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アーム(ARM)、好業績で株価反転?AIデータセンター市場で存在感示すか 【決算プレビュー】

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moomooニュース米国株 コラムを発表しました · 5 時間前
$アーム・ホールディングス(ARM.US)$7月31日引け後(現地時間)に決算発表を行う予定
株価は高値から2割下落しており、好決算なら株価反転のきっかけになる可能性。注目ポイントは
 1)業績回復が続くかどうか、実績よりガイダンスに注目
 2)主力のスマホ市場は回復の兆し、同社のロイヤリティ収入にポジティブ、AIスマホで買い替えサイクル加速なら追い風
 3)今後の成長分野であるデータセンターやAIパソコン市場で進展あるかどうか
決算発表直後は株価変動リスクも、中長期は業績見通しが重要、短期はAI相場の動向も影響か
1)業績回復続くかどうか、実績よりガイダンスに注目
今回の決算ではまず、1Q実績が会社側の事前ガイダンスや市場予想通りに業績回復が示されるか注目される。アームは2023年9月に上場して以来、売上高と調整後EPS(1株当たり利益)は3四半期連続で市場予想を上回った。次はガイダンスに注目。株価は過去よりこれからの業績に対する期待を反映するため、実績もさることながら今後のガイダンスがより重要となろう。

◇25年3月期4-6月期(1Q)の会社側の事前ガイダンス
・売上高:8.75億~9.25億ドル
(中央値で33%増)
・調整後EPS:0.32~0.36ドル
(中央値で242%増)
(EPSは1株当たり利益、増加率は前年同期比)
◇25年3月期4-6月期(1Q)の市場予想
・売上高:9.05億ドル(34%増) 
 ライセンス&その他収入:4億2095万ドル 
 ロイヤリティ収入:4億8304万ドル
・調整後EPS:0.34ドル(242%増)
◇7-9月期(2Q)の市場予想
・売上高:8.06億ドル
・調整後EPS:0.27ドル
(市場予想はBloombergコンセンサス)
アーム(ARM)、好業績で株価反転?AIデータセンター市場で存在感示すか 【決算プレビュー】
2)主力のスマホ市場は回復の兆し、同社のロイヤリティ収入にポジティブ、AIスマホで買い替えサイクル加速なら追い風
世界のスマートフォン販売は回復の兆しを示している。米調査会社IDCによると、4~6月の世界スマホ出荷台数は前年同期比6.5%増加し、4半期連続でプラス成長となった。スマホ市場で100%近いシェアを持つ同社にとって、ロイヤリティ収入の拡大につながると予想される。

2024年通年については、スマホ出荷台数は前年比8%増と予想されており、年後半も緩やかに回復が続く見込み。AI搭載スマホが消費者の買い替えを促す可能性がある。サムスン電子や $アップル(AAPL.US)$はそろってAI搭載スマホを強化している。Bloombergによると、アップルは今秋に発表される予定の新型iPhoneの出荷について、現行機種より10%増を目標にしている。アップルが主要顧客のファウンドリー世界最大手の $タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM.US)$も直近の決算発表で、AI搭載スマホとそのデバイスのチップに主に使用される3nmの需要は堅調に伸びていると明かした。AI搭載スマホにより買い替えサイクルが加速するなら、アームにとってもプラス材料となろう。決算説明会で経営陣からこれに関する前向きなコメントがあるかどうか、注目される。

同社の新アーキテクチャ「v9」の採用拡大が進んでいるかどうかにも注目。「v9」のロイヤリティレートは従来の「v8」の約2倍となるため、採用加速が続けば、ロイヤリティ収入の拡大につながる見通し。

3)今後の成長分野であるデータセンターやAIパソコン市場で進展あるかどうか
データーセンターとパソコン市場において、アームの市場シェアは低く、インテルの「x86」が大部分のシェアを有している。ただ、データーセンターにおけるAIの導入拡大やAIパソコンの普及は、アームにとってビジネスチャンスとなっている。

