AIが原発動かす！電力需要拡大が浮き彫り、注目すべき「原発」関連株は？

20日、米電力会社 $コンステレーション・エナジー (CEG.US)$は、 $マイクロソフト (MSFT.US)$のデータセンターに電力を供給する契約を結んだと発表した。これに伴い、米国史上最悪の原発事故が発生したペンシルベニア州スリーマイル島の原子力発電所が再稼働することになった。この契約に基づき、マイクロソフトは今後20年間にわたって再開された発電所から電力を購入し、データセンターをカーボンフリー・エネルギーでサポートすることになる。

この計画は、AIデータセンターの膨大な電力需要や24時間稼働するカーボンフリー電力源へのハイテク業界の関心を浮き彫りにしている。「今回の合意は、クリーンで信頼できるエネルギー資源としての原子力発電見直しの最も強力な兆し」と、コンステレーション社のジョー・ドミンゲスCEOは語った。

原子力発電がAIブームの恩恵を受ける
利下げの他、今年の米株高を支えてきたのが人工知能（AI）ブーム。ハイテク大手が人工知能の激しい競争で優位性を守るために資本支出を増やす中、データセンターによる膨大な電力需要が送電網を圧迫している。さらに、電気自動車や製造業の電動化プロセス、暗号通貨のマイニングも電力需要の増加に寄与している。国際エネルギー機関（IEA）は、データセンター、人工知能（AI）、暗号通貨分野による電力消費は、2026年までに倍増すると予測している。

コンステレーション・エナジー社は、再生エネルギーなどの台頭で5年前に運転を停止していたスリーマイル島原発1号機の再稼働を計画している。原子力発電は温室効果ガスを排出せず、カーボン削減を目指す国際気候変動対策と一致しており、太陽光や風力ほど天候に左右されないため、AI時代の電力供給の理想的な選択肢として復活している。

ハイテク大手による原子力発電進出
注目すべきは、ハイテク大手がデータセンターなど同社のさまざまな事業で消費される電力をすべて、自社で投資したカーボンフリーの新エネルギー源を使用すると相次いで表明した。このうち原子力発電が大きな割合を占めている。

マイクロソフトは今年初、人工知能によるクラウドコンピューティング需要の急増により、同社のカーボンニュートラル目標が危機に瀕していると述べた。マイクロソフトは、6月30日に終了した会計年度に500億ドル以上の資本支出を行ったが、そのほとんどはデータセンターの拡張であり、今年度はさらにその額を上回る投資を行う予定だ。

今年3月、アマゾン・ウェブ・サービスは6億5000万ドルを投じて、ペンシルベニア州の $タレン・エナジー (TLN.US)$社傘下の原子力データセンター・キャンパスを買収した。その一環として、タレン・エナジー社はアマゾンと10年間の電力購入契約を結び、サスケハナ原子力発電所を通じてアマゾンに電力を供給することになる。

$オラクル (ORCL.US)$は9月、3基の小型原子炉から電力を供給する1ギガワット以上の電力を必要とするデータセンターを設計していると発表した。また、原子力エネルギーの新興企業 $オクロ (OKLO.US)$も、2027年までに最初の原子炉を立ち上げる予定だ。

ゴールドマン・サックスによると、2030年までに米国のデータセンターによる電力消費の割合が現在の3％から8％に増加する見込み。

注目すべき「原発」関連株は？
$コンステレーション・エナジー (CEG.US)$は米国最大のカーボンフリーエネルギー（原子力、水力、風力、太陽光）の生産者として、発電容量のうち90％がカーボンニュートラル。同社は、原子力発電所の再稼働で注目を集め、先週金曜日に22％の大幅高でセクターをリードし、上場来高値を更新した。第2四半期決算発表時に、24年度の1株当たり利益ガイダンスを7.23～8.03ドルのレンジから7.60～8.40ドルに上方修正し、中間値は市場予想の7.81ドルを上回った。原子炉の再稼働には多額の資本が投入され、原発の新規運転に不可欠な規制当局の許認可はまだ提出されていないことは注目に値する。

商業用原子力発電産業に核燃料とサービスを提供する企業の $セントラス・エナジー クラスA (LEU.US)$。同社は商業用および政府用に濃縮ウランを生産し、低濃縮ウラン（LEU）部門を通じて原子力発電所を運営する公益事業者向けにSWU（分離作業ユニット）部品および天然ウラン部品を販売している。

世界最大級のウラン鉱山会社の $カメコ (CCJ.US)$。世界中の原子力発電所にウランを供給する。米国とカナダに位置する鉱山を通じて世界ウラン生産量の約18％を支配している。事業はウラン採掘部門と燃料サービス部門に分かれ、ウラン探査・採掘から核燃料加工まで幅広いサービスを提供している。