■オーバル<7727>の業績動向
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期における世界経済は、金融引き締め政策の継続による各国経済への影響や、中国経済の景気変化など、先行き不透明な状況が続いた。わが国では、雇用・所得環境、企業収益が改善しているなか、個人消費・設備投資も引き続き堅調を維持し、景気は緩やかに回復したが、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクもあり、物価の上昇もあって先行き不透明な状況が続いた。
このような経済環境下、同社グループでは「中期経営計画『Imagination 2025』」を着々と推進した。その結果、2025年3月期中間期の連結業績は、受注高7,939百万円(前年同期比9.5%減)、売上高7,128百万円(同2.2%増)、売上総利益2,959百万円(同1.6%減)、営業利益689百万円(同13.6%減)、経常利益624百万円(同26.8%減)、親会社株主に帰属する中間純利益422百万円(同23.2%減)と、増収減益決算であった。
前年同期に発生したオーストリアAnton Paarとのライセンス契約の一時金収受が、前年同期との比較では、売上高・各利益に大きく影響した。受注高の減少はセンサ部門の落ち込みが響いた。売上高はAnton Paarの一時金による減収分を、好調なシステム部門における大口案件の売上計上が上回ったことにより増収となった。売上総利益の減少も、原材料費の上昇のほか、Anton Paarの一時金による減収分の影響を大きく受けた。また、販管費の増加は、賃上げに伴う人件費増加によるものである。この結果、営業利益は減益となり、営業利益率は9.7%に低下したものの、2023年3月期中間期の7.7%を上回る水準を確保している。また、経常利益と親会社株主に帰属する中間純利益の減益率が大きかったのは、前年同期の為替差益の計上が、為替差損の計上に転じたことも響いた。2025年3月期通期予想に対する中間期の進捗率は、売上高は50.9%、営業利益も53.1%となり、例年に比べて高いことから、業績予想の達成に向けて順調に推移していると弊社では判断する。
事業部門別の業績を見ると、主力のセンサ部門では、受注高は4,578百万円(前年同期比27.1%減)であった。これは、国内は半導体関連業界向けが前期に前倒し受注があった反動で落ち込み、海外も中国・韓国の電気自動車など電池関連業界向けでバブル過熱が一服したことによる。半導体の受注は在庫の関係から波があり、前期に先行受注したことで在庫が過剰気味のようだ。売上高も4,794百万円(同4.9%減)であった。これは、受注高と同様に、国内では化学関連業界向けが堅調だったが、半導体関連業界向けが前期受注分を出荷したものの、前年同期の実績には届かなかったためだ。なお、前年同期は海外ではオーストリアAnton Paarとのライセンス契約に基づき、知的財産のライセンスの対価である契約一時金収受に伴う受注高・売上高を計上していた。
システム部門では、受注高は1,858百万円(前年同期比64.7%増)と大幅に増加した。これは、海外は低迷した一方、国内では(国研)産業技術総合研究所や石油関連業界向けの大口案件の受注があったことによる。システムの大口案件の受注は、今後もしばらく続きそうだ。一方、売上高は922百万円(同51.6%増)であった。海外については東南アジア地域における落ち込みが底打ちしたものの回復は限定的にとどまったが、国内は産業技術総合研究所や食品関連業界向けの大口案件の売上計上があり、前年同期を大きく上回って、同社全体の売上増をけん引した。
サービス部門では、受注高は1,501百万円(前年同期比10.3%増)、売上高は1,411百万円(同6.5%増)であった。これは、主要顧客の石油関連業界では、業界再編、脱炭素社会に向けたエネルギー置換など厳しい市場環境が続くなか、保全計画サポートサービスなど地道できめ細かいメンテナンス活動や他社商品のメンテナンス活動を継続していることによる。なお、サービス部門の売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)により2021年3月期に若干落ち込んだものの影響は小さく、その後は増加基調を続けており、他部門に比べて景気に大きく左右されない部門である。
