中国需要への懸念が残る中、原油は不安定な週を終え、小幅に変動

中国の需要見通しに対する根強い懸念と地政学的リスクの緩和が、インフレ率の鈍化を示す経済データと、個人消費の底堅さを示す堅調な小売売上高を相殺したためだ。

「石油市場は不安定な週だった： 一方では、中東戦争による供給の途絶が懸念され、他方では、中国の成長鈍化が需要予測の修正を余儀なくされた」と、エネルギーコンサルタントのアンドリュー・リポウ氏は語った、とロイターは報じている。

中東では、イスラエルとハマスの停戦とガザの人質解放を求める2日間の協議が進展したと報じられており、この協議によって、最近の原油のリスクプレミアムを高めているイランのイスラエル攻撃が延期されると見られている。

「中東情勢がこれ以上エスカレートしなければ、原油価格は底堅く推移するだろう」とコメルツ銀行のアナリストは語った。

今週発表された中国のデータでは、7月の中国経済は勢いを失い、燃料需要が低迷していることから、中国の製油所は先月、原油処理率を大幅に引き下げた。

石油輸出国機構（OPEC）と国際エネルギー機関（IEA）は今週、中国の景気減速を理由に石油需要の伸び見通しを下方修正した。

しかし、消費者物価指数が前年同月比2.9％上昇し、生産者物価指数が0.1％上昇するなど、米国で発表された7月の一連のデータが原油相場を下支えした。

今週9月物のNymex原油前月限（CL1:COM）は、金曜の1.9%安を含め、前週末比-0.2%の76.65ドル/バレルで引け、10月物のブレント原油前月限（CO1:COM）は、金曜の1.7%安を含め、前週末比ほぼ横ばいの79.68ドル/バレルで引けた。

また今週は、ナイメックス天然ガス（NG1:COM）の9月物前月比が-0.9%の2.123ドル/MMBtuとなり、金曜日に3.3%下落した。