ぴるさん
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〈分析レポート〉年末最後に「ダウ理論」を用いて現状と今後の展望を整理しましょう
寒さが一層厳しくなってきた今日この頃、眠れぬ夜をお過ごしで所でしょうか?どうもこんにちわ、ぴるさんです。私は12/26に仕事納めとなり、現在は積みゲーを消化している日々を過ごしております。
さて、今月の仮想通貨市場は大きく動きました。とくに「12/5の韓国戒厳令による急下落」「12/20のFOMC政策金利見通し転換による下落トレンド発生」などは印象的な出来事だったかと思います。そういう状況だからこそ「もうバブル崩壊じゃねw」「これから恐慌レベルの下落が来ます。間に合わないうちに売却しましょう」「10万→2万ドルまで落ちるでしょう(こちらは誤植だったとのこと...。タチが悪い)」などの不安をあおるような内容がSNSなどで散見されます。 しかし、はたして本当にここまで状況は悪いのでしょうか?そこで今回は今月の流れを「ダウ理論」を用いて状況整理し、「どこまで下落するのか?」「底打ち地点はどこか?」という点を探っていこうと思います。これを見て皆様の考察の一助としていただけるなら幸いでございます。(あくまで私個人の見解ですので鵜吞みにされないよう)
下記の内容は日足でのBitcoinチャートとなります。チャート分析は以下の通りです。
108000ドルの最高値から下落。一時上昇余地があったものの、フィボナッチ38%地点(10万ドル付近)のレジスタンスラインに跳ね返されてヘッドアンドショルダー形成。現在はネックラインを安値で切り下げる。
108000ドルの最高値から短期/中期移動平均線のゴールデンクロス発生するも、すぐ横這い→下落しデッドクロス発生。12/24の上昇も出来高自体は切り下げて推移している点から強気のダイバージェンスがみられる。
108000ドルの最高値から70→50まで下落。その後も45~50付近を推移する。12/24の上昇もRSI自体は横這い気味である点から強気のダイバージェンスがみられる。
以上がチャート分析結果となります。現状としては、「中期上昇トレンド→短期下落トレンド」とトレンド転換したというのが私の見解であります。
では、具体的にどのあたりから上昇→下落トレンドしたのでしょうか?その点について、「ダウ理論」を用いて一つ一つ紐解いていきましょう。
まずダウ理論について簡単に説明します。ダウ理論とは「米国の証券アナリスト兼ジャーナリストであるチャールズ・ヘンリー・ダウによって考案された、相場を分析する理論。相場の値動きの特徴を「6つの基本法則」で説明しており、株式投資やFX取引など、あらゆる市場の分析で用いられる」となります。
今回はこの「6つの基本法則」をもちいて現状を整理していきます。
「市場価格の形成(需要と供給)に影響を与えるあらゆる要因は、平均価格に反映される(織り込まれる)という考え方」となります。この考え方の特徴的な点は「ファンダメンタル要素」といった実際の出来事をチャートが反映していくという点にあります。いわゆる「ウォール街はすべてを知っている(市場効率化仮説)」という物です。 では、今月の動きと照らし合わせていきましょう。注目していただきたいのは、12/17~20のチャートです。12/17「FOMCタカ派利下げ推移(インフレ懸念)・パウエル氏の戦略備蓄否定」による失望売りがありました。しかし連日して下落が続くも、PCEデフレータ発表(市場諸相下振れ)により市場は反発し、「下髭の長い陽線」をつけ終わっています。
これらの結果から今回の下落事象を起こしたテーマは「インフレ懸念」となってると思われます。パウエル氏の戦略備蓄否定も一部下落加速を促したように思えますが、パウエル氏はあくまで「FRBの管轄だけでは決めきれない」という意味合いの発言のため、決定打のある事象とは言えないでしょう。
黄色「FOMCタカ派利下げ推移・戦略備蓄否定」オレンジ「PCEデフレータ発表によるインフレ再燃一部払拭」 ダウ理論は上昇トレンド/下落トレンドについて、明確な定義付けをしました。ここで注目してほしい点は「トレンドの定義としては、高値および安値(方向性を持った推移の中の山と谷)にある点」にあります。端的に言うと「チャートの動きに連続した方向性(上昇or下落)があるか」ということです。
ここでは12/5~11の赤枠チャートを見ていきましょう。12/5の「韓国戒厳令」が発生した影響で一時9万ドルを割り込むも、その日のうちに戒厳令解除により上昇→下落トレンド転換ならずチャートは切り上げて上昇して行きました。また、12/9で「先物市場10億ドル以上の清算」で一時下落するものの、12/11のCPI発表より「FOMC利下げ無難(fedウォッチ利下げ確率上昇)」という結果となり、ダブルボトムをつけチャートは切り上げ上昇して行きました。一方で緑枠チャートについては第1法則で述べた通り「FOMCの来年の政策金利推移の減少」によりチャートは切りさげて下落して行きました。
12/24の急騰が一時ありましたが、現状は再び安値を切り下げていく展開となり、トレンド継続となりうると思われます。
