半導体進化のカギ「チップレット技術」で注目の３銘柄！　勢力図一変の可能性も？

半導体の微細化が限界に達しつつある中、一つのチップの中に多くの機能を詰め込むのではなく、複数の小さな半導体チップを接続して動作させるチップレット集積化技術が注目されている。一つのチップの面積を小さくすることで不良品率が改善されるという利点から同技術が業界勢力図を一変させる可能性があるとの見方もある。世界的には米 $インテル (INTC.US)$やグーグル、 $マイクロソフト (MSFT.US)$など10社がチップレット技術に関して連携。日本では、東京工業大や民間企業数十社などが参加する「チップレット集積プラットフォーム・コンソーシアム」が22年に立ち上がっている。

上記コンソーシアム参加の上場企業で買いの勢いが最も強いのはアオイ電子（10日時点RSI：パラメーター14日による）
◆ $アオイ電子 (6832.JP)$
香川県高松市の独立系電子部品メーカー。東証スタンダード市場上場。半導体集積回路組み立て、検査受託が主力。高い技術力を持ち、海外企業からの買収を免れている日本最後の半導体後工程事業者とされる。中国経済低迷の影響で24年3月期連結純損益は９億3000万円の赤字見通し。23年12月中旬、資産運用大手シュローダー・インベストメント・マネジメントが同社株式保有割合を5.18％から6.50％に増やしたことや、同月21日に主要閣僚や官民の代表者を集めて開催された「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」で岸田首相がアオイ電子の半導体投資について言及したことで、株価が急騰した。

上記コンソーシアムには参加していないがソシオネクストとTOWAも自己資本利益率（ROE）の高さなどで市場の注目度は高い
・ファブレス半導体設計の $ソシオネクスト (6526.JP)$は、半導体受託生産最大手 $台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング (TSM.US)$の最先端CPU（中央演算処理装置）チップレットの開発においてTSMC、英 $アーム・ホールディングス (ARM.US)$の両社と協業すると発表、25年上期のサンプル提供を目指している。アナリストらの平均目標株価は3233.33円。株価は昨年春先から急上昇していたが、IPO後のロックアップ期間が終了したタイミングで大株主だった $富士通 (6702.JP)$や $パナソニックホールディングス (6752.JP)$などが売却に動き、下落基調が続いていた。

・半導体製造装置を手がける $TOWA (6315.JP)$は、チップレット集積で使われるモールディング（樹脂封止）装置で世界シェア7割を握る。株価は上昇トレンドを維持している。パソコンやスマーフォン向け製品が振るわず24年3月期連結業績は減収減益を見込む。アナリストらの平均目標株価は7650.00円。