FRB、インフレ抑制とリセッション回避の両立を実現困難＝元FRB議長のバーナンキ & ブランシャール

元米連邦準備制度理事会（FRB）議長、ブルッキングス研究所の上級研究員のベン・バーナンキは、PIIEの上級研究員、経済学者のオリビエ・ブランシャールと、パンデミック期間中の米国のインフレーションの原因について、論文を発表した。

この論文はパンデミック期間中のインフレーションの源泉を分解し、「労働市場の緊張は初期段階ではインフレーションに対する貢献が大きくない」という結論を得った。この結論により、フィリップス曲線が平坦な状況下でインフレーションが急騰したことを説明できる。初期段階のインフレーションは主に財市場であり、一部のコモディティ価格や供給制限されている業界の商品価格の大幅な上昇である。その後、財市場の価格が安定し、供給チェーンが正常化されるにつれて、インフレーションの構成要素の中で財市場の重要性が低下し、労働市場はより主導的になる可能性があるという。

この論文により、今後について、労働市場の低迷が持続可能な水準を下回っているため、インフレは緩やかに上昇すると予想されている。FRBがインフレ率を目標水準に戻しながら景気減速を回避する可能性は低いという。