米国市場の展望：金は再び上昇基調へ？ドラッケンミラー氏、FRBの早期利下げはインフレを再燃させかねないと警告

Moomooユーザーの皆様、こんばんは！今晩のＮＹ株の読み筋です。

市場概況
米国市場スタート、優良株で構成するダウ工業株30種平均は11.01ドル安の43718.92ドル、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が100.96ポイント高の19084.43で始まった。米国大型株である500社の銘柄で構成するS＆P500種平均は18.17ポイント高の5947.21。

トップニュース
米国株が後退
●米国株式先物が下落し、S&P500種指数は6週間ぶりの大幅反落。シティグループのストラテジストによると、トレーダーのS&P500指数へのエクスポージャーは、過去に10％の下落を招いた水準に達しているという。
●国債は堅調に推移しているが、昨日の米国での暴落を受けて、世界中の利回りは上昇している。サンフランシスコ連銀のメアリー・デイリー氏は、中央銀行は利下げを続けるだろうと予想している。
●ヘッジファンドは選挙を前にドル弱気ベットを縮小し、過去3年間で最大の純増となった。
●ドイツのソフトウェア会社 $エスエイピー (SAP.US)$ は、顧客がAIツールとアナリティクスに切り替えたため、クラウド収益が急増していると報告。株価は史上最高値を更新。

国債利回りの上昇と経済の堅調さが債券市場の動揺を助長
●米連邦準備制度理事会（FRB）が予想ほど利下げを行わないとの懸念が高まり、債券市場は圧力を受けている。10年物国債利回りは4.2％を超え、世界的に借入コストを押し上げている。また、アイスBofA MOVE指数は今年最高値を更新しており、債券市場のボラティリティが高まっていることを示している。
●堅調な米雇用市場、利下げ期待の修正、トランプ大統領誕生によるインフレ上昇懸念など、いくつかの要因が債券売りを後押ししている。さらに、財政赤字の拡大は債券発行の増加につながり、市場にさらなる影響を与える可能性が高い。

金は再び上昇基調へ
●国債利回りが上昇しているにもかかわらず、貴金属は上昇している。通常、債券利回りが上昇すれば、金利を支払わない金や銀の価格は下落する。
●しかし、米国の選挙を2週間後に控えており、ドナルド・トランプ氏の任期が再び混乱する可能性があるため、投資家は安全性を求めている。イスラエルがイランに対してどの程度強い報復をするのかが心配されている。さらに、FRBは利下げを続けるかどうかの決断を迫られている。

パウエル議長、トランプ大統領の2期目がインフレ懸念に拍車をかける中、挑戦に直面
●ウォール街はドナルド・トランプ氏の再選を受け、FRBの利下げ観測を後退させている。JPモルガンなどのアナリストは選挙前よりも利下げ幅を縮小し、野村證券は来年の利下げ幅を4回から1回に減らすと予想している。
●関税引き上げや減税を含むトランプ大統領の経済政策はインフレ率の上昇につながる可能性があり、FRBの意思決定プロセスを複雑にし、将来の利下げを遅らせたり、停止させたりする可能性がある。
●FRBのジェローム・パウエル議長は、世界市場が政策の不確実性と今後の中央銀行の決定に反応する中、FRBがトランプ大統領の2期目の影響に対処できることを投資家に保証する必要に迫られている。

ドラッケンミラー氏、FRBの早期利下げはインフレを再燃させかねないと警告
●スタンレー・ドラッケンミラー氏は、現在の株式市場の狭い主導権は弱気相場の可能性を示す警告サインだと考えており、インフレ再燃を懸念する連邦準備制度理事会（FRB）の利下げには批判的である。
●ドラッケンミラー氏は、エヌビディア株の売却が早すぎたことを後悔している一方、バリュエーションが高いためAI株には短期的な警戒感を示し、現在のAIトレンドを2000年のインターネット・ブームになぞらえている。
●人間の直感とAIの組み合わせが強力な投資能力を生み出し、人間や機械だけの投資家を凌駕する可能性があると述べている。

ネットフリックスと銀行が急騰、S&P500種株価指数を押し上げる好決算
●利益予想を上回ったS&P500企業は中央値で1.74%上回り、2019年以来最も好調な結果となった。
●予想に外れた企業は中央値で1.5%遅れをとり、第2四半期に比べアンダーパフォームがマイルドになった。
● $GE エアロスペース (GE.US)$ 、 $ロッキード マーチン (LMT.US)$ 、 $ゼネラル モーターズ (GM.US)$ などの企業が決算報告を発表する今日、この傾向はさらに試されることになる。

米国株ETFへの外国人投資、2021年の記録を超え、S&P500種指数を押し上げる
●欧州とアジア太平洋地域の投資家は今年、米国株中心のETFに1470億ドルを投資し、2021年に記録した1240億ドルを上回った。
●このうち欧州からは1,060億ドル、アジア太平洋地域からは410億ドルが流入しており、国際的な関心の高さがうかがえる。
●これらの資金流入は米国投資家からの流入に比べれば少ないものの、S&P500の今年の23%の上昇に大きく寄与している。