【決算プレビュー】アップル、4期連続減収から脱出できるか？Vision ProとAIに注目！

米ハイテク大手の $アップル (AAPL.US)$は米東部時間2月1日の引け後に2024Q1（10-12月）決算を発表する予定。

市場コンセンサスによると、アップルの第4四半期の売上高は前年同期比0.95%増の1182.62億ドル、EPSは前年同期比11.99%増の2.11ドルと予想される。

2023Q4、アップルの売上高は前年同期比0.72％減の895.0億ドル、希薄化後EPSは前年同期比13.18%増の1.46ドル。

アップルは、前四半期の決算説明会で明確なガイダンスを示さなかった。同社のLuca MaestriCFOは、FY24Q1の売上高は前年同期と「ほぼ同様」を見込むと述べた。

iPhone15シリーズが発売されて以来、市場はその革新性の欠如を批判し続けてきた。投資銀行は2024年明け、iPhone売上高見通しの低迷により、アップルのレーティングを相次いで引き下げた。

iPhoneの販売は好調？
年明けBarclaysのアナリストは、1月のiPhoneと第四四半期のウェアラブルの売上予想を下方修正した。従来の予想に比べ、売上高、EPSともに1桁台前半の減少となった。

売上高の50%を占めるiPhoneは、依然としてアップルにとって最も重要な製品である。Barclaysは、「iPhone 15の販売台数と製品ミックスに対して引き続き懸念を示し、iPhone16の魅力を高める機能やアップグレードも見えない」と指摘した。

一方、アナリストらがiPhoneの販売予想を引き下げ続けているにもかかわらず、International Data Corporation（IDC）の最新レポートによると、iPhoneの出荷台数は第4四半期と2023年通年でサムスンを抜いて首位となった。

Vision ProとAIに対する期待
アップルは、2024年Vision Proの販売量は50万台と予想。その場合、少なくとも同社に17.5億ドルの売上をもたらす。BofA証券は、アップルのレーティングを「中立」から「買い」に引き上げ、目標株価も208ドルから225ドルに引き上げた。

同アナリストは、「長期的には、VRが主流になるにつれて、Vision Proの売上はiPadの売上を上回る可能性がある」と述べた。また、人工知能機能を実現するための最先端ハードウェアの必要性により、iPhoneのアップグレード需要が強まり、インストールベースの収益化が進むにつれ、アップルのサービスの成長も高まると予想している。

一方、アップル界隈では有名なアナリスト、Ming-Chi Kuo氏は、「コアユーザーの購入につれ、Vision Proのポジショニングが一般消費財と一致しないため、今後当製品の需要は弱まるリスクがある」と指摘。アップルはAIで出遅れているため、マイクロソフト、エヌビディア、グーグルなどのようなスマートクラウド事業の成長原動力を持つことは難しいとも予想した。

EU向けアップストアとアイフォーン機能見直しの見方は？
アップルは26日、EU独占禁止法によりEUで提供するiOS、Safari、アップストア機能を全面的に見直すと発表した。ゴールドマンは、今回の変更による利益への影響は1％未満にとどまると予想。

また、J.P.モルガンによると、ヨーロッパはアップルのアップストアの売上高の6％を占め、手数料率の低下による収入減は、アップストア以外からのソフトウェアダウンロードに対する新たな手数料によって補われる可能性が高いという。

一方、J.P.モルガンは、今回の変更の影響は限定的にもかかわらず、アップルは規制当局をなだめるために、他の分野でも改革に着手する可能性があると述べた。

独禁訴訟は新たなリスクとなる可能性
アップルは当面、ハードウェアとソフトウェアに競合他社に不利な制限を課していることで、米司法省から反トラスト法違反訴訟に直面する可能性がある。 反トラスト訴訟はアップルの株価を圧迫する恐れもある。

ブルームバーグは、当訴訟は早ければ3月にも提訴可能と報じた。 また、司法省の反トラスト担当上級幹部がまだ提訴を承認していないため、後ずれする可能性があると付け加えた。