■要約
三機工業<1961>の主要事業は、オフィスビル、学校、病院、ショッピングセンター、工場、研究施設などの建築設備(主に空調設備)及びプラント設備(上下水道処理施設等)の企画・設計・製作・監理・施工・販売・コンサルティングなどである。同社の強みは、多岐にわたる事業を横断的に融合させる総合エンジニアリングと100年近い実績から培われた高い技術力と信用力である。
1. 2025年3月期第2四半期:繰越工事を順調に消化し営業利益は前年同期比362.5%増。次期繰越高も高水準
2025年3月期第2四半期の業績は、売上高が105,950百万円(前年同期比18.4%増)、営業利益が5,926百万円(同362.5%増)、経常利益が6,639百万円(同253.5%増)、親会社株主に帰属する中間利益が4,450百万円(同215.8%増)となった。手持ち工事を順調に消化したことから売上高は大幅増となった。売上総利益率は、利益率改善に向けた内部努力に加えて好採算工事が進捗したことで16.2%(前期13.4%)と大きく改善した。また販管費が、ほぼ予算どおりの5.5%増に留まったことから営業利益は前年同期比で大幅増となった。受注高も150,996百万円(同20.4%増)と堅調であり、期末の次期繰越高は243,948百万円(前年同期末比8.7%増)と第2四半期末で過去最高を記録した。
2. 2025年3月期の業績見通し:営業利益は前期比42.4%増を見込む
2025年3月期については、受注高が230,000百万円(前期比1.0%減)、売上高が245,000百万円(同10.4%増)、営業利益が16,500百万円(同42.4%増)、経常利益が17,000百万円(同33.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が11,600百万円(同29.6%増)と、期初予想(売上高225,000百万円、営業利益12,500百万円)から上方修正した。売上総利益率は17.1%(同1.5ポイント上昇)、販管費は同10.6%増を見込んでいる。同社は、「予想売上高2,450億円までの残り約1,400億円のうち約1,200億円は現在の手持ち工事で計上できる見込み」と述べており、業績予想が達成される可能性は高い。今後の期中受注や工事の進捗状況によってはさらなる上方修正の可能性もあると弊社では見ている。
3. 中期経営計画“Century 2025”Phase3は1年前倒しで達成・終了
同社は2016年3月に、創立100周年の2026年3月期に向けて、2017年3月期から10年間の長期ビジョン“Century 2025”を発表した。その目標達成のために10年間を3つのPhaseに分け、中期経営計画に基づく事業戦略を推進してきた。長期ビジョンの最終目標(Phase3の目標)は、ステークホルダーからもっと「選ばれる」会社と定めている。定量目標は、最終年度である2026年3月期に売上高2,200億円、売上総利益率16.5%、経常利益120億円、配当性向50%以上、ROE8.0%以上としていた。しかし2025年3月期の予想がこの目標を上回っているため同社は、「この“Century 2025”の目標は1年前倒しで達成される見込みであることから、本計画は今期をもって一旦終了とする。現在、新しい経営計画を策定中であり、来春には発表出来る見込みだ」と述べている。長期ビジョン(10年)を1年前倒しで達成することは大いに評価に値するが、次にどのような計画(目標)が出されるか注目される。
4. 株主還元にも前向きで2025年3月期の配当性向は50.4%、総還元性向は85.2%を予定
同社は株主還元にも積極的である。中期経営計画“Century 2025”Phase3における株主還元方針に基づき安定的な還元を実施してきた。2025年3月期も、業績予想の修正に伴い配当予想を通期110円に引き上げた。配当性向は50.4%になる。また2025年3月末までに150万株の自己株式取得を予定しており、2024年8月19日には200万株の自己株式消却を実施した。この結果、2025年3月期の総還元性向は85.2%となる見込みだ。単に業績向上を目指すだけでなく、株主還元においても積極的な同社の姿勢は大いに評価すべきだろう。
■Key Points
・三井系の国内トップクラスの建築設備会社。利益率改善策を推進中
