■今後の見通し
1. 2024年12月期の業績見通し
kubell<4448>の2024年12月期の業績予想は、売上高8,430百万円(前期比30.0%増)、営業利益35百万円(前期は677百万円の損失)、経常利益32百万円(同686百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失58百万円(同620百万円の損失)としている。ビジネスチャットツール「Chatwork」のさらなる普及とBPaaS事業への積極的な投資を成長ドライバーとして、前期比で力強い成長と収益性の改善を実現する。特に、「Chatwork アシスタント」や「給与計算アウトソーシング」といったBPaaS関連サービスに注力することで顧客基盤の拡大を目指しており、これが売上成長に寄与することが期待されている。EBITDAは761百万円を見込んでおり、営業利益は2020年12月期以来の黒字化を達成する見通しである。利益創出を念頭に置いた体制の構築を進めることで、引き続き高い成長率の維持と収益性の改善を両立させる。この戦略の一環として、フリープランの提供内容の改定や有料プランへの機能追加を進めており、これにより課金ID数の増加が期待される。また、BPaaS事業における顧客拡大も売上の変動要因として影響を与えると考えられている。なお親会社株主に帰属する当期純利益のマイナスについては、会計上のグループ通算制度によるものである。
2. トピックス
2024年12月期のトピックスは以下のとおりである。
(1) 業績予想の修正
同社は2024年12月期の進行に伴い、業績予想を1つの確定値に修正した。売上高については、前回公表されたレンジ内である8,430百万円と見込まれており、これは前期比で30.0%の成長を示している。広告宣伝費及び人件費の効率化が進み、EBITDAや営業利益も前回の業績予想を大幅に上回る見通しである。効率的なコスト管理が奏功し、利益面での上振れ期待が生じていることから、会社の経営効率の向上が着実に反映されていると言える。
(2) フリープランの改定と有料プランの機能追加
同社は2024年8月29日より、ビジネスチャットツール「Chatwork」のフリープランに関して提供内容を大幅に改定した。これはユーザーのアクティビティデータを分析した結果を基に、サービスをより利用しやすくし、活用度の高いユーザーを有料プランに移行させることを狙った施策である。この改定は、無料ユーザーから有料ユーザーへの転換率を高め、収益を強化するための戦略的な一手と言える。課金ID数については、2023年7月に実施した価格改定の影響で一時的に解約が生じたが、これらが一巡した現在、純増数は大幅に増加している。この傾向は、今後の安定的な収益基盤の拡充を意味し、同社の収益性がさらに高まることが期待される。また、有料プランに対しても顧客からの要望が高かった機能の追加が順次行われる予定であり、2024年11月には「自分宛て一覧機能」と「予約送信機能」が実装された。この機能追加により、ユーザーの満足度向上だけでなく、サービスの価値を高め、より多くのユーザーが有料プランに移行することを促進する。このようなバリューアップ戦略は、課金ID数の増加とARPUの向上を目指す同社にとって、重要な成長ドライバーとなると弊社では見ている。
(3) 外部パートナーとの提携の加速
2024年9月25日、同社グループのkubellパートナーは、ふくおかフィナンシャルグループ<8354>と顧客紹介に関する協定を締結したことを発表した。この協定により、ふくおかフィナンシャルグループ傘下の(株)福岡銀行、(株)熊本銀行、(株)十八親和銀行、(株)FFGビジネスコンサルティングの顧客に対してBPaaSサービス「Chatwork アシスタント」の提供が開始される。今後も外部パートナーとの連携を強化し、リーチできる顧客層を拡大することで、新規顧客の獲得及びサービスの普及に向けた取り組みが期待される。また10月、クラウド郵便サービス「atena(アテナ)」を提供するatena(株)との業務提携契約を締結したことを発表している。これにより、郵便物の受領、PDF化、管理・共有をクラウド郵便サービス「atena」上で行うことができ、ユーザーの業務負荷を減らすだけでなく、業務完了までの時間短縮が可能となる。加えて、atenaが提供するオフライン事務代行サービス「atena 事務代行」との連携で、「Chatwork アシスタント」では対応が難しかった郵便物の発送や契約書の押印といった業務にも対応範囲が拡がり、今後のサービス拡張が期待される。
