イスラエルによるヒズボラ指導者ハッサン・ナスララの殺害に対する世界の反応

レバノンのヒズボラは、首都ベイルート近郊の地下本部への空爆により、長年の指導者であったハッサン・ナスララが死亡したことを確認した。

イスラエルが64歳のナスララ氏の殺害を主張した数時間後、イランに支援されているヒズボラは土曜日に、指導者は「仲間の殉教者に加わった」と述べ、地域戦争が不可避になったとの懸念の中、「敵との聖戦を続け、パレスチナを支援する」と誓った。

イスラエルは金曜夕方、ベイルート南部郊外に大規模な空爆を行ない、ヒズボラ指導者を標的とし、少なくとも6棟の住宅を破壊したと発表した。

30年以上にわたってヒズボラを率いてきたナスララは、ヒズボラとの戦闘が激化した数週間において、イスラエルによって殺害された最も強力な標的である。国連によると、イスラエルによるレバノンへの攻撃で月曜日以来少なくとも700人が死亡しており、5万人以上がレバノンを離れシリアに避難している。

イスラエル軍のジェット機は夜から土曜日にかけて南ベイルートとその近郊を攻撃し、ヒズボラとイスラエルが2006年に戦争を始めて以来、ヒズボラの拠点に対する最も激しい攻撃となった。

ナスララは2006年以来、公の場に姿を現すことはほとんどなかった。彼は1992年に32歳でヒズボラ事務総長に選出された。イスラエル軍のヘリガンシップが前任者のアッバス・アル・ムサウィを殺害した後である。

レバノンのグループは声明で、指導者が「ベイルート南部郊外へのシオニストの裏切り攻撃を受けて」殺害されたことを確認した。

同グループの声明によると、ナスララは「偉大で不滅の殉教者である同志たちの仲間入りを果たした。

同グループは、「我々の旅路において最も神聖で尊い最高の殉教者に」、「敵に立ち向かい、ガザとパレスチナを支援し、レバノンとその堅固で名誉ある国民を守るためにジハードを続ける」ことを誓うと述べた。

ハマスは、レバノンの指導者の殺害を「卑怯なテロ行為」として非難した。「我々は、この野蛮なシオニストの侵略と居住用建物の標的化を最も強い言葉で非難する」と同団体は声明で述べ、イスラエルが「すべての国際的価値観、慣習、憲章」を無視し、「沈黙、無力感、国際的無視に照らして、国際的な安全と平和をあからさまに脅かしている」と非難した。

「このシオニストの犯罪と虐殺を前にして、われわれは絶対的な連帯を新たにし、ヒズボラの兄弟とレバノンのイスラム抵抗勢力と団結する」と同団体は述べた。

パレスチナのマフムード・アッバス大統領は、レバノンとヒズボラに哀悼の意を表し、「残忍なイスラエルの侵略」を非難した。

パレスチナのファタハ運動もまた、哀悼の意を表し、暗殺を非難するとともに、「レバノン国民とそのレジスタンスとパレスチナの歴史的関係」を強調した。

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は声明を発表し、ナスララ氏の殺害は「抵抗勢力をさらに強めるだけだ」と述べた。イラン外務省のナセル・カナアニ報道官はXの投稿で、「レジスタンス指導者の栄光の道は続き、エルサレム解放という彼の神聖な目標は達成されるだろう」と述べた。

イランのモハンマド・ジャヴァド・ザリフ副大統領も哀悼の意を表明し、ナスララ氏を「抑圧との戦いの象徴」と称賛した。

イランの最高指導者ハメネイ師は、ヒズボラ議長に対して5日間の喪に服すことを宣言した。彼はすべてのイスラム教徒にイスラエルに対抗するために立ち上がるよう呼びかけ、ナスララの血は「見過ごされることはない」と述べた。

「この地域の運命は、ヒズボラを頂点とする抵抗によって決定されるだろう」とハメネイ師は語った。

イラクのムハンマド・シーア・アル・スダニ首相は、この攻撃を「恥ずべきもの」「シオニストがすべてのレッドラインを越えたことを示す犯罪」と非難した。スダニ首相は声明の中で、ナスラッラーを「正義の道を歩む殉教者」と呼び、3日間の喪に服すことを宣言した。

イラクのイスラム教シーア派の有力指導者ムクタダ・アル＝サドル師も3日間の喪に服すと発表した直後のことだった。イラクのサドル派の指導者は、Xに 「抵抗と反抗の道の仲間に別れを告げる 」と記した。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、イスラエルによる最近のレバノンでの攻撃を、イスラエルによる「大量虐殺、占領、侵略」政策の一環であると非難し、国連安全保障理事会などにイスラエルを阻止するよう求めた。

エルドアンはXへの投稿で、ナスララの名前を出さずに、トルコはレバノン国民とその政府に味方していると述べ、イスラエルの攻撃で死亡した人々に哀悼の意を示すと同時に、イスラム世界はより「断固とした」姿勢を示すべきだと述べた。

イエメンの反政府勢力フーシ派は、ナスララの殺害はイスラエルの敵に立ち向かう決意を強めるだろうと述べた。「ハッサン・ナスララの殉教は、犠牲の炎、熱狂の熱、決意の強さを増大させるだろう」と反政府勢力の指導者会議は声明で述べ、「勝利とイスラエルの敵の終焉」を達成することを誓った。

フランス欧州外務省は声明で、レバノン当局やフランスのパートナー国と連絡を取り合い、不安定化と混乱を防いでいると述べた。

フランスの左派政治家で元欧州議会議員のジャン＝リュック・メランション氏は、今回の暗殺は「レバノン侵攻と戦争への新たな一歩」だと述べた。

彼はXへの投稿でこう述べた： 「フランスはもはや現地ではあてにならない。ネタニヤフの犯罪は罰せられないので続くだろう。地域と世界にとって危険極まりない。」

ロシア外務省は声明を発表し、イスラエルによるナスララの殺害を強く非難し、イスラエルにレバノンでの敵対行為をやめるよう求めた。

中国の王毅外相は国連総会で、イスラエルがガザとレバノンの両地域への攻撃を続ける中、「包括的停戦」への到達を遅らせてはならないと述べた。

王毅外相はまた、イスラエルとパレスチナの間の2国家解決は、地域の緊張を打開する方法であると述べた。

ジョー・バイデン米大統領は、必要に応じて「抑止力を強化し、部隊の保護を確保し、米国のあらゆる目標を支援する」ために、中東における米軍の態勢を「調整」するよう国防総省に指示したと、ホワイトハウスが金曜日に発表した。