世界的な株高の大きな潮流を見落とすな！

　金融マーケットに何が起こっているのでしょうか。多くの人達が大きな変化に気づいていません。先日、経済同友会の幹部が「最近の株高はおかしい」とコメントしていましたが、認識不足がはなはだしいですね。

　確かに、世界景気はいまひとつはっきりしません。政治はフランス、イギリスなど揺れています。アメリカの大統領選挙は混とんとしてきました。現職のバイデン氏が撤退を余儀なくされそうな情勢ですし、株式市場はトランプ氏勝利を織り込み始めています。

　日本市場では2016年に人気を集めた $三菱重工業(7011.JP)$が強いですね。トランプ氏は減税を断行するでしょう。景気対策も打ち出します。利下げを要求します。まあ、インフレは収束しませんが…。同盟国に防衛費の増額を求めるでしょう。2016～2017年がそうだったではありませんか。

　もちろん、再三指摘しているように、世界的な株高の背景には新東西冷戦構造、新産業革命、新資本主義という大きな流れが存在します。筆者はこの潮流が日本を救うとともに、株式市場を活性化させる、と主張しています。このトレンドを見失ってはいけません。

　まさに、「続く流れに逆らうな、ついていくのが儲けの道」なのです。特に、日本市場は出遅れが著しいですね。先般、東証プライム市場の時価総額が「1000兆円の大台に乗せた」と話題になりました。しかし、アメリカ市場の時価総額は9214兆円（7月4日時点）です。

アクティビストが買い占めに転じるリスク？

　個別企業では $アップル(AAPL.US)$が525兆円、 $マイクロソフト(MSFT.US)$が539兆円、 $エヌビディア(NVDA.US)$が488兆円です。3社合計では1552兆円となっています。東証プライム市場には1645社が上場しているのです。時価総額1000兆円などと喜んでいはいられません。

　 $タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM.US)$の時価総額は1兆ドル（約160兆円）です。7人のサムライ（東京市場の時価総額上位7社）の時価総額合計とちょうど一緒です。ちなみに、マグニフィセント・セブン（アメリカ市場の時価総額上位7社）の時価総額は2561兆円に膨らんでいます。

　要するに、日本市場は「失われた30年」の間に、すっかりシュリンクしてしまったのです。この修正が始まったのではないでしょうか。持ち合い解消が急ピッチで進む状況下、日本企業は外資のターゲットになるのではありませんか。

　なにしろ、 $ソフトバンクグループ(9984.JP)$の時価総額が16兆円なのに対し、9割の株式を保有する子会社 $アーム・ホールディングス(ARM.US)$の時価総額は25兆円です。 $ロココ(5868.JP)$は $サービスナウ(NOW.US)$はの上級パートナーですが、時価総額は33億円にすぎません。サービスナウの時価総額は25兆円です。

　現在、アクティビスト（物言う株主）の暗躍がマスコミをにぎわしています。経営改善を求める限りは“害”はありません。しかし、買い占めに発展した場合はどうでしょうか。 $青山財産ネットワークス(8929.JP)$に介入しているアクティビストは「発行株式数の2割まで買う」と言っているそうです。会社側は冷静ではいられません。

　さて、個別銘柄では猛暑を受け、需要沸騰の空調服(高級品)を手掛けている $ユニフォームネクスト(3566.JP)$、