【決算まとめ】AMD、AI向け半導体で24年売上高20億ドル見込む

米半導体大手 $アドバンスト マイクロ デバイシズ (AMD.US)$が1日(日本時間)に23Q3(2023年7〜9月期)決算を発表した。決算によると、1株利益(EPS)、売上高とも予想を上回った。

AMD社1日(日本時間)に発表した23Q3(2023年7〜9月期)決算によると、売上高は前年同期比4%増の58億ドルだった。買収に伴う償却費用が減り純利益は約4.5倍の2億9900万ドルだった。23年10〜12月の売上高見通しは58～64億ドル（前年同期は55億9900万ドル）と、市場予測の64.0億ドルを下回った。

AI関連
AMDはパソコンなどに使う中央演算処理装置（CPU）を得意とする。最近では米エヌビディアに対抗し、データセンターで生成AI（人工知能）を動かすのに使う画像処理半導体（GPU）の製品を拡充する。AI関連銘柄として成長期待を集めているが、本格的な業績への寄与はこれからとなる。

AMDは「MI300X」と呼ばれる半導体の準備を進めており、生成AI向けにデータセンターで利用される半導体でエヌビディアに対抗する。リサ・スー最高経営責任者(CEO)は決算説明会で「複数の大規模顧客」がMI300の使用を確約していると述べた。

ただAI半導体はバイデン米政権が中国向けの規制を強化し、米中対立が懸念材料になっている。

その他
同社はパソコン市場の回復から恩恵を受けている。AMDはPCをゲーム機に変えるアドイン・グラフィックス・カードに搭載されるチップの第2位のメーカーで、ソニーやマイクロソフトのゲーム機にもチップを提供している。こうした製品の需要は通常年末商戦で高まり、必要な部品は現時点で発注される。

同社クライアント部門の売上高は、Ryzen7000プロセッサーの売上に牽引され、前年同期比42％増の15億ドルに達した。リサ・スー最高経営責任者（CEO）はアナリストとの電話会議で、パソコン市場の正常化と季節的な需要パターンの回復により、AMDのパソコン用チップの売上は前期比でも前年同期比でも改善したと述べた。

コンピューター・チップの売上増は、同社が低迷しているゲーミング・セグメントと組み込みセグメントを相殺するのに役立っている。一方、データセンターは力強い成長を見込んでいるものの、ゲーム事業の売上減少を見込んでいる点が不安視されている模様。