米利下げで景気循環株復活！5日間20％近く急騰　今こそ買い好機が到来？

米連邦準備制度理事会（FRB）は先週水曜日、4年ぶりとなる0.5ポイントの利下げを実施した。先週の大幅利下げを踏まえ、これからの金融緩和を見極めるヒントになり得る発言が連FRBから相次いだ。

利下げ後の1週間、公益事業、金属、エネルギー、一般消費財セクターが米株式相場の上げをけん引する。公益事業セクターでは、 $公益企業-独立系発電所 (LIST2462.US)$が19.6％、 $公益企業-再生可能エネルギー (LIST2461.US)$が11.5％急騰した。金属セクターでは、 $銅 (LIST22865.US)$が10.0%、 $銀 (LIST2093.US)$が9.5%上昇した。

エネルギーセクターでは、 $ウラン (LIST2430.US)$が19.7%超、 $鉱業-コークス (LIST2505.US)$が9.2%超上昇した。半導体セクターは7.82％急騰し、一般消費財セクターでは、 $自動車メーカー (LIST2468.US)$が8.2％、 $履物とアクセサリー (LIST2106.US)$が5.2％、 $インターネットｰ小売 (LIST2431.US)$が5.0％大幅に上昇した。

ウォール街のアナリストは、米株市場の「ソフトランディング」取引ロジックの特徴が顕著であり、伝統的なディフェンシブ銘柄は「もはや魅力的ではない」と予想している。景気循環セクターの好調は、米株市場の「ソフトランディング」を楽観視していることを示す。

公益事業
公益事業は、26日引け後にS&P500で2番目にパフォーマンスの良いセクターとなった。 $ビストラ・エナジー (VST.US)$は年初来211%上昇、 $コンステレーション・エナジー (CEG.US)$は126%上昇、 $エヌアールジー・エナジー (NRG.US)$は75%上昇した。

公益事業は「安全」な投資対象と見なされ、利下げ環境で債券利回りを上回る高い配当利回りが魅力となる。このセクターはまた、人工知能やビットコインのような仮想通貨の進歩からも恩恵を受ける。これらはエネルギー需要、特に電力需要をけん引している。

今年公益事業にとって大きな原動力は、AI関連のデータセンターからの電力需要の急増だ。ゴールドマン・サックスによると、2030年までにデータセンターの電力消費が3％～8％増と予想され、米国電力需要の最大の成長動力になると指摘した。

エネルギー
20日、米電力会社 $コンステレーション・エナジー (CEG.US)$は、 $マイクロソフト (MSFT.US)$のデータセンターに電力を供給する契約を結んだと発表した後、ウラン採掘セクターが急騰した。米国最大のカーボンフリーエネルギー（原子力、水力、風力、太陽光）の生産者であるコンステレーション社は、2009年来閉鎖されている原子力発電所の再稼働に16億ドルを投資する計画で、2028年に再稼働することを目指している。この契約に基づき、マイクロソフトは今後20年間にわたって再開された発電所から電力を購入し、PJMデータセンターをカーボンフリー・エネルギーでサポートすることになる。この計画は、AIデータセンターの膨大な電力需要や24時間稼働するカーボンフリー電力源へのハイテク業界の関心を浮き彫りにしている。 $コンステレーション・エナジー (CEG.US)$は22％上昇し、 $セントラス・エナジー クラスA (LEU.US)$、 $カメコ (CCJ.US)$、 $エナジー・フュエル (UUUU.US)$などの原子力株も押し上げた。

また、年初来大幅に下落していた原料炭セクターが急騰し、 $アメリカン・リソーシズ (AREC.US)$が28％超、 $ウォリアー・メット・コール (HCC.US)$が12％超、 $コントゥラ・エナジー (AMR.US)$が10％超上昇した。石炭セクターでは、 $ハラドル・エナジー (HNRG.US)$と $ピーボディ・エナジー (BTU.US)$もそれぞれ36%、10%の大幅な上昇を見せた。

金属
最近、中国は経済と不動産市場を活性化させるための一連の政策を発表したことで、世界の原材料需要が喚起され、米国の金属と鉱業株は火曜日に、2024年来一番高い1日上昇幅を見せた。

経済見通しが改善したら、銅や銀などの工業用金属の需要と価格が上昇し、それに関連する鉱業株も上昇する。銅は主に電気、家電、建築、新エネルギー車に使用され、一般的に9月下旬から12月にかけて需要が高まる。注目された銅鉱山株は、 $メタル アクイジション A (MTAL.US)$、 $ハドベイ・ミネラルズ (HBM.US)$、 $タセコ マインズ (TGB.US)$、 $フリーポートマクモラン (FCX.US)$などで、いずれも10%超上昇した。銀鉱セクターでは、 $シルバーコープ・メタルズ (SVM.US)$が12.1%、 $ファースト・マジェスティック・シルバー (AG.US)$が9.0%、 $MAG シルバー コーポ (MAG.US)$が7.9%上昇した。

一般消費財
自動車メーカーは力強く上昇していて、 $シャオペン (XPEV.US)$はこの1週間で20.7%、 $ジーカー・インテリジェント・テクノロジー・ホールディング (ZK.US)$は15.2%上昇した。 $テスラ (TSLA.US)$、 $LI・オート(理想汽車) (LI.US)$、 $ニオ (NIO.US)$も10％超上昇を見せた。また、インターネット小売セクターも急騰、 $JDドットコム (JD.US)$は23％超、 $PDD ホールディングス (PDD.US)$は15％超、 $アリババ・グループ (BABA.US)$は13％超上昇している。

需要の低迷と競争の激化により、年初に自動車セクターが低迷したにもかかわらず、主要銘柄は反発している。電気自動車の短期的なカタリストとしては、第3四半期の伝統的な販売ピーク、数々の自動車ショー、新モデルの発表などが挙げられる。さらに、中国のEV政策の推進が需要を刺激している。

米連邦準備制度理事会（FRB）の利下げが株式市場のリスク選好を高め、それに中国の支援政策が相次いだため、中国の自動車メーカーやeコマース（電子商取引）企業（その多くは米国上場株）が急騰している。加えて、人民元高と中国資産の長期的な割安感が、海外投資家からの資金流入を増加させる重要な原動力となる可能性がある。