オレンジ「第1次段階」青「第2段階」紫「第3段階」 第1段階では、先行型の投資家による買いが主で、チャートは動意づくもののあまり動きません(米国大統領選挙:ハリス支持率低迷→トランプ勝利)。続く第2段階では、チャート上昇や景気改善が見られ、多数の投資家が追随して買い始めます。(仮想通貨市場改善方向へ:SEC委員長解任現実化、次期政権人事について仮想通貨肯定派)。そして第3段階では、報道での扱いが大きくなり、出来高も増え、一般投資家や初心者の参入も増えていきます(著名人/大物投資家仮想通貨推奨:ブラックロック,レイダリオ仮想通貨推奨)。
〈第4法則:平均は相互に確認されなければならない〉
ダウ理論は初期段階において、工業株価平均と鉄道株価平均で構成されていました。当時、両者はばらばらな動き方を示すものと認識されており、それらが同じ方向性を示さない限り、本格的な上昇トレンド/下落トレンドとはいえないと考えたのです。これを応用して、現代では複数の市場(あるいは銘柄)で相関性を確認する必要があるとされています。
VIX:一時危険境域まで急騰するものの、徐々に切り下げていく。しかし16付近と要注意領域で推移する。 Fear&greed indicator:greed→中立寄りのgreedまで下落 ここでは市場全体の恐怖をテーマとし「VIX(SP500恐怖指数)」と「Fear and greed indicator(ビットコイン恐怖&欲望指標)」を用いて行きます。まず、VIXについて12/19の「来年のFOMC政策金利推移」を受け16→28と危険領域まで上昇。しかし、PCEデフレータなどの指標やサンタラリーを受けか徐々に切り下げていきます。Fear&greed indicatorについても同様で「67(12/20)→63(12/27)→54(12/28)」と切り下げていくように推移しています。以上のことから、両者ともに現在は中立寄りではあるものの恐怖にいつ触れてもおかしくない状況となっております。
〈第5法則:トレンドは出来高でも確認されなければならない〉
ダウ理論はシグナルを判断するための重要な要素として、出来高を挙げています。長期トレンドが上昇であれば、出来高は価格の上昇に伴って増加し、調整局面では減少します。これは「出来高増加=実需のある価値の上昇」と考えられるでしょう。
黄「出来高・RSIともに高水準で推移」青「出来高下落/RSI急落のち横這いで推移」 「1)現在のチャート状況」で説明したので詳細は省きますが、上昇トレンド時(白丸)は出来高・RSIともに高水準で推移している一方で、下落トレンド時(青丸)は出来高下落/RSI急落のち横這いで推移しております。今は年末ということもありますが、今後の上昇余地を探る場合は出来高・RSIの転換示唆を見極めることが重要かと思われます。
〈第6法則:トレンドは明確なトレンドシグナルが出るまで継続する〉
ダウ理論の中でも最も重要な法則となります。正直これだけ見てれば十分ですね(笑)。それは「一度、上昇または下落トレンドが開始すると、その動きは継続する性質がある」という点です。今日ではトレンドフォロー(順張り)の売買戦略が王道とされていますが、その優位性の拠り所となるのがこの法則です。そして、明白な転換シグナルが発生するまでトレンドは継続し、高値および安値の切り上げ/切り下げというトレンドの定義が崩れたときが転換シグナルになると考えます。
赤丸「PCEデフレータ発表により黄色丸の終値を超えているが、その後上昇続かず」 上記の赤丸に注目していただきたいです。結論からいうと「上昇→下落トレンド転換になったタイミング」といえるでしょう。皆様もお察しかと思いますが、今回の転換シグナルが出た事象について「インフレ懸念増加によるFOMCのタカ派姿勢」が大きな要因となります。その後の展開について「12/20のPCEデフレータ発表」から終値で黄色丸を反発して一時上昇できていましたが、それ以降の展開で売りの出来高が増加してしまい最終的にトレンド転換してしまいました。
ここで重要なのは「FOMCタカ派姿勢>PCEデフレータ発表」であったと思われます。つまり、「FOMCタカ派姿勢<トレンド転換事象X」が起きるまでは下落トレンドは続くということです。これは仮想通貨にかかわらず、米国株・米国債券ともに言えるトレンド内容であるといえるでしょう。今後の展開について直近のチャートからみても再度安値を終値ベースで更新しているため、「短期→中期下落トレンドへ移行」しているともとれるでしょう。
「2)ダウ理論を用いた状況整理」の結果から「FOMCタカ派姿勢<トレンド転換事象Xが発生するまで下落トレンドが続く」「短期→中期下落トレンドに移行」していくと私は考えています。もちろん1/2以降の機関投資家が市場に戻ってくる場合でも同じことが言えます。
では一体どれくらいの下落幅となるでしょう?結論として私は「85000~80000ドル付近」まで下落するのではないかと思われます。理由は以下の通りです。
11月終盤の急騰後についてエリオット波動による推進波5波まで確認済み。修正波についても12/24の上昇により修正2波を確認済み。ダウ理論を絡めても、「中期→長期下落トレンド延長」にならない限り、紫丸(91000ドル)・青丸(85000ドル)で修正波は止まるのではないかと思われる。