AIパソコン市場においては、 $クアルコム(QCOM.US)$の半導体「Snapdragon X Elit」がアームベースの設計に基づいている。マイクロソフトは今年6月中旬にクアルコムの「Snapdragon X Elite」を搭載したAIパソコンの発売を開始した。データーセンター市場では、 $エヌビディア(NVDA.US)$が直近発表した「Grace Blackwell」はアームのCPUとエヌビディアのGPUを合わせたものとなっている。「Grace Blackwell」は年後半に出荷開始の予定。

経営陣は5月上旬の決算説明会で、「Grace BlackwellによりAIアプリケーションおよびデータセンターにおけるアームの採用は加速するだろう」と述べた。5月下旬のJPモルガン主催のTMCカンファレンスでは、データーセンター市場ではクラウド・コンピューティング分野で強いモメンタムがみられているとコメント。クラウド・コンピューティング分野におけるアームの市場浸透率は、現在の10%から15%に上昇する可能性があると示した。経営陣の前向きな見通しを裏付けるような進展がみられているかどうか、今回の決算説明会でも注目される。

決算発表直後は株価変動リスクも、中長期は業績見通しが重要、短期はAI相場の動向も影響か
決算発表翌日の株価反応
過去の決算翌日の株価反応を確認してみると、3回のうち2回は株価が下落(グラフの①と③)。いずれもガイダンスが弱かったためだ。残り1回(グラフの②)は株価が急騰。実績とガイダンスがともに市場予想を大きく上振れたためだ。
アーム(ARM)、好業績で株価反転?AIデータセンター市場で存在感示すか 【決算プレビュー】
なお、オプションデータから示唆されている決算発表翌日の株価変動率は、今回11%となっている。過去3回の決算発表時は23年11月8日が7.1%、24年2月7日が8.5%、24年5月8日が10.6%だった。それぞれの翌日の株価騰落率と比較してみると、うち2回(グラフの①と③)はオプションデータが示唆する変動率よりも小さく、1回(グラフの②)はそれを大幅に上回る騰落率となった。当時の株価変動要因を踏まえると、オプションデータが示唆する株価変動率よりも、業績サプライズがあるかどうかがより重要のようだ。
◇中長期的な株価動向
ガイダンスの予想下振れで決算発表翌日に株価が下落した過去2回では、いずれも調整は短期にとどまった。業績回復やAIの恩恵に対する期待が崩れていないためだ。市場全体においてAIブームが続いたことも株価の持ち直しを支えたとみられる。したがって、短期的にはアームの業績だけでなく、AI相場を支えているビッグテックの決算動向にも目を配る必要がありそうだ。
アーム(ARM)、好業績で株価反転?AIデータセンター市場で存在感示すか 【決算プレビュー】
◇アナリストたちの投資判断と目標株価
アームに対するアナリストたちの見方は必ずしも一致せず、むしろ両極端の様子すら伺える。たとえば、モルガンスタンレーは投資判断を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に、目標株価を107ドルから190ドルに引き上げた。一方、HSBCは投資判断を「ホールド」から「ウェイト下げ」に引き下げた。ただ、目標株価については100ドルから105ドルへと、小幅に引き上げた。
モルガンスタンレーのアナリストは、「アームの電力効率の高いコンピューティング・アーキテクチャ、巨大な開発者コミュニティ、提供するサービスの幅広さからすると、アームはエッジAIにおいて中心的な存在になるだろう」と強気な見通し。HSBCのアナリストは、AIパソコン市場のTAM(獲得可能な全体の市場規模)をめぐる不透明感やアンドロイド・スマートフォンへの不透明感が強まっていることを、投資判断引き下げの理由に挙げた。同アナリストは、「アームは同氏がカバーするハイテク株の中でも屈指の有望銘柄だが、株価はこれまで大幅な評価見直しを繰り返してきた」、「短期的には下方向へのリスクがみられる」という。
アーム(ARM)、好業績で株価反転?AIデータセンター市場で存在感示すか 【決算プレビュー】
24年7月30日 マーケットアナリスト Amelia
出所:会社資料およびBloombergよりmoomoo証券作成
免責事項:このコンテンツは、Moomoo Technologies Incが情報交換及び教育目的でのみ提供するものです。 さらに詳しい情報
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