トランプ勝利で23％急騰の日本株も！「トランプトレード」で追い風の4テーマ・15銘柄、暗号資産・金利上昇・防衛など

米大統領選でトランプ氏が勝利したことを受けて、7日までの市場は大きく動いた。
トランプ氏優勢が伝わった6日（日本時間）から加速したトランプトレードの動きと、これに伴って株価が大きく上昇した国内4テーマ・15銘柄をピックアップする。

◆＜テーマ1＞暗号資産：ビットコインは7.6万ドル超の最高値更新
$ビットコイン (BTC.CC)$は急騰し、6日には過去最高値となる7万6481ドルを付けた。 $イーサリアム (ETH.CC)$も12％程度上昇し、7日に過去最高値の2880ドルを付けた。トランプ政権になれば暗号資産の取引に対する規制が緩和されるとの見通しから、暗号資産の取引が活発になるとみられている。国内でもビットコイン関連銘柄が大きく値を上げている。
＜国内関連銘柄＞

トランプ勝利で23％急騰の日本株も！「トランプトレード」で追い風の4テーマ・15銘柄、暗号資産・金利上昇・防衛など

◆＜テーマ2＞金利上昇：国内長期金利が3カ月ぶり1％乗せ

10年もの米国債の利回りは4.25％台から一時4.46％台へと4％以上上昇。これに連られる形で日本の10年国債も0.92％台から上昇し、7日には約3カ月ぶりに1％台に乗せた。減税などトランプ氏が打ち出す施策は、政府の債務増加につながるとみられている。このため、米国債の需給懸念から国債利回りが上昇するとみられている。
金利上昇は、利ざやや運用益の増加が期待できる銀行株や保険株の上昇につながっている。
＜国内関連銘柄＞

◆＜テーマ3＞防衛：日本に防衛負担増を要求か

米国第一主義を重視するトランプ氏はNATO離脱をほのめかすなど、前大統領時代から同盟国を防衛するための米国の軍事負担の軽減と各同盟国による負担の増加を主張している。日本にも防衛費の負担拡大を求める可能性が高いとみられており、既存の防衛関連企業を中心に需要が増えることが想定される。
＜国内関連銘柄＞

◆＜テーマ4＞円安ドル高：一時3円程度の円安に急進

6日朝方の1ドル＝151円台半ばから、一時154円台まで3円程度円安に振れた。メキシコ・ペソが1ドル＝20.1ペソ程度から20.8ペソ程度まで値を下げるなど、円だけでなく新興国通貨にも影響している。
トランプ氏が勝利した場合、ドル高になるとの見方が強いが、その根拠とみられる要因はさまざまに分かれている。
一つには、トランプ氏が掲げる減税や、FRBに対して利下げを促す可能性などの観点から民間経済を刺激し、米国経済にプラスになるとの見方がある。他にも、関税の引き上げによってインフレ圧力が強まるとの見方や、2016年にトランプ氏が勝利した後の相場を踏まえた見方など、多様な見方があるようだ。
円安になれば輸出産業は恩恵を受けるが、その一方で米国への輸出に関しては、「タリフマン」と自称するトランプ氏によって関税障壁が厚くなり、逆風になる可能性もある。
＜国内関連銘柄＞

◆＜その他＞トランプ関連銘柄：トランプ・メディアは一時30％超上昇

トランプ氏が保有する $トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ (DJT.US)$は一時30％超上昇、トランプ氏を応援するイーロン・マスク氏の $テスラ (TSLA.US)$も20％近く上昇して一時年初来高値を付けるなど、トランプ関連銘柄の値動きが激しくなっている。
まだ大きな値動きはみられていないが、日本で「トランプ関連銘柄」と言えそうなのが、 $ソフトバンクグループ (9984.JP)$と $日本製鉄 (5401.JP)$だ。
ソフトバンクグループは、孫正義会長とトランプ氏の個人的な関係が、同社にとってプラスに作用する可能性もある。孫会長は前回の大統領就任前の2016年12月に、トランプ氏とニューヨークのトランプタワーで会談し、米国の新興企業に500億ドルの投資と5万人の雇用創出を約束した経緯がある。
日本製鉄は、約2兆円を投じて進める $ユナイテッド・ステイツ・スチール (X.US)$買収に対してトランプ氏が「即座に阻止する」との反対を繰り返してきた関係で、ある意味で「トランプ関連銘柄」といえる。トランプ氏は米国内の鉄鋼メーカーの保護に積極的とみられ、 $クリーブランド・クリフ (CLF.US)$が6日に20％以上値を上げるなど、市場にも影響を与えている。日本製鉄の買収の動向次第で、株価が変動することも想定される。
＜国内関連銘柄＞