高い安全性を確保
2. 財務状況と経営指標
2025年3月期中間期末の資産合計は、23,586百万円(前期末比135百万円増)となった。このうち、流動資産は12,666百万円(同31百万円増)であった。これは、主に現金及び預金が86百万円、電子記録債権が236百万円、棚卸資産が128百万円それぞれ減少し、受取手形、売掛金及び契約資産が422百万円、その他流動資産が54百万円それぞれ増加したことによる。棚卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品の合計)は、半導体不足に伴い電子部品の入手が困難になるなど、材料不足のなかで同社製品の納期維持のため在庫を増やしたことで前期末まで増加が続いたが、こうした取り組みによって納期遅延を発生させなかった。今後も半導体市場の状況に応じて、柔軟に対応すると見られる。また、固定資産は10,920百万円(同103百万円増)であった。これは主に、無形固定資産が39百万円減少した一方、機械装置及び運搬具が143百万円増加したことによる。
一方、負債合計は7,688百万円(前期末比397百万円減)となった。このうち、流動負債は3,910百万円(同405百万円減)であった。これは主に、短期借入金が79百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が98百万円、未払金が312百万円、未払費用が47百万円それぞれ減少したことによる。また、固定負債は3,778百万円(同7百万円増)であった。これは主に、長期借入金が7百万円増加したことによる。長期・短期を合計した借入金は、1,904百万円(同86百万円増)であった。また、純資産合計は、15,897百万円(同533百万円増)となった。これは主に、利益剰余金が265百万円、為替換算調整勘定が257百万円それぞれ増加したことによる。
以上の結果、自己資本比率は65.4%に上昇し、最新データである2024年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する精密機器業界平均の58.5%を上回る高い安全性を確保していると評価できる。一方、2024年3月期のROAは6.9%、ROEは7.7%で、収益性指標では業界平均を下回っており、今後は収益力強化が課題であると弊社では考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
■Oval的性能趨勢 <7727>
1。截至2025年3月31日的中期財務業績摘要
截至2025/3財年全球經濟的未來仍然不確定,例如持續的貨幣緊縮政策以及中國經濟的經濟變化對每個國家經濟的影響。在日本,隨着就業/收入環境和企業利潤的改善,私人消費和資本投資繼續保持強勁,經濟溫和復甦,但也存在海外經濟衰退拖累日本經濟的風險,前景仍然不確定,部分原因是物價上漲。
在這樣的經濟環境下,集團穩步推進 “中期管理計劃 「Imagination 2025」。因此,截至2025/3年的中期合併財務業績爲訂單79.39億日元(比去年同期下降9.5%),銷售額爲71.28億日元(較同期增長2.2%),毛利爲29.59億日元(較同期下降1.6%),營業收入爲6.89億日元(較同期下降13.6%),普通利潤爲6.24億日元(較同期下降26.8%),歸屬於母公司股東的凈利潤爲4.22億日元(較同期下降23.2%)。
去年同期與奧地利安東帕簽訂的許可協議與去年同期相比對銷售和利潤產生了重大影響。訂單量的下降與傳感器行業的下降產生了共鳴。由於強大的系統部門的大型項目的銷售記錄超過了安東帕一次性付款導致的降幅,銷售額有所增加。毛利潤的下降還受到安東帕一次性付款導致的銷售額下降以及原材料成本上漲的很大影響。此外,銷售和收購費用的增加是由於與工資增長相關的勞動力成本增加。結果,營業利潤下降,儘管營業利潤率降至9.7%,但在截至2023/3的過渡期內,營業利潤率已達到7.7%以上。此外,歸屬於母公司股東的普通收益和中期凈利潤下降率較大的原因也與去年同期匯兌收益的記錄變成記錄的匯兌損失這一事實產生了共鳴。與截至2025年3月31日的財年的全年預測相比,中期的進展率爲50.9%,營業利潤爲53.1%,高於往年,因此我們確定其在實現收益預測方面進展順利。
