【決算プレビュー】AMD、PC需要回復とAIブームの脚光を浴びられるか

●AMD、10月31日引け後に23年Q3（7-9月）決算を発表する予定
●moomooアプリによると、足元の市場コンセンサスではAMD23年Q3（7-9月）の売上高は前年同期比2.32%増の56.94億ドル、EPSは前年同期比412.5%大幅増の0.21ドルと予想
●インテル予想超えの好決算とガイダンスにより、AMDを含む他の半導体企業にも好影響を及ぼす可能性があるとの見方
●AMDのAIチップに注目。業界全体にAIが急速に普及する好機の中、Nvidiaを追い抜ける楽観視も

PC事業
Gartnerによると、2023Q3の世界PC出荷台数は前年同期比9%減、前期比約8%増の6,430万台、PC需要回復の勢いが加速している。 $アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD.US)$のQ3売上成長は、PC需要の改善から恩恵を受けると見られている。

$インテル(INTC.US)$は27日の決算で、2023年にPC市場が2.7億台、2024年に3億台に達する見通しを示した。PC事業が売上高の21％を占めているAMDにとっても「朗報」だろう。

AMDはインテル社に次ぐ第2位のPCプロセッサーメーカーである。同社PC向けのクライアント部門は前四半期売上高は9.98億ドル、市場予想を上回った。

また、NvidiaとAMDがARMアーキテクチャをつかうPCチップ開発を進めているとの情報も浮上。Wedbush Securitiesのアナリストによれば、NvidiaとAMDの両社は新しいCPUの開発から恩恵を受けるだろうが、AMDの方がより多くの利益をもたらすだろうと見ている。新しいCPUは、インテルのPC市場のシェアをさらに圧迫し、AMDのPC市場のシェアは押し上げられる可能性がある。

AI製品
23年Q2では、AMDの売上高は53.6億ドル、調整後EPSは0.58ドル、何れも市場予想を上回った。AMDのAIチップ開発は顧客の関心を集め、業界全体にAIが急速に普及する好機の中、Nvidiaを追い抜ける楽観視もある。

インテルは27日の決算説明会で、AI分野での販売チャネルの実績を言及し、同社がGaudiシリーズのDLアクセラレータを含むの販売チャネル数は過去90日間で倍増した。

また、インテルは「供給不足がAIにとって大きな問題になっている」と語り、AMDのMI300とAI事業にとって良い兆しとアナリストも指摘した。

ゲーミングなど
ウェールズ・ファーゴは、2023年後半には、AMDの組み込み機器向け売上は、受注残の正常化、顧客在庫の減少、通信支出の低迷により減少すると予想。また、XboxとPS5のゲーム機市場が成熟するにつれ、AMDのゲーム収入も減少すると予想。