東京市場サマリー：日経平均反落　日銀、金利操作を修正　長期金利0.5%超え容認

市場概況
今日の東京株式市場で日経平均株価は前営業日比131.93円安の32759.23円、東証株価指数（TOPIX）が4.53ポイント安の2290.61で終了した。

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日銀、金利操作を修正　長期金利0.5%超え容認
日銀は28日に開いた金融政策決定会合で長短金利操作（イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正を決めた。長期金利の上限は0.5%を「めど」としたうえで、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることを容認する。国債の大量購入で金利を抑え込む政策運営を柔軟化し、市場のゆがみを和らげる狙いがある。

日銀、10年債を1%で無制限購入　大幅に水準引き上げ
日銀は28日午後、長期金利の指標となる新発10年債などを無制限に買い入れる「指し値オペ（公開市場操作）」を実施すると市場参加者に通知した。1.0%で新発10年物国債などを無制限に買い入れる。同日午前には0.5%で実施していたが、金融政策決定会合で水準の大幅引き上げを決めた。

日銀、物価見通し引き上げ　23年度2.5%上昇
日銀は28日の金融政策決定会合後に経済・物価情勢の展望（展望リポート）を公表した。消費者物価指数（生鮮食品を除く=コアCPI）の前年度比上昇率の見通しを2023年度は2.5%に上方修正した。24年度は1.9%、25年度が1.6%で、数値上は政府・日銀が物価安定の目標とする2%付近が続く見込み。企業がコスト高を価格に転嫁する動きが続く。

トヨタ、1〜6月の世界生産過去最高　販売は世界首位
$トヨタ自動車 (7203.JP)$が28日発表した2023年1〜6月のグループ世界生産台数（ダイハツ工業、 $日野自動車 (7205.JP)$含む）は前年同期と比べ10%増の562万台と過去最高を更新した。半導体不足の緩和に加え、北米やアジアで生産能力を増強したことが寄与した。世界販売は5%増の541万台と上半期として4年連続で世界首位を堅持することが確実になった。

トヨタ、KDDI株を一部売却　保有の2割2500億円
$トヨタ自動車 (7203.JP)$が保有する $KDDI (9433.JP)$株の一部を売却する方針を固めたことが28日、わかった。保有分の5分の1程度（約2500億円）を売却する見通し。トヨタはKDDIの大株主で、KDDI前身のひとつの日本移動通信（IDO）などに出資していた。資産効率の低い政策保有株を売却し、電気自動車（EV）など電動化シフトに資金を充てる。

半導体原料生産に200億円補助　経産省、JFEスチールなど
経済産業省は28日、半導体原料の生産設備などに最大200億円を補助すると発表した。JFEスチールや $岩谷産業 (8088.JP)$など7社を対象とする。半導体の原料となる希ガスの生産やヘリウムの備蓄などにかかる費用を支援する。国内での安定的な半導体生産に向け、原料の確保を後押しする。

関西電力、高浜原発1号機を午後に再稼働　長期運転へ
$関西電力 (9503.JP)$は28日午後、高浜原子力発電所（福井県高浜町）1号機を再稼働する。東日本大震災以降、運転を止めており、12年ぶりの稼働となる。高浜1号機は運転開始から48年が経過し、国内に残る原発としては最も古い。電力大手による原発の長期間運転が始まると印象づけることになりそうだ。

注目銘柄
三菱ＵＦＪは後場上げ幅拡大、日銀がＹＣＣ柔軟化・利回り１％での連日指し値オペ実施へ
$三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306.JP)$が後場に上げ幅を拡大した。日銀は２８日までに開いた金融政策決定会合で、長短金利操作（イールドカーブ・コントロール、ＹＣＣ）の運用を柔軟化すると発表した。長期金利の変動幅の上限はこれまでどおり「０．５％程度」をメドとするが、１０年物国債金利について、１．０％の利回りでの指し値オペを原則的に毎営業日実施する。

ヤクルト－後場急落　1Q営業益15％増もコンセンサス下回る
$ヤクルト本社 (2267.JP)$が後場急落。同社は28日14時、24.3期1Q（4-6月）の連結営業利益は170億円（前年同期比15.0％増）だったと発表した。市場コンセンサスは178億円。

デンソーが軟調、今期最終益予想の上方修正も市場予想を下回る
$デンソー (6902.JP)$が軟調。この日、２４年３月期の連結業績予想の上方修正を発表した。最終利益の見通しはこれまでの３８３０億円から４４４０億円（前期比４１．１％増）に引き上げた。あわせて１対４の株式分割の実施と、増配も発表したが、修正後の最終利益予想は市場のコンセンサスを下回った。足もとでは為替相場が急速に円高方向に振れているとあって、買い上がる姿勢は限られた。

ニデック－下げ幅縮小　西村経産相「産業用ロボット向け減速機の生産能力向上で400億円を支援」と伝わる
$ニデック (6594.JP)$が下げ幅縮小。ロイター通信は28日、西村康稔経済産業相が28日の閣議後の会見で、同社の産業用ロボット向け減速機の生産能力向上で400億円を支援すると述べたと報じた。

エムスリー－大幅安　日銀、YCC上限0.5％超え容認案を議論と報道　グロース株に売り
$エムスリー (2413.JP)$が大幅安。28日付けの日本経済新聞朝刊は、日銀がきょう開く金融政策決定会合で長短金利操作（イールドカーブ・コントロール、YCC）の修正案を議論すると報じた。