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メタが大規模な人員削減を計画中 数千人規模

 SNS(交流サイト)「Facebook」を運営する米メタ $メタ・プラットフォームズ (META.US)$ が大規模な人員削減を計画していると、米ウォール・ストリート・ジャーナルが11月6日に報じた。米国のテクノロジー業界は新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)時に急速な成長を遂げたが、ここ最近は人員を削減する動きが広がっている。そうした中でも最大規模のレイオフ(一時解雇)になる可能性があるという。
■ メタCEO「優先度の高い成長分野に投資集中」
 事情に詳しい関係者によれば、対象者は数千人に及ぶ見通し。早ければ米国時間11月9日にも発表されるという。メタは従業員に今週以降の不要不急の出張を取りやめるよう指示した。メタの18年の歴史で初めての大規模な人員削減になるとウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。
 メタの広報担当者はコメントを控えたものの、「少数の優先度の高い成長分野に投資を集中させる」としたマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)の最近の発言に言及した。
 ザッカーバーグCEOは22年7~9月期決算発表の電話会見で「一部のチームは有意義に成長するが、その他のほとんどは来年にかけて変わらないか、縮小する」とし、「全体として2023年末の組織規模は、現在とほぼ同じか、若干縮小する見通し」と述べていた。
■ 従業員数、前年比28%増の8.7万人
 メタも他のテクノロジー大手と同様にパンデミック時に人員を増やしてきた。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、メタの20年と21年の増員数は計2万7000人。22年は9月末までに1万5344人を新規採用した。メタの決算資料によると、22年9月末時点の世界従業員数は8万7314人で、1年前から28%増加した。
 メタの株価は22年に入ってこれまでに70%下落している。同社は景気減速が業績低迷の要因だと説明しているが、投資家は、コスト上昇と主力SNS事業の不振を懸念している。メタをはじめとする米国のSNS企業は中国発の動画アプリ「TikTok(ティックトック)」との競争激化に直面している。加えて、米アップルが導入したプライバシー保護を目的とする広告規制により、利用者絞り込み精度が低下し広告効果が低下した。
■ 赤字続きのメタバース事業
 ザッカーバーグCEOが「次のコンピューター基盤」と自信を持つメタバース関連事業「Reality Labs(リアリティー・ラボ)」は赤字続きだ。22年7~9月期の営業赤字は36億7200万ドル(約5400億円)で、前年同期の赤字額26億3100万ドル(約3900億円)から拡大した。
 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、21年初頭から現在まで同事業に投じられた費用は計150億ドル(約2兆2100億円)に上る。
 こうした中、「物言う株主」などからメタバース事業への投資を縮小し、人件費を削減するよう求める声が強まっていた。
 米テクノロジー大手では景気後退への懸念から人員を削減する動きが広がっている。11月2日には米アマゾン・ドット・コムがオフィス職の新規採用を数カ月間停止すると明らかにした。これに先立つ10月に同社は主力の小売部門でオフィス職の採用を年内凍結するとしていたが、この措置を他部門にも広げる。また、米起業家のイーロン・マスク氏が10月末に買収した米ツイッターは11月4日、全従業員の約半数を対象としたレイオフを実施した。
作者:JBpress
最終更新:11/8(火) 16:01
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