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≪インテル・メタ・グーグルが新AI半導体≫ エヌビディアにとっての脅威はどれほど?!恩恵を受ける企業は?

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moomooニュース米国株 コラムを発表しました · 04/12 04:31
$エヌビディア (NVDA.US)$ 競合である $インテル (INTC.US)$ と、顧客 $メタ・プラットフォームズ (META.US)$ やグーグル(親会社は $アルファベット クラスA (GOOGL.US)$ )がこぞって新AI