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Appleの決算を見る上で注目すべき4つのポイント

世界で最も時価総額が大きい企業であるAppleは、常にマーケット参加者の注目の的です!新しいApple製品のリリースとその売れ行き、ひいてはAppleの決算も、投資家にとっては見逃すことができないでしょう。Appleは2月1日のアフターマーケットで決算を発表しました。
現在、世界で最も大きな時価総額を有するAppleの決算報告書はどう読む?
Appleは米国株式市場で最大の時価総額を誇る安定した存在です。決算発表の結果は、短期的な株価には影響する可能性があります。しかし、Appleのような時価総額が大きい成熟した企業にとっては、長期的なトレンドへの影響はそこまで大きくないと認識されています。
したがって、長期的な観点からいくつかの重要ポイントに注意しながら結果を読み解いていくのが良さそうです。
1.収益の安定性
長期的な企業の発展の裏付けは、収益の安定性にあります。
まず、企業の収益の源は何であるかを明確にしたうえで、安定しているかどうかを注視する必要があります。収益が安定してさえいれば、全体としての業績も容易には悪くならないと考えられるため、株価の下支え要因となります。
売上構成を見ましょう。Appleの収益の源は、間違いなくiPhone部門であることは明らかです。
Appleの決算を見る上で注目すべき4つのポイント
総売上高の半分以上を占めているのはiPhone部門である
総売上高の約20%を占めるサービス部門も、ユーザーやアプリストアから派生している
ウェアラブル部門も、スマホ利用者に浸透している
iPhone部門の収益の安定性を評価するには、スマホ市場シェアの推移の傾向を見ます。
市場シェアが拡大し続ける場合、収益は増加していることを示します。逆に市場シェアが減少する場合、収益を揺らがせる何かが生じていることを意味します。
アプリ内のビジネスデータから、スマホ市場シェアの動向を確認できます。
各四半期での変化が大きいことが分かりますが、これはiPhoneの発売時期に関係していて、販売には季節変動があるためです。
Appleの決算を見る上で注目すべき4つのポイント
iPhone売上のかき入れ時である四半期を基準に比較すると、2019年Q4から2022年Q4までの間、スマホ市場シェアは19%から23%に増加し、継続的に良くなっています。
2023年第4四半期にCanalys(シンガポールに拠点を置く調査会社)のデータによると、アップルの市場シェアは約24%で、比較的安定した業績を維持しています。しかし、ファーウェイのハイエンドのスマホの復活と、シャオミの最新フラッグシップモデルの大ヒットにより、アップルの市場シェアには大きな影響が及ぶ可能性があります。今後も引き続き、アップルが市場シェアにおいて足場を固めることができるかを注目していく必要があります。
2.競争優位性から生じる総利益率(粗利率)の高さ
企業の長期的な競争力というのは、どの程度高い優位性を持っているのかによって決まります。競争優位性が高ければ高いほど、ビジネスを永続的に維持することが容易になります。
市場参加者の多くは、Appleは最も競争優位性が高い会社の1つであると認識しています。それは、自社開発の半導体における技術の優位性、ソフトウェアとハードウェアが一体化されたiOSエコシステム、工場を持たないファブレス経営から生じるものです。
企業の競争優位性は、決算報告書においては総利益率(粗利率)で見ることができます。
なぜなら、競争優位性が強いほど、顧客との交渉力も強く、総利益率(粗利率)も高くなるためです。
iPhoneを代表とするハードウェア事業の総利益率(粗利率)は、近年においては大方35%前後で推移しており、高利益率のソフトウェアサービスを加えた総利益率(粗利率)は約40%です。
Appleの決算を見る上で注目すべき4つのポイント
機関の統計によると、2022年にはiPhoneはスマホ市場の18%を占めており、なんと業界全体の85%をの営業利益を獲得していました。平たく言うと、非常に儲かっていたのです。
競争優位性の考察では、総利益率(粗利率)の水準を継続的に注視すると良いでしょう。
Appleにおいては、総利益率が40%前後、もしくはそれ以上に維持されている限り、粗利益は比較的安定していると言えるのではないでしょうか。そうでない場合は、粗利益が減少していると認識でき、株価的には売り圧力となってくる可能性があります。
アップルは、過去3つの四半期にわたって粗利率が44%を超え、わずかに上昇傾向を保っており、その競争優位が比較的安定していたと考えられます。我々は、アップルの最新の四半期の粗利率がこれまでのような高水準を維持できるかどうかを引き続き注目すべきです。
3.既存・新規の成長エンジン
Appleにとって、持続的な収益が「守り」であるとすれば、「攻め」は未来を見据えた成長です。
既存のハードウェア事業において、同社の成長ポテンシャルというのは比較的限定されています。例えば、iPhone部門では過去数年にわたって売上は安定を保っています。