(4) カルチャーデックのリリース
同社では、規模の急拡大及びBPaaS事業の展開に伴い、社内のミッション・ビジョン・バリューの浸透に注力している。従業員がミッション「働くをもっと楽しく、創造的に」を体現できるよう、行動指針を解説したカルチャーデック「kubell COMPASS」がリリースされた。従業員の価値観を尊重しつつ、組織としての一体感を強化することで、優秀な人材の獲得とリテンションを目指す姿勢が明確に示されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
■未來的展望
2024年12月期的業績展望
kubell<4448>的2024年12月期業績預測爲,營業收入843億日元(同比增長30.0%),營業利潤3.5億日元(上一期爲677億日元的虧損),經常利潤3.2億日元(同686億日元的虧損),歸屬於母公司股東的當期淨損失5.8億日元(同620億日元的虧損)。以業務聊天工具「Chatwork」的進一步普及和對BPaaS業務的積極投資作爲增長驅動因素,實現與上一期相比的強勁增長和盈利能力的改善。特別是,專注於「Chatwork助手」和「工資計算外包」等BPaaS相關服務,旨在擴大客戶基礎,這預期將貢獻於營業收入的增長。預計EBITDA爲76.1億日元,營業利潤有望實現2020年12月期以來首次盈利。通過推進以贏利爲目標的體制建設,將繼續保持高增長率和改善盈利能力。作爲該戰略的一部分,正在推進免費計劃的內容修訂和對付費計劃的功能添加,從而預期增加付費ID數量。此外,在BPaaS業務中客戶的擴大也被認爲是影響營業收入變動的因素。歸屬於母公司股東的當期凈利潤爲負的原因是基於會計上的群體合併制度。
2. 話題
2024年12月期的話題如下。
(1) 業績預測的修正
該公司隨着2024年12月期的推進,已將業績預測修正爲一個確定值。營業收入方面,預計爲上次公告的範圍內的843億日元,同比表示30.0%的增長。廣告宣傳費和人力成本的效率化取得進展,EBITDA和營業利潤也預計大幅超過上次的業績預測。由於有效的成本管理取得成效,利潤方面產生了上揚預期,可以說公司的經營效率的提升正在穩步反映。
(2) 免費計劃的改定和付費計劃的功能增加
同公司自2024年8月29日起,對商業聊天工具「Chatwork」的免費計劃進行了大幅改定。這項措施基於用戶的活動數據分析結果,旨在使服務更加易於使用,並將高活躍度的用戶轉向付費計劃。這一改定是提升免費用戶向付費用戶轉化率,以增強收益的戰略舉措。關於付費ID數量,受2023年7月實施的價格改定影響,一度出現了解約現象,但隨着這些情況的逐漸平息,目前的淨增數量大幅增加。這一趨勢意味着公司未來將擴展穩定的收益基礎,進一步提高公司的盈利能力。此外,針對付費計劃,客戶對於功能的需求也非常高,相關功能的追加將陸續進行,預計到2024年11月將實現「自分宛て一覧機能」和「予約送信機能」。功能的增加不僅提高了用戶的滿意度,也提升了服務的價值,促進更多用戶向付費計劃的轉化。這種價值提升戰略被認爲是推動公司付費ID數量增加和ARPU提高的重要增長動力。
(3) 加速與外部合作伙伴的合作
2024年9月25日,所屬集團的kubell合作伙伴宣佈與福岡金融集團<8354>簽訂客戶介紹協議。根據該協議,將開始向福岡金融集團旗下的福岡銀行、熊本銀行、第十八親和銀行和FFG業務諮詢公司等客戶提供BPaaS服務「Chatwork助手」。今後將繼續加強與外部合作伙伴的協作,通過擴大可接觸的客戶群體,期待在新客戶的獲取和服務普及方面取得進展。此外,在10月,宣佈與提供雲郵政服務「atena(阿苔娜)」的atena株式會社簽訂了業務合作合同。通過這項合作,用戶不僅能夠在雲郵政服務「atena」上接收、PDF化、管理和共享郵件,而且能夠減少工作負擔,並縮短完成業務的時間。此外,通過與atena提供的離線事務代理服務「atena事務代理」的協作,「Chatwork助手」能夠擴展到以往難以處理的郵件發送與合同書蓋章等業務,未來的服務擴展備受期待。
(4) 發佈文化手冊
公司在規模迅速擴張和BPaaS業務展開的過程中,注重公司內部使命、願景和價值觀的傳達。爲了讓員工能夠體現使命「讓工作更加快樂和創造性」,發佈了解釋行爲指南的文化手冊「kubell COMPASS」。在尊重員工價值觀的同時,強化組織的凝聚力,明確表明了公司致力於吸引和留住優秀人才的姿態。
(撰寫者:富士客座分析師茂木稜司)