以前は、Cortex-M52で提供されている性能を得るためには、CPU、Dedicated Signal Processor、NPUを組み合わせる必要があった。しかし、これにより、開発者は、3つの異なるツールチェーン、3つのコンパイラ、3つのデバッガなどを使用して、そのツールとの互換性を確認し、コードをデバッグおよび調整する必要があった。つまり、3倍の労力が必要となった。
しかし、Cortex-M52は、CPUとDSPおよびNPUの機能を直接統合しており、開発者は、AIoTデバイスを構築するための単一のツールチェーンとアーキテクチャを使用することができる。
Armによると、Cortex-M52の性能向上は、Arm Heliumテクノロジーによるものであり、小型で低消費電力のデバイスのDSP速度を向上させるためのものである。これまでにネットワークエッジにおける製品に統合されてきたこのテクノロジーをCortex-M52に埋め込むことで、Armはより消費電力が制限されたデバイスにもこの高性能を提供できると言っている。
AIoTオペレーションをすでに実行している企業は、Armの旧世代Cortex-M33やCortex-M4チップから簡単に移行することができ、それによって、自動車や産業制御、予知保守、ウェアラブルセンサーフュージョンなどのアプリケーションで、豊富なAIによる音声やビジョンの経験を得ることができる。