【決算プレビュー】グーグルのアルファベット、AI競争に敗れるか

●グーグルの $アルファベット A(GOOGL.US)$は04月26日05:30(日本時間)、24Q1(1-3月期)決算を発表する予定。
●市場は24Q1の売上高が前年同期比12.76%増の786.94億ドル、EPSが前年同期比29.09%増の1.51ドルと予想。
●74.36％のアナリストは強気レーティング、目標株価の平均が167.03ドル。
●グーグルの株価は市場をわずかにアウトパフォームしているが、生成AI競争におけるグーグルとライバルの差は広がっているようだ。
●アナリストの中、ChatGPTをグーグルの検索広告モデルに対する現実的な脅威と見る者もいる。
●一方、Pershing Square Capital Managementの創設者兼最高経営責任者であるBill Ackman氏は、アルファベットがAI競争でマイクロソフトに先行しているが、投資家が慎重さを出遅れていると勘違いしていると考えている。

グーグルなどを傘下に持つIT大手の $アルファベット A(GOOGL.US)$は04月26日の05:30(日本時間)、取引時間終了後に2024年1-3月期決算を発表する予定。

同社、「人工知能の現状」と「広告市場の現状」について、市場の注目を集めている。

生成AIに関して、市場の関心はグーグルが現在取り組んでいることと、2月にGeminiを発表した際のようなPR上の大失敗を繰り返さないためにどこまで進んでいるかに集まっている。また、同社の検索事業の成功を支える規模的優位性を維持するためには、幅広い顧客への認知度を維持することが重要である。 そのため、同社が検索サービスに生成AIを組み込む計画や、同サービスに対する広告の販売方法に関する新たな計画があれば、市場の注目が集まるだろう。

広告市場の現状に関して、 デジタル広告の需要は加速し続けているか？2022年後半に底を打ったデジタル広告市場は、極めて急速に立ち直り、2023年を通じて四半期ごとに成長が加速している。その勢いは冷めたのか？以上の点は、市場の関心を引くものと予想される。

24Q1の売上高が前年同期比12.76%増の786.94億ドル、EPSが前年同期比29.09%増の1.51ドルの予想
moomooによると、市場はアルファベット24Q1の売上高が前年同期比12.76%増の786.94億ドル、EPSが前年同期比29.09%増の1.51ドルと予想している。

74％のアナリストは強気レーティング、目標株価の平均が167.03ドル
moomooによると、アナリストが提示する目標株価の平均は167.03ドルで、現状よりも約7％高い。アナリスト39人のうち74.36%が強気、25.64%は中立を推奨。弱気を推奨するアナリストはいない。

広告事業やクラウド事業の成長率は鈍化の公算大
アルファベットの1-3月期決算について、増収増益が見込まれるが、広告事業やクラウド事業の成果次第で株価に影響が出る可能性が指摘されている。

特に、広告事業は前年同期比10.4％増、クラウド事業は25.0％増の見通しで、どちらも前四半期より成長が鈍化すると予想されている。

過去の決算発表では、これらの事業の収入が市場予想に達しなかった場合、株価が大きく下落した例がある。また、収益性に関する懸念として、AIサービス強化に伴う設備投資の増加が指摘され、利益の伸び率が高水準だった前四半期と比較して株価上昇のハードルが高くなっている。25日の決算発表では、広告事業とクラウド事業の成長性が焦点となる。

強気な見方
●オンライン・ユーザー数と利用者数の増加に伴い、デジタル広告費も増加し、グーグルはその主要な受益者の一社であり続けると予想される。
●スマートフォンにおけるアンドロイドの圧倒的な世界シェアにより、グーグルはモバイル検索で優位に立ち続けることができる。
●"Gemini"の論争がアルファベット社に対するAIリスクとして受け止められているが、著名なヘッジファンド投資家、ビル・アックマン氏はアルファベットがAI競争で先行しており、市場が同社の潜在力を過小評価していると考え、同社株の買い好機を生んでいる。
●同社は、Gemini Pro 1.5をWorkspaceに統合し、Cloud Nextイベントで新たなGenAI駆動機能を発表した。これにはVidsと呼ばれるビデオ作成・編集アプリケーション、Gmail、Sheets、Docs、Meetの機能強化、そして新しい価格オプションが含まれる。Workspaceを、生成AIツールを採用しようとする組織にとって競争力のある選択肢として位置付けている。

弱気な見方
●グーグルや検索広告への依存度が高いため、アルファベットには収益の分散がほとんどない。
●オンライン検索におけるグーグルの支配的地位は永続的なものではなく、同社がリーダーシップを拡大してきた手法に異議を唱える企業や規制機関が増えている。
●ChatGPTの広告なしの契約モデルは、Google検索の広告ベースの収益に存亡の危機をもたらし、アルファベットはマイクロソフトの生産性ツールやアマゾンのクラウドサービスに対抗するために事業戦略を変更するよう促している。
●グーグルの株価は市場をわずかにアウトパフォームしているが、AWSやAzureなどのライバルと比較して生成AIでの遅れは、Geminiによる潜在的な風評被害とともに、その差が広がっていることを示唆しており、同社は生成AI領域でのクラウド事業と長期的な展望に対する大きな脅威に直面している。