【決算プレビュー】AI帝王のエヌビディア、1,000ドルの大台目前　23日午前5時決算の前に買うべきか？

● $エヌビディア(NVDA.US)$は22日の取引時間終了後に（日本時間23日午前5時20分）FY2025 Q1の決算を発表する予定。
●同社の最も重要な事業であるデータセンターは、前年同期比389.43%増の209億6,700万ドルの売上を達成する見込みである。 これは、同社の売上高に占める同事業の割合が、前四半期の83％から85％へと引き続き拡大する見込みである。
●GS証券のアナリストは、AIへの投資は今後も高水準で推移するため、エヌビディアのバリュエーションはまだ割安と見ており、目標株価を1,000ドルから1,100ドルに引き上げた。HSBCも、同社のAI事業見通しは割安になると見ており、目標株価を1,350ドルとした。
●moomooによると、市場はエヌビディアFY2025 Q1の売上高が前年同期比240.47%増の244.87億ドル、EPSは前年同期比532.28%増の5.18ドルと予想されている（US-GAAP）。

エヌビディアは再び市場予想を上回るのか？
エヌビディアはウォール街の予想を上回る可能性が高いようだ。これは、主に同社のデータセンター事業に対する経営陣の自信によるものである。経営陣は、エヌビディアのAIに焦点を当てたデータセンター向けチップと製品に対する高い需要に牽引された大幅な受注残のおかげで、この事業部門の短期的な売上高について明確な見通しを示している。

また、データセンターは同社の主要事業であり、業績全体を牽引する重要な原動力であるため、他の事業部門の需要に関する確度は低いかもしれないが、それほど懸念する必要はないであろう。

エヌビディアの第2四半期業績ガイダンスを含む今後の決算は、アナリストの予想を上回ると期待されているが、その一因は、最近の四半期報告書に見られるように、主要顧客がAIへの投資を増やしているためである。特に、 $メタ プラットフォームズ A(META.US)$ （フェイスブックの親会社）、 $アルファベット C(GOOG.US)$ 、 $マイクロソフト(MSFT.US)$のような企業は、AIへの取り組みを大幅に強化しており、これは同社にとって良い兆候である。

例えば、メタは2024年通年の資本支出見通しを3500万～4000万ドルに調整し、従来予想の3000万～3700万ドルから増加させた。この増額の理由は、同社の第1四半期決算説明会でSusan Li最高財務責任者（CFO）が述べたように、AIインフラへの投資が加速したためである。

エヌビディア株は依然割安とウォール街のアナリスト
$ゴールドマン サックス グループ(GS.US)$ のアナリストは、AIへの投資は今後も高水準で推移するため、エヌビディアのバリュエーションはまだ割安と見ており、目標株価を1,000ドルから1,100ドルに引き上げた。

ゴールドマン・サックスは、 $マイクロソフト(MSFT.US)$ 、 $アルファベット C(GOOG.US)$ 、 $アマゾン ドット コム(AMZN.US)$ 、 $メタ プラットフォームズ A(META.US)$のテック企業4社の今年のクラウドへの設備投資額は、昨年の1190億ドルを大きく上回る1770億ドルに達し、2025年には1950億ドルまで増加し続けると予想している。

同行は、これらの投資がエヌビディアの持続的な増収増益の原動力となり、特に今年後半の次世代AIチップ「Blackwell」の発売を後押しすると考えている。

$HSBCホールディングス(HSBC.US)$も、同社のAI事業見通しは割安になると見ており、目標株価を1,350ドルとした。

HSBCは、エヌビディアはNVL36/NVL72サーバーシステムとGB200プロセッサー・プラットフォームで強力な競争力を示し続けるだろうと述べた。 同行は、株価が急騰しているにもかかわらず、ウォール街は今後1年間の同社の業績に衝撃を受けるだろうと予想している。

同行のアナリストは、エヌビディアの会計年度第1四半期の売上高は260億ドルに達し、同社が以前に示したガイダンスやウォール街の一般的な予想を上回ると予想している。 同氏はまた、エヌビディアの第2四半期の収益は280億ドルに達し、これも市場予想の264億8000万ドルを上回ると予想している。

決算の前に買うべきか？
過去4回の決算報告では、エヌビディアは一貫して予測を上回っており、投資家はこのパターンの継続を期待している。 $アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD.US)$ や $インテル(INTC.US)$ といったライバルの進展にもかかわらず、 $エヌビディア(NVDA.US)$ はGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)市場で大きな優位性を保ち、世界市場シェアの約80%を確保している。これらのチップはAI（人工知能）アプリケーションに使用され、エヌビディアの優位性を高めている。

NVDAは過去20回の決算のなか、18回で市場予想を上回った。

半導体市場への不安で株価が下落する局面になるリスク
$エヌビディア(NVDA.US)$の株価は3月25日に上場来高値（950.02ドル）を記録してからは伸び悩む時期もあり、4月19日には上場来高値から19.79％安にあたる762ドルまで下落した。

前日、半導体需要の見通しに対する不安が強まったことで、 $タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM.US)$が示した2024年の半導体市場の見通しが、1月時点の見通しから下方修正された。エヌビディアの総収入は2023年5-7月期以降、4四半期連続で前年同期比2-3倍超の増加が続く見通しだが、いつまでもこのペースを維持できるとは限らない。

このため今回の決算発表では、急成長が一巡する5-7月期についてどのような見通しを示すかが焦点となるだろう。