを活用し、更なる生産能力の向上を実現するとともに、海外市場に向けてはグループ会社を含む現地委託生産の多様化を図っている。原価低減を通じた利益率の向上にも取り組んでおり、製造工程の改善によって歩留まりを向上させるとともに、省人化により全体の設備稼働率を向上させている。省エネルギー設備の導入によりエネルギーコストを削減する施策も実施している。さらに、多品種少量生産への対応拡大を進めており、多様なニーズに応じた生産ラインの増設を行うことで、海外向け商品や乱視用コンタクトレンズの生産効率を向上させることを目指している。特殊レンズの商品化やOEM商品への受託生産の最適化を進めることで、更なる生産性向上と廃棄ロスの削減を実現しようとしている。
(2) 国内外のマーケットに対応するサービスの強化と提供
国内外のマーケットに対応するサービスの強化を重要視しており、同社の存在意義を発信し、多様なステークホルダーに共感されるコーポレートブランドを構築することを目指し、企業そのものの価値を高めている。この取り組みにより、企業認知度やイメージの向上が図られ、社会全体へのアプローチが実施されている。また、同社にシンパシーを持つユーザーを創出することで、セールスの円滑化を図り、社内エンゲージメントの強化により労働生産性とサービスレベルの向上を実現している。
「B to B to C」を意識した販売・デリバリーサービスの拡充にも取り組んでおり、オンライン発注システム「らくらくシステム」において新サービスを構築している。新たな定期・定額制サービスのリリースと、それに伴う管理用専用ソフトの開発・運用を開始し、ケア用品とのカップリングサービスの展開も行っている。また、国内外のロジスティックサービスの強化も進めており、国内外の在庫管理を一元化する体制を整備することで、在庫状況の同期化を実現し、販売機会と在庫ロスの削減を図っている。生産管理や在庫管理、国内外の受注管理を高度化し、ラストワンマイルサービスの強化や改善も進めている。さらに、96枚入りパックのエコ化推進も重要な取り組みとして位置付けられている。加えて、各国に対応した施設向けの啓発ツールも作成しており、同社製品の安全・安心な装用のために各国のレギュレーションに沿ったツールの作成と配布を実施している。これらの取り組みにより、国内外のマーケットにおいて競争力を強化し、持続可能な成長を実現することを目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
■Seed<7743>的中期經營計劃
該公司制定了新的中期經營計劃,目標是「實現合併營業收入50,000百萬元,並確保在全球隱形眼鏡市場中發揮存在感的生產基礎」。作爲經營目標,計劃到2027年3月實現營業收入41,000百萬元,營業利潤2,800百萬元,營業利潤率6.8%,EBITDA6,020百萬元,ROE10.7%。通過改善利潤結構,繼續在營業利潤基礎上實現盈利增長,爲實現合併營業收入50,000百萬元打下基礎。國內隱形眼鏡市場有望從疫情中恢復並再次實現增長,計劃在增強生產能力的背景下擴展現有商品的銷售和推出新商品。該公司的中期經營計劃明確提出了提升生產能力、應對多品種少量生產、加強國內外物流服務等增長戰略,預計通過增強競爭力實現可持續增長。
1. 定位與主要措施
該公司以確保在全球隱形眼鏡市場中發揮存在感的生產基礎爲目標,提出了實現合併營業收入50,000百萬元的目標。爲彌補制約營業收入及業務範圍擴大的商品供給能力不足,進行積極的設備投資,提升與世界競爭的生產能力。此外,還旨在實現自動化生產,構建能夠維持競爭力的生產體制。進一步提高產品質量,追求安全可靠也是重要目標。通過重新構建企業品牌來提升企業價值和推進環境管理也被納入計劃中。通過加強人力資源來完善業務基礎也是重要的措施之一。
作爲主要措施,通過「Made in Nippon」和「Japan Quality」的自豪感,追求提供安全高質量的產品和服務。通過根本提升生產能力來強化盈利能力,並進一步強化和提供適應國內外市場的服務。此外,推動符合市場需求的產品製造,加強內部基礎和人才的收集與培養也是重要措施之一。推動可持續發展目標(SDGs)以及穩定的股東回報也是主要措施。
2. 成長戰略
(1) 通過根本提升生產能力來強化盈利能力
通過根本提高生產能力來實現盈利能力的增強。目前正在推進通過人力減少投資提高生產效率,並通過新建制造設施擴展生產能力的計劃。具體來說,新2號樓的竣工將在2024年4月實現,並將於10月開始正式運營,屆時現有的1至3號樓與2號樓合計將具備每月6,500萬片的生產能力。此外,新制造設施的4號樓計劃於2024年11月開工,預計於2026年1月竣工。最初,4號樓的第一期計劃將增加每月生產量1,000萬片,但考慮到商品供給的穩定性和實現增長戰略,決策將其每月生產量擴展至1,400萬片。同時,爲了應對未來市場擴張和產品多樣化,還將加強處理能力並重審設備規格,最終總投資額將從最初計劃的131億日元增加至173億日元。第一期計劃完成後,該公司的生產能力預計從目前的每月6,500萬片提升至每月7,900萬片。在新制造設施的設計中,爲構建極高水平的自動化生產體制,除了引入的設備外,還進行了以人力減少爲目標的工廠設計。引入人工智能,實現製造和檢驗過程的自動化運行,並通過最新生產線的經驗在現有生產線中推廣,進一步實現人力減少,提升生產能力。
此外,我們利用群內的生產線,實現進一步的生產能力提升,同時針對境外市場,實施包括群公司在內的本地委託生產的多樣化。我們還致力於通過降低成本來提高利潤率,通過改善製造流程提高良品率,並通過人力精簡提升整體設備利用率。我們還實施了通過引入節能設備來降低能源成本的措施。此外,我們正擴大對多品種少量生產的應對,計劃通過增加符合多樣化需求的生產線,提高面向境外的商品及散光用隱形眼鏡的生產效率。通過特殊鏡片的商品化及OEM商品的委託生產優化,我們希望實現進一步的生產率提升和廢棄損失的減少。
(2) 強化和提供對應國內外市場的服務
我們重視加強針對國內外市場的服務,並着力傳播公司的存在意義,構建能夠得到多樣化利益相關者共鳴的企業品牌,從而提升企業自身的價值。通過這一努力,提升了企業的知名度和形象,並實施了針對整個社會的接觸。此外,通過創造對公司有共鳴的用戶,促進銷售的順暢化,並通過增強內部員工的參與感來提高勞動生產率和服務水平。
我們還在加強以「B to B to C」意識的銷售和配送服務,正在在線訂購系統「輕鬆系統」中構建新服務。新定期和定額制服務的發佈,以及隨之而來的管理專用軟件的開發和運用已開始,並且正在開展與護理用品的配套服務。此外,還在加強境內外的物流服務,通過建立境內外倉庫管理的一體化系統,實現庫存狀態的同步,努力減少銷售機會和庫存損失。我們正在提升生產管理、庫存管理及境內外的訂單管理,進一步強化和改善最後一公里服務。此外,推進96片裝的環保化也被視爲重要的舉措。與此同時,我們根據各國的要求製作了針對設施的宣傳工具,爲了確保安全、安心地使用公司產品,實施了符合各國法規的工具的製作和分發。通過這些舉措,力求在國內外市場中增強競爭力,實現可持續發展。
(撰寫者:富士客座分析師茂木稜司)