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海外勢はトヨタに逆張り!認証不正で2割急落 業績への影響や株価水準をチェック

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ビットバレー投資家 コラムを発表しました · 06/19 02:41
$トヨタ自動車 (7203.JP)$が下げ止まらない。認証試験を巡る不正発覚が重石となり、株価は年初来高値から2割下落した。下値模索中のトヨタ株に逆張りのチャンスはあるのか認証不正による業績への影響や株価バリュエーション面から点検する。アナリストたちによる目標株価修正に加え、海外投資家の売買動向も併せてチェックする。

● 認証不正で株価は高値から2割下落
トヨタグループでは $日野自動車 (7205.JP)$ $豊田自動織機 (6201.JP)$、ダイハツ工業などが量産に必要な認証「型式指定」で不正が相次いで発覚した。6月3日はトヨタ本体も認証試験で不適切な行為が見つかったことが判明。同社は不正が見つかった3車種について3日より出荷・販売を停止し、6月6日から生産を停止(28日まで)すると発表した。6月17日には生産停止が7月末まで継続することが明らかになり、株価は一段と下落した。6月18日以降は小反発。6月18日の株主総会無事イベント通過となった。ただ、豊田章男・会長の取締役選任賛成率は71.93%に低下した。
株価の現在地を確認してみると、昨年秋ごろから今年初にかけてのレンジの上限に近づいている。当時の上値抵抗線が今回は下値支持線と意識される可能性がある。3000円の大台も心理的節目となりそうだ。
海外勢はトヨタに逆張り!認証不正で2割急落 業績への影響や株価水準をチェック
● そもそも今回の認証不正は?
トヨタは量産に必要な認証「型式指定」申請に関して、1月26日に国土交通省から実態調査の指示を受け、調査を進めてきた。6月3日に、「2014年以降、すでに生産を終了しているものも含め、7車種において、国が定めた基準とは異なる方法で試験を実施していたことが判明した」と発表。具体的には、6つの事案で国が定めた方法と異なる試験を実施。うち3つは国より厳しい条件で試験を実施したが、それも「認証不正」に当たる。

トヨタは今回の認証不正≒性能に問題ありという認識につながることを防ぐためか、「社内での徹底的な検証で法規に定められている性能に問題がないことを確認しており、ドライバーが使用を控える必要はない」とした。「トヨタイムズ」6月号(6月7日)では、「今対象の車に乗っていらっしゃる皆様は安心して乗り続けていいということで宜しいでしょうか?」との質問に対し、豊田会長は「まったく安全安心ですので、ご安心いただきたいと思います。ただ、当局のOKをいただくまで生産は止まりますので、これからその車を使われる方にはご不便をおかけしますし、お待ちいただくことにはなると思います」と答えた。
● 認証不正による業績への影響会社予想(5月8日決算発表時)
トヨタは5月8日の決算発表で、25年3月期の連結販売台数について前期比0.6%増の950万台、うち日本は6.2%減の187万台を見込むとした。日本の減少は主にダイハツ工業の影響(子会社の認証不正による出荷停止の影響)と説明。営業利益見通しは19.7%減の4兆3000億円で、市場予想(Bloomberg集計)の5兆3424億円を大幅に下回った 2割の営業減益について、かなり保守的なガイダンスだと指摘する声は少なくない。

もっとも、トヨタだけでなく日本企業は総じて保守的な予想を示す傾向がある。たとえばトヨタの場合、24年3月期の営業利益予想が当初は3兆円だったのに対し、その後は上方修正され、実績は5兆3529億円で着地した。半導体不足の緩和に伴う生産回復や円安が追い風となった。販売については、ダイハツ工業や豊田自動織機の出荷停止の影響があった日本を除き販売台数は増加した。
● アナリストたちの見方(トヨタ本体に認証不正が発覚した6月3日以降)
Bloombergによると、認証不正によるトヨタの販売や収益への影響は限定的とみるアナリストが多いようだ。一部アナリストは、昨年出荷を停止した影響は世界販売のわずか1%から2%にとどまったと指摘。CFRAリサーチのアナリストは、「最近のスキャンダルは小さな打撃にとどまるだろう」、「根本的な問題ではない」とコメントした。大手証券会社は、「販売面の優位性は変わらず、足場固めからの正常化も今後の焦点」とし、買い推奨を維持した。
● 目標株価の変化(6月3日以降)
トヨタ本体に認証不正が発覚した6月3日以降、アナリストたちによる目標株価の下方修正が目立った。ただ、下方修正率は2.5%にとどまっている。それに対し、株価は同期間で10%以上下落したため、目標株価との乖離は拡大している。平均目標株価と比較した際、株価は21%の上昇余地(6月19日時点)を示唆している。
海外勢はトヨタに逆張り!認証不正で2割急落 業績への影響や株価水準をチェック
● 株価バリュエーション(6月19日時点)
トヨタ株のPBR(株価純資産倍率)は1.2倍過去10年平均の1.1倍よりやや高いが、予想PER(株価収益率)は9.1倍で、過去10平均の10.2倍を下回っている
海外勢はトヨタに逆張り!認証不正で2割急落 業績への影響や株価水準をチェック
● 海外投資家の売買動向
Bloomberg端末で海外機関投資家の売買動向を確認してみると、トヨタが2割営業減益の見通しを示した後、5月は売り優勢だった。6月3日にトヨタ本体に認証不正が発覚し、株価が一段と下落した際は積極的な売買はみられなかった。
しかし、6月中旬以降からは取引が活発になり、6月17日~18日は買い優勢に転じた。一部ファンドはポジションを減らしたが、世界大手ファンド数社はトヨタ株を買い増した。ファンド数では、ポジションを増やしたファンドが圧倒的に多かった。新規にポジションを構築したファンドも数社いた。なお、これはあくまでBloomberg端末だけの集計によるもので、すべてを網羅しているわけではない。ただ、Bloomberg端末経由で取引している機関投資家は多いため、ある程度、海外機関投資家の売買動向を示していると言えよう。つまり、海外機関投資家は足元でトヨタ株を買っているようだ
まとめ
総合的にみると、認証不正をめぐる動向には留意する必要があるが、保守的なガイダンスからの上振れ余地過去平均近辺での株価水準(PERでは割安感)を鑑みると、 $トヨタ自動車 (7203.JP)$足元で投資妙味が増していると言えそうだ

24年6月19日作成 マーケットアナリスト Amelia
出所:会社資料およびBloombergよりmoomoo証券作成
免責事項:このコンテンツは、Moomoo Technologies Incが情報交換及び教育目的でのみ提供するものです。 さらに詳しい情報
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