しかし逆に言うと今後、1人で2台3台とスマホを持つことが主流にはなりそうもないようにiPhoneの売上がいきなり2倍になるということは考えづらいですよね。
Appleの決算を見る上で注目すべき4つのポイント
したがって、成長エンジンは主にサービス部門の売上によるものであると言えます。サービス部門の売上にはアプリストアからの手数料収入、Googleからの広告収入、定期購読サービス収入などが含まれます。
長期間にわたってサービス部門の売上は10%以上を維持しており、一時期は20%を超えていました。総売上高に占める比率も10%未満から、20%にまで増加してきたのです。
しかしながら、本年度のサービス部門の売上高成長率は著しく減速していました。Q1では前年同期比わずかに6.4%しか増加せず、さらにQ2では5.5%にまで落ち込みました。
しかし、2023財年の第3四半期から第4四半期にかけて、アップルのサービス事業の収益は前年比で伸びが鈍り、少し反発しそれぞれ8.2%、16.3%の増加率となりました。来る最新の四半期では、そのサービス事業の収益増加率が継続して安定し、少し上昇するかどうかが焦点となります。もし収益が減少傾向を続けるなら、株価に下落圧力を与えることになるでしょう。
Appleの決算を見る上で注目すべき4つのポイント
既存の成長エンジンに加えて、将来の成長期待は、新商品とその成長によってもたらされます。例えば、それらにはMR(複合現実)分野で2023年下半期新しく発売されたヘッドセット「Vision Pro」や、計画中のスマートカー事業が含まれます。
ただし、ヘッドセットは2024 年初頭になってから本格的に市場投入される予定であり、その出荷状況を見守り、新たな目玉商品となる可能性があるかどうかを見極める必要があります。また、スマートカーの大規模な商業化についてはまだ先行きが具体的には見えていません。このような新規の成長エンジンに関しては、今後も引き続き動向を見守る必要があります。
4.自社株買いと配当金
Appleの株主還元の姿勢は投資家にとって非常に魅力的です。銘柄選定の際は、業績、企業の競争力という点だけでなく、株主に対する還元度にも注目してください。株主還元の姿勢は、自社株の買いと配当をみることで測ることができます。
企業が自社株買いを行うことで、1株あたり利益(EPS)を増やすことができ、それはつまりROE(自己資本利益率)の向上につながります。ひいては、マーケットでの流動性をもたらすことになるのです。
このようなメリットから、自社株買いは株価の上昇に非常に積極的な役割を果たします。配当は、実際に稼ぎ出した利益を株主に分配することです。自社株買いと配当金の分配は、株主の投資に対するフィードバックの形態なのです。
決算報告書で自社株買いと配当について確認するには、キャッシュ・フローを見るのが最も簡単な方法です。
Appleのキャッシュ・フロー計算書の財務活動によるキャッシュ・フロー部分(現アプリ上では継続的投資活動によるキャッシュ・フロー)を見ると、年次での自社株買いの総額は高水準を維持しており、2023年度の自社株買いの額(買戻純額)は約7,755億ドルに達しています。過去5カ年にわたる会計年度で合計約4兆ドルの自社株買いを行い、米国株式市場で右に出るものはいないと言えます。
Appleの決算を見る上で注目すべき4つのポイント
配当に関しては、過去5年間においての年次配当額はわずかに上昇し、累計配当額は5年間で700億ドルを超えています。
Appleの決算を見る上で注目すべき4つのポイント
自社株買いと配当金の分配を継続的に行っているため、Appleの純資産は比較的低水準を維持していますが、ROEは非常に高く、2023年度では172.0%に達しました。
チャーリー・マンガー氏は、長期的に見て株式収益率は企業のROEと一致すると述べています。
高いROEは、投資家の魅力を高める要因の1つです。しかしこの背後には、継続的な自社株買いと配当金の分配が大きな役割を果たしていることがお分かりになるでしょう。
したがって、決算報告では、各四半期の自社株買いと配当の状況に注目することができるといえます。これらが安定して上昇傾向にある場合、株価にとっては好材料であり、ある程度の長期的なサポートとなり得ます。
Appleの決算書を見るポイントをまとめ
・収益の安定性はiPhone部門の収益と市場シェアの動向から見る
→収益と市場シェアが不安定になると、長期的な株価に悪影響を与えることになる
・競争優位性から生じる総利益率(粗利益)の高さは40%前後であるかを見る
→粗利益率に翳りが出てくると、株価に売り圧力がかかる可能性がある
・既存・新規の成長エンジンの動向を見る
→サービス事業の成長トレンドには不確定性があり、今後の成長エンジンであるMRビジネスとスマートカーの動向を注視
・自社株買いと配当金はどうなるかを見る
→決算発表時に自社株買いと増配があれば、株価的にはなお良しの好材料(Q4では大きな変化はなし)
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