・2025年3月期第2四半期は362.5%の営業増益。通期予想42.4%増へ上方修正
・中期経営計画は1年前倒しで達成、来春には新計画を発表予定
・株主還元に前向きで2025年3月期は110円配当(配当性向50.4%)、自己株式の取得も予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
■摘要
三機工業<1961>的主要業務包括辦公大樓、學校、醫院、購物中心、工廠、研究設施等的建築設備(主要是空調設備)及工廠設備(上下水處理設施等)的規劃、設計、製造、監理、施工、銷售、諮詢等。公司的優勢在於能夠融合多種業務的綜合工程能力,以及近100年的豐富經驗所培養出的高技術水平和信用度。
1. 2025年3月期第二季度:順利消化了結轉工程,營業利潤同比增長362.5%。下期結轉高也保持在高水平。
2025年3月期第二季度的業績顯示,營業收入爲105,950百萬元(同比增長18.4%)、營業利潤爲5,926百萬元(同比增長362.5%)、經常利潤爲6,639百萬元(同比增長253.5%)、歸屬於母公司股東的中間利潤爲4,450百萬元(同比增長215.8%)。由於手頭的工程順利消化,營業收入大幅增加。銷售毛利率由於內部努力和利潤率改善,加上高收益工程進展,使其改善至16.2%(上期爲13.4%)。此外,銷售管理費用保持在預算內,同比僅增長5.5%,因此營業利潤較上年同期大幅增長。訂單量也保持在150,996百萬元(同比增長20.4%),期末的下期結轉高達到243,948百萬元(同比增長8.7%),創下了第二季度末的歷史新高。
2. 2025年3月期的業績展望:預計營業利潤比上期增長42.4%。
關於2025年3月期,預計訂單量爲230,000百萬元(比上期下降1.0%),營業收入爲245,000百萬元(同比增長10.4%),營業利潤爲16,500百萬元(同比增長42.4%),經常利潤爲17,000百萬元(同比增長33.3%),歸屬於母公司股東的當期凈利潤爲11,600百萬元(同比增長29.6%),這比期初的財務預測(營業收入225,000百萬元,營業利潤12,500百萬元)有所上調。銷售毛利率預計爲17.1%(上升1.5個百分點),銷售管理費用預計增長10.6%。公司表示,「預計約1,400億日元的餘量中約1,200億日元可通過目前的在手工程來確認」,因此實現業績預測的可能性很高。根據未來的訂單及工程進展情況,可能還會有進一步上調的可能性。
3. 中期經營計劃「Century 2025」Phase3提前一年完成。
公司在2016年3月發佈了面向成立100週年的2026年3月期的長期願景「Century 2025」,該願景將長達10年的時間劃分爲三個階段,實施基於中期經營計劃的業務戰略,以實現目標。長期願景的最終目標(Phase3的目標)是成爲更能被利益相關者「選擇」的公司。量化目標設定爲在最終年度2026年3月期的營業收入爲2200億日元,銷售毛利率爲16.5%,經常利潤爲120億日元,分紅派息率超過50%,ROE超過8.0%。然而,由於2025年3月期的財務預測已經超出該目標,因此公司表示:「由於這個『Century 2025』的目標預計會提前一年實現,因此本計劃將在本期結束。現在正在制定新的經營計劃,預計將在明年春季發佈。」提前一年實現10年的長期願景值得高度評價,但接下來將會提出什麼樣的計劃(目標)備受關注。
4. 股東回報也積極,2025年3月期的分紅派息比率爲50.4%,總回報比率爲85.2%。
該公司對股東回報也非常積極。根據中期經營計劃「世紀2025」Phase3的股東回報方針,實施了穩定的回報。2025年3月期,由於業績預測的修正,分紅預測提升至全年的110日元。分紅派息比率將達到50.4%。此外,預計到2025年3月末,將取得150萬股的自家股票,並於2024年8月19日實施了200萬股的自家股票註銷。因此,2025年3月期的總回報比率預計將達到85.2%。不僅僅是追求業績改善,該公司的股東回報積極的態度也應該受到高度評價。
■關鍵點
· 三井系的國內頂級建築設備公司。正在推進利潤率改善措施。
· 2025年3月期第二季度營業利潤增長362.5%。全年預測上調至42.4%的增長。
· 中期經營計劃提前一年完成,預計將在明春發佈新計劃。
· 對股東回報積極,2025年3月期分紅爲110日元(分紅派息比率50.4%),也計劃進行自家股票的回購。
(作者:日經FISCO客座分析師 寺島昇)