■会社概要
1. 会社概要
泉州電業<9824>は電線の総合専門商社で、独立系では業界トップクラスである。その歴史は古く、創業は1947年に遡る。仕入先は約250社であり、大手は言うに及ばず、国内の電線メーカーの半分以上と取引がある。在庫商品アイテム数は約5万点と、国内における商品の調達力は抜きん出ている。
2. 沿革
同社の歴史は古く、1947年に西村電気商会として創業した後、全国及びアジア諸国へと業容を拡大してきた。2024年10月末時点のグループ全体での従業員数825名、国内連結子会社7社、海外連結子会社7社(タイ1社、中国2社、中国台湾1社、フィリピン1社、ベトナム1社、米国1社)、国内拠点18ヶ所を擁する。
株式については、1991年6月に大阪証券取引所市場第2部(特別指定銘柄)へ上場した。その後2002年11月に東京証券取引所(以下、東証)第2部へ上場し、さらに2017年11月には東証第1部へ指定替えとなった。現在は東証プライム市場に移行している。
3. 事業内容
(1) 仕入先と販売体制
同社は電線の総合専門商社で、独立系では業界トップクラスである。仕入先は約250社であり、国内の電線メーカーが中小企業を含めて約400社あるなかで、同社は半分以上のメーカーから仕入れていることになる。在庫商品アイテム数で約5万点と、国内における商品の調達力は抜きん出ている。主な仕入先はSWCC<5805>の販売会社SFCC(株)、住電HSTケーブル(株)である。
販売体制については、国内で支店・営業所合わせて18ヶ所を有し、各支店・営業所に物流センターを併設し、営業社員200名体制で全国展開している。また、加工品の工場(外注工場を含む)を納入先の近隣に設けるなど、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というジャスト・イン・タイムのデリバリー体制及び在庫管理能力を強みとしている。在庫水準に関しては「0.8ヶ月以内」と厳しい社内規定を設けて、銅相場の変動に対応できるよう適正在庫水準を常に維持している。顧客は電材販売業者及びメーカー、電気工事会社など約3,700社に上り、最大の顧客先の売上構成比は約3%、上位10社合計でも約15%程度と、特定の顧客に対する依存度が低く、幅広い顧客と取引を行っているのが特徴である。
(2) 販売経路
同社の販売経路は、「直需」「電材」「電設」の3つに分けられる。
「直需」は、電気や機械の製造業者、自動車関連企業などに同社が直接販売するルート。これらの向け先に対しては、電線メーカーが直接販売するケースもある。
「電材」は、電設資材販売業者向けのルート。この電設資材業者から電気工事業者に販売され、さらに上記の電気や機械の製造業者、自動車関連企業などに販売されるケースもある。
「電設」は、同社から一般的な電気工事業者に販売されるルートだ。
2024年10月期における、各販売経路の割合は、電材が46.4%、直需が26.3%、電設が22.3%であった。
(3) 商品別構成比
2024年10月期の商品別の売上高構成比(単体ベース)は、電力用ケーブルが38.4%と最も大きく、次いで機器用・通信用電線が32.9%、汎用被覆線10.0%、その他電線5.1%、非電線13.6%となっている。
同社の商品別の売上高構成比を業界全体の構成比と比較すると、機器用・通信用電線及び電力用ケーブルの比率が高い。これは業界合計では比率の高い輸送用電線(主に自動車用ワイヤーハーネス)を同社では手掛けていないことによる。輸送用電線を除いた業界合計の構成比は機器用・通信用電線が約20%、電力用ケーブルが約33%であるが、電力用ケーブルが同社と同程度である一方、機器用・通信用電線については同社の構成比が高くなっており、この点が同社の特徴と言える。
(4) 業界シェア
同社の業界シェアは、同社が関わる需要部門である「建設・電販部門」で見ると約15%(同社推定)になる。同業はメーカー系の商社が多く、独立系の上場企業では同社のみである。
