「キャピトル・ヒルの投資の神様」、再び神の一手！NVIDIAの「ジェットコースター」相場はどうなる？

7月31日の米株式市場では半導体株が軒並み買われ、なかでも $エヌビディア(NVDA.US)$の急伸が目立った。同社の株価は13％上昇。時価総額は3290億ドル増え、１営業日としては過去最大。その他、 $アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD.US)$は一時11％の高騰を見せたが、その後約5％まで落ち着いた。 $ASMLホールディング(ASML.US)$は11％超、 $ブロードコム(AVGO.US)$は11％超、 $クアルコム(QCOM.US)$は8％超、 $タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM.US)$は7％超の上昇となった。

エヌビディア株は変動が激しく、7月だけで8回の最大規模な時価総額下落のうち4回を経験し、値動きの激しさで知られる $ビットコイン(BTC.CC)$をはるかにしのぐ高ボラティリティーが続いている。エヌビディアの株価が「ジェットコースター」のような動きを見せる背景は？そして、このAIチップの巨人、今後はどうなるだろうか。

ナンシー・ペロシ前下院議長は、夫のポール・ペロシ氏が行った最新の株式取引を公開した。7月30日に提出された書類によると、彼は数日前にエヌビディア株を買い増すと同時に、マイクロソフト株の保有を減らした。そして、7月31日、エヌビディアは13％近く急騰したのに対し、マイクロソフトは最新の四半期決算でクラウド・コンピューティング部門の収益が期待外れだったため、1％以上下落し逆行安の様相となった。

具体的には、ペロシ氏は7月26日、100万ドルから500万ドル相当のエヌビディア株を1万株購入。また、同日に100万ドルから500万ドル相当の $マイクロソフト(MSFT.US)$株を5000株売却した。また、数週間前の別の情報開示によれば、同氏は6月下旬にエヌビディア株を1万株購入していたことが明らかになっている。これは、ペロシ氏がわずか1ヶ月の間に、エヌビディア株を二回も買い増したことを意味する。

AMDの決算では、売上高、利益ともに強い結果を示し、特にAI向けGPU出荷の増加により、AMDのデータセンター部門の売上高は前年比115％増の28億ドルとなった。同部門の売上高は2四半期連続で過去最高を更新している。さらに、AIチップの通期売上高見通しも上方修正した。エヌビディアの重要な潜在的ライバルとして、AMDの好業績はAIチップの需要と見通しに対する市場の楽観的な見方を強め、エヌビディアの株価を間接的に押し上げている。

一方、世界的な大手チップメーカー、サムスン電子の第2四半期決算によると、売上高は74兆700億ウォンに達し、前年比23.44％増と予想の73兆7400億ウォンを上回ったほか、純利益は9兆8400億ウォンで、前年同期比470.97％と驚異的な伸びを示した。

これにより、ウォール街のAI「バブル」に対する懸念は和らぎ、投資家はハイテクセクターに再び殺到し、AIチップ産業とエヌビディアに対する市場の熱意は再び再燃させた。

その他、モルガン・スタンレーは7月31日、エヌビディアを「トップ・ピック」に再選定し、「オーバーウェイト」のレーティングを維持した。モルガン・スタンレーのアナリスト、Joseph Moore氏と彼のチームは、エヌビディアの長期的な成長ポテンシャルに対して楽観的な見方を示しており、市場の懸念は時間とともに和らぐだろうと述べた。モルガン・スタンレーはエヌビディア株を「トップ・ピック」に再指定し、「オーバーウェイト」のレーティングを維持した。さらに、モルガン・スタンレーは、今回の売りが非常に良い買いチャンスであると考え、エヌビディアの目標株価を144ドルに設定した。

水曜日、パウエル米FRB議長が9月利下げの可能性を示唆したことを受け、米国株主要3指数は揃って上昇した。このマクロ政策の好影響により、テクノロジー・セクターとエヌビディアに対する投資家の熱意も一段と高まった。

ChatGPTが世界を席巻してから約2年、ウォール街はAIの商業化の先行きを懸念している。 最近発表されたグーグルとマイクロソフトの四半期報告によると、AIからの収益はウォール街の予想を下回っており、市場は、これがこれらハイテク大手の巨額の設備投資に影響するかどうかを懸念している。特に、マイクロソフトの全体的な売上と利益の伸びは予想を上回ったものの、AI戦略の中核であるAzureクラウド事業の収益の伸びはアナリストの予想を下回った。これがAIの商業化の見通しに対する市場の懸念を引き起こし、関連企業への投資家の信頼低下につながった。

6月中旬以降、エヌビディアのCEOであるジェンスン・フアン氏は、300万株以上の株式を平均株価約126ドルで売却している。 特に今年に入ってから株価が倍増していることを考慮すると、投資家に不安を与えることがある。しかし、これらの売却は事前に計画された取引計画（ルール10b5-1）によって行われており、内部者が予め定めた時間に株式を売却することを許可している。それにもかかわらず、投資家はフアン氏の売却を自分のポジションを減らすシグナルとして捉えるかもしれない。

投資家やファンドマネージャーが利益を確定し、ポートフォリオを調整する中で、テクノロジー株全体が調整局面を迎えている。今年急騰した株として、エヌビディアは利益確定売りのターゲットとなり、株価が大幅に下落した。

TheInformationの報道によると、OpenAIは今年50億ドルの損失を出す可能性があり、今後の資金調達がうまくいかない場合、12ヶ月後には資金が枯渇する恐れがあるという。このようなネガティブなニュースが、AI業界に対する市場の懸念を一層強め、エヌビディアの株価をさらに押し下げる要因となった。

FactSetのデータによると、エヌビディアはS&P500指数の構成銘柄の中で最も収益が伸びる企業となり、同社の第2四半期の純利益は前年同期比で140%増の150億ドルに達すると予想されている。ドイツ銀行は7月31日に、エヌビディアは過去数ヶ月間の爆発的な上昇から調整を見せた後、その後の動きはこのAIチップメーカーの収益力に大きく依存すると述べた。