エリオット波動:第2修正波確認済み。トレンド延長がない限りは青地点で止まる見込み 〈チャートパターン:ヘッドアンドショルダーによる下落幅見込み〉
「1)現在のチャート状況」より、現在ヘッドアンドショルダーのネックラインを終値ベースで切り下げている状況。ヘッドアンドショルダーの下落見込みとして「最高値:110000ドル付近」「ネックライン:95000付近」と仮定する。上昇分の全値戻し分「110000ー95000=15000ドル」が現在のネックラインから最大幅80000ドルまで下落する余地は大いにあり。なお、8~11月のチャートでは逆三尊をつけており、この時は52000から76000程一気に上昇している点から信憑性は高いと思われる。
8~11月のチャート:逆三尊をつけており、この時は52000から76000程一気に上昇している 4)まとめ(分析は以上ですのでこちらは読み飛ばしてもらって問題ないです)
以上が私の分析レポートとなります。もちろん私の分析自体間違っている可能性がありますので、参考程度にしていただけると幸いです。
さて、ここまで分析してきましたが、私自身はそこまで心配しておりません。下落自体はいやですが(笑)。なぜなら、今回の下落要因は「インフレ懸念」のみだと思われるからです(戦略備蓄案否定もありますが、そこまで気にしなくてもよいのではと思っています)。もちろんこれ自体は大きな問題であるとは思います。しかし一度振り返ってみてください。私たちは「中東・ウクライナ戦争拡大懸念」「米国大統領選挙のハリス台頭」「失業率増加によるリセッション懸念(今もないとは言えないですが...)」という大きな壁を何度も超えてきたではありませんか?そこまで皆さんは耐えてきたのにここであきらめるのですか?私はあきらめたくないし、事実問題ないと思います。これからも「もうビットコインは終わりなのに、そんなに必死になってんのw」「仮想通貨業界は終了です。今逃げないと恐ろしいことが起こりますよ...」という色々な情報が出てくると思います。そんな時こそ、「感情に流されず、情報分析する」が大事です。
これで本当に最後です。私はトランプ政権誕生が楽しみです。ではよい年末を!!
免責事項:このコミュニティは、Moomoo Technologies Inc.が教育目的でのみ提供するものです。
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ぴるさん スレ主 : 久しぶりにこれだけ長いレポートを書きましたw
年末年始は私自身暇なので、分析してほしい何かがあればぜひお声掛けいただけると嬉しいです♪
わさピーフ : 大変分かりやすかったです!とても勉強になりますこのような細やかな分析を共有して頂き、感謝感謝です
ぴるさん スレ主 わさピーフ : 全然ですよ♪
なんか最近悲観的なムードと楽観的な上昇期待が入り混じっててカオスな状況だったので、細かい分析がしたくなっただけですので
わさピーフ ぴるさん スレ主 : ありがとうございます勉強させてもらいます!
llllllllllllllllllll : 素晴らしい解説です
トレンドは短期、中期、長期の3つがあり
ファンダメンタルズでは分からないことを。相場の動向をテクニカルで分析するのは賢い戦略方法。シナリオをいくつか想定して、精度を上げたい時にも役立つ
100%は難しいけれど100%に近づけることは不可能ではない(工夫次第)
ぴるさん スレ主 llllllllllllllllllll : ありがとうございます
こんな拙い分析をここまで褒めてくれるなんて
tena0623 : 非常に分かりやすく、またそれを公表いただき感謝です️
もしご見解があればご教示いただきたいのですが、ビットコインとコインベースやマイニング株との関連性の時差です。基本的にビットコインの価格に連動している認識ですが、必ずしもそうとは言えない動きをし、ビットコインを一つの指標程度としています。
ぴるさんはいわゆる関連株もビットコインが日足で転換期を迎えるまで下落可能性が高いと想定されますでしょうか
お時間がありましたら、よろしくお願いいたします
ぴるさん スレ主 : 関連株(マイニング系/ビットコイン備蓄)とビットコインは確かに関連性はあるとは思います。ただしその個別の会社でも財務状況や他の事業展開(転換社債発行やビットコイン備蓄)などを考慮するという前提は持っていつ必要はあると思いますね
それこそダウ理論第4法則の通りなのかなと考えます
そういう意味ではビットコインと一緒に転換期を迎える確率は高いけど、確実性はないですね(相関性が高い程度に思っておいた方がいいかも?)
J_M_RIN : ありがとうございます 久しぶりにぴるぴるさんの解析を見れて良かったです、気持ち悪さを感じていたので色々参考にして練り直します
ぴるさん スレ主 J_M_RIN : やっぱり今の状況はちょっと気持ち悪いですよねw
まあ引き続き注視し続けるだけですね!
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