電線業界では現状、電力ケーブル分野における価格競争が続いており、同分野を手掛けている独立系商社にとっては厳しい状況が続いている。経営体力がなく、差別化できる商材を持っていない電線商社は、大手メーカー系商社の傘下に吸収・統合されるといった傾向が続いているようである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
■公司資料
1. 公司資料
泉州電業<9824>是一家電線的綜合專業商社,在獨立系中也是行業頂尖之一。它的歷史悠久,創立於1947年。其採購來源約有250家,不僅包括大型企業,還與國內超過一半的電線製造商有交易。庫存商品項數約爲5萬點,國內商品的採購能力十分出色。
2. 沿革
該公司的歷史悠久,1947年以西村電氣商會的名義創立,隨後業務逐漸擴展至全國及亞洲各國。截至2024年10月底,集團整體員工人數爲825名,國內子公司7家,境外子公司7家(泰國1家,中國2家,中國臺灣1家,菲律賓1家,越南1家,美國1家),國內據點18個。
關於股票,1991年6月在大阪證券交易所市場第二部(特別指定股票)上市。之後於2002年11月在東京證券交易所(以下簡稱東證)第二部上市,進一步在2017年11月指定轉爲東證第一部。目前已轉移至東證主板市場。
3. 業務內容
(1) 供應商和銷售體制
該公司是電線的綜合專業商社,在獨立型中屬於行業頂尖。供應商約有250家,在國內有包括中小企業在內的約400家電線製造商中,該公司從超過一半的製造商處採購。庫存商品項目數約爲5萬件,在國內的商品採購能力出衆。主要供應商是SWCC<5805>的銷售公司SFCC(株)和住電HST電纜(株)。
在銷售體系方面,國內設有18個分支和營業所,並在各分支和營業所設有物流中心,擁有200名銷售員工,開展全國性業務。此外,還在客戶附近設立加工品工廠(包括外包工廠),通過實施"需要的商品、需要的數量、在需要的時候送達"的準時配送體系及庫存管理能力作爲優勢。關於庫存水平,公司設定了"0.8個月以內"的嚴格內部規定,以應對銅市場的波動,始終保持適當的庫存水平。客戶包括約3700家電材銷售商及製造商、電氣工程公司等,最大客戶的營業收入構成比例約爲3%,前十家合計也約爲15%左右,表明對特定客戶的依賴度較低,特點是與廣泛客戶進行交易。
(2) 銷售渠道
該公司的銷售渠道分爲"直需"、"電材"和"電設"三個部分。
"直需"是指該公司直接向電力和機械製造業、自汽車相關企業等銷售的渠道。對於這些目標客戶,電線製造商也有可能直接銷售。
"電材"是針對電設材料銷售商的渠道。這些電設材料商會將產品銷售給電氣工程公司,並進一步銷售給上述電力和機械製造業、自汽車相關企業等。
"電設"是指該公司向一般電氣工程公司銷售的渠道。
在2024年10月期,各銷售渠道的比例爲:電材46.4%,直需26.3%,電設22.3%。
(3) 商品的構成比例
2024年10月期商品的營業收入構成比例(單體基礎)中,電力用電纜佔38.4%,爲最大,其次是設備用・通信用電線32.9%,通用塗覆線10.0%,其他電線5.1%,非電線13.6%。
從行業整體的構成比例來看,該公司的商品營業收入構成比例中設備用・通信用電線和電力用電纜的比例較高。這是因爲在行業總計中,交通用電線(主要是汽車用線束)所佔比例較高,而該公司並未涉足交通用電線。除去交通用電線,行業總計的構成比例中設備用・通信用電線約佔20%,電力用電纜約佔33%,其中電力用電纜與該公司相當,而設備用・通信用電線的構成比例卻高於該公司,這一點可以說是該公司的特點。
(4) 行業共享
在同公司的行業共享中,查看其參與的需求部門「施工・電售部門」時,約爲15%(該公司估計)。同行多數爲製造商系商社,獨立繫上市公司僅該公司一家。
在電線行業,當前電力電纜領域的價格競爭仍在繼續,對於從事該領域的獨立系商社而言,形勢依然嚴峻。沒有經營實力且缺乏可差異化商品的電線商社,正逐漸被大廠家系商社所吸收與整合。
(作者:日經FISCO客座分析師 寺島昇)