週末の日銀会合の結果発表まで商い閑散が続くか
先週の振り返り
「金利上昇一服で金融株の利益確定が先行」
先週の $日経平均株価 (.N225.JP)$は、週間ベースで196.03円高(+0.51%)の38683.93円と小幅ながら上昇した。米雇用関連の指標が弱かったことで米金利引き下げ観測が再燃し、 $米国債10年 (US10Y.BD)$利回りが一時4.2%台まで低下したことで米国が上昇。 $エヌビディア (NVDA.US)$株の上昇でナスダック、 $S&P 500 Index (.SPX.US)$が史上最高値を更新したことも日本株の下支えとなった。一方、日本銀行による金融政策決定会合を13-14日に控えていることで、日銀による早期の金融政策正常化に対する思惑が先行し、債券市場は金利が上下に振れる展開に。週末は、日銀会合に対する警戒感が強まるなか、米雇用統計発表前というタイミングも加わったことから、プライム市場の売買代金は3.4兆円台に留まった。
なお、年初来高値更新の可能性があった $TOPIX (.TOPIX.JP)$は、 $トヨタ自動車 (7203.JP)$や $本田技研工業 (7267.JP)$が、型式認証試験不正問題で下落。金利上昇も一服して金融株が利益確定の流れを強めたこともあり、TOPIXの上値も重くなった。
今週の見通し
「米国金利はFOMC通過で落ち着くが・・・」
先週の $日経平均株価 (.N225.JP)$の週間値幅は688円と狭いレンジ推移となり、25日移動平均線が位置する38600円水準を中心としたもみ合い相場となった。今週は週末の日銀金融政策決定会合のほか、11-12日に米連邦準備制度理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催することから、日米中銀会合の結果を睨み、積極的な売買は手掛けにくいだろう。FOMCの結果発表及びパウエルFRB議長の記者会見は、東京時間13日未明に公表されるが、今回は「7会合連続で政策金利は据え置き」「ドットチャート(政策金利水準の分布図)は、2024年の利下げ回数が3回から2回に修正」が市場コンセンサスとなっている。3月時点に発表されたドットチャートでは、24年から26年の利下げ回数は各3回が見込まれていたことで、今会合にて24年が修正されることによって、25年、26年の利下げ回数に変化が出るかは注目だ。もっとも、25年以降の見通しはデータ次第で変更する可能性が高いことから、さほど重要な注目点ではないと考える。記者会見では、パウエルFRB議長が、「政策判断はデータ次第」といった基本姿勢を示すと見られることから、経済指標に一喜一憂して上下にふれていた米債券市場は、FOMC通過によって落ち着くと見る。
「週末の日銀会合まで方向感に乏しい地合いに」
日銀金融政策決定会合では、長期国債の買入減額について、より具体的な方針を示すことの是非を含めて検討するといった関係者の話が既に伝わっていることから、国債買入減額に関する何かしらの発表が行われるだろう。一方、追加の利上げ実施に関しては、5月末の大手金融機関幹部による発言によって、「7月利上げ観測」が強まり、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは5月30日に1.100%まで上昇した。現在は1.0%台を割り込んでいるが、日銀金融政策決定会合が目前に控え、債券市場は思惑が強まりやすいことから、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りの動向には注意したい。株式市場は金利動向をにらんだ展開が週末まで続き、積極的な売買は手控えられることから日経平均及びTOPIXの方向感は引き続き乏しくなるだろう。
今週の注目銘柄
大型株の方向性に乏しい状況下、値動きの激しい銘柄には関心が向かいやすい地合いとなりそうだ。空売りファンドのレポートによって急落したが、会社側が反論したことで下げ渋っている。4月安値や200日移動平均線をサポートにリバウンド優勢の地合いを想定したい。
新規公開による買い一巡後は急落し、先週末は一時1000円を割り込んだ。直近IPO銘柄のため、業績云々よりも需給的な投資となってしまうが、日米中銀ウィークで大型株が手掛けにくい状況下、同社には個人投資家を中心とした関心が向かいやすいと推測する。乱高下の可能性は大きいが短期投資には面白いと考える。
14日にRNA制御ストレスを標的とするがん治療薬の開発等を手掛けるChordia Therapeutics<190A>が上場することで、バイオ関連銘柄の一角が動意付く可能性はある。同社はクオリプス<4894>が急動意したことで、既に関心が高まっていることから短期的な順張り投資を意識したい。
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