從各業務部門的業績來看,作爲主力的傳感器部門獲得了45.78億日元的訂單(比去年同期下降27.1%)。這是由於半導體相關行業提前收到訂單的反應導致國內市場下跌,以及中國和韓國電動汽車等電池相關行業的泡沫過熱在海外結束。由於庫存,出現了一波半導體訂單浪潮,而且由於上一財年收到了預付訂單,庫存似乎過多。銷售額也爲47.94億日元(比同期下降4.9%)。這是因爲,與高訂單類似,化學品相關行業在國內表現強勁,但是儘管第一財年收到的訂單運往了半導體相關行業,但並未達到去年同期的業績。請注意,去年同期,根據與奧地利安東帕的許可協議,合同一次性收款(即對知識產權許可的補償),海外訂單和銷售額都創下了高位。
在系統部門,訂單量急劇增加到18.58億日元(比去年同期增長64.7%)。這是因爲儘管海外不景氣,但國內收到了(國家研究所)國家先進工業科學與技術研究所和石油相關行業的大型項目的訂單。看來該系統的大型項目的訂單將在未來一段時間內持續下去。同時,銷售額爲9.22億日元(比同期增長51.6%)。在海外,儘管東南亞地區的跌幅觸底,但復甦仍然有限,但在國內,國家先進工業科學與技術研究所和食品相關行業的大型項目的銷售額創下了記錄,大大超過了去年同期,引領了該公司的整體銷售增長。
在服務業,收到的訂單量爲15.01億日元(比去年同期增長10.3%),銷售額爲1.411億日元(比同期增長6.5%)。這是因爲,隨着行業重組和脫碳社會能源替代等嚴峻市場環境的繼續,以及其他公司產品的維護計劃支持服務和維護活動等穩定而詳細的維護活動仍在繼續,石油相關行業的主要客戶仍在繼續。請注意,由於新型冠狀病毒感染(以下簡稱 COVID-19)的傳播,在截至2021年3月31日的財年中,服務業的銷售額略有下降,但影響很小,此後持續增長,與其他部門相比,該行業受經濟的影響並不大。
確保高水平的安全
2。財務狀況和管理指標
截至2025/3年的過渡期末,總資產爲235.86億日元(較上一財年末增加了1.35億日元)。其中,流動資產爲126.66億日元(比同期增加了3,100萬日元)。這主要是由於現金和存款減少了8,600萬日元,電子記錄應收賬款減少了2.36億日元,庫存資產減少了1.28億日元,而應收票據、應收賬款和合同資產分別增加了4.22億日元,其他流動資產增加了5400萬日元。直到上一財年末,庫存資產(產品和產品、在建工程、原材料和儲存的貨物的總額)持續增加,這是因爲在材料短缺的情況下爲維持公司產品的交付日期而增加了庫存,例如由於半導體短缺而難以獲得電子元件,但由於這些努力,交貨延遲沒有發生。預計他們將來將繼續根據半導體市場狀況靈活應對。此外,固定資產爲109.2億日元(比同期增加了1.03億日元)。這主要是由於無形固定資產減少了3,900萬日元,而機械設備和運輸設備增加了1.43億日元。
同時,總負債爲76.88億日元(較上一財年末下降3.97億日元)。其中,流動負債爲3.91億日元(比同期減少4.05億日元)。這主要是由於短期貸款增加了7900萬日元,而應付票據和應付賬款分別減少了9800萬日元,未付金額減少了3.12億日元,未付費用減少了4700萬日元。此外,固定負債爲37.78億日元(比同期增加700萬日元)。這主要是由於長期貸款增加了700萬日元。長期和短期貸款總額爲19.04億日元(比同期增加了8,600萬日元)。此外,總淨資產爲158.97億日元(比同期增長5.33億日元)。這主要是由於留存收益增加了2.65億日元,匯兌調整賬戶分別增加了2.57億日元。
由於上述結果,資本充足率已上升至65.4%,可以評估它確保了高安全性,高於截至2024/3財年在主要標準增長市場上市的精密設備行業平均水平的58.5%,這是最新數據。同時,截至2024/3財年的投資回報率爲6.9%,投資回報率爲7.7%,就盈利能力指標而言,低於行業平均水平,我們認爲增強盈利能力將是未來的問題。
(由FISCO客座分析師國茂樹撰寫)