2023年の低迷後、世界の小型株がバーゲンハンターを引き寄せる
背景
・2023年の大半の期間出遅れを続けている中小企業の株価は、来年予想される金利低下による恩恵と金融危機への懸念を天秤にかけて、大西洋の両側の投資家を惹きつけている。
・米国では小型株の $Russell 2000 Index(.RUT.US$ が１０月の安値から１３％超上昇し、ＭＳＣＩ欧州中小型株指数は先月末以来１２％上昇している。
・最近の小型株の高騰は、例年とは対照的だ。 $S&P 500 Index(.SPX.US$ は年初から１９％上昇している一方、ラッセル２０００指数はわずか５％上昇にとどまっている。一方、欧州の小型株は2023年に6%以上上昇したが、これに対し、より広範囲なMSCI欧州株式指数は12%上昇した。
・LSEGデータストリームによると、米国の小型株は大型株に対する相対値としては過去最低に近い水準にある。小型株のS&P 600 の予想PERは長期平均の18倍に対して13.7倍で、S&P 500の現在の水準である19倍を大きく下回っている。
・欧州の小型株の予想株価収益率（PER）は12.2倍で、過去15年間の平均である15倍を下回り、より幅広いMSCIヨーロッパの現在のPERである12.3倍を下回っている。
市場関係者の見方
・ジャナス・ヘンダーソンの欧州株式チームのポートフォリオマネジャー、ロリー・ストークス氏は「われわれは２年半の相対的なアンダーパフォーマンスに近づいており、現在小型株の評価倍率を見ると、非常に割安だ」と述べた。
・インフレ率が低下し続ければ、世界の中央銀行が2024年に利下げを開始するだろうとの見方に端を発した複数資産の上昇相場において、こうしたバリュエーションは小型株の魅力を高めている。最近のデータによると、米国、欧州、英国の消費者物価は予想以上に冷え込んでいる。
・借り入れコストがここ数十年で最高水準に上昇した利上げサイクルを受けて、市場は来年、連邦準備理事会と欧州中央銀行がそれぞれ１２５ベーシスポイント（ｂｐ）以上の利下げを織り込んでいる一方、指標となる国債利回りも低下している。
・これは小型株にとって朗報だ、と投資家らは言う。
・借入コストの上昇は、何年も金利が底値にあったため、現在はより高いコストで資金調達が行われている短期借入金に依存する傾向が強い中小企業にとって、より大きなダメージとなる可能性がある。
・クレセット・キャピタルの最高投資責任者ジャック・アブリン氏は、最近の米国債利回りの低下により、多くの小型株の「縄が緩んだ」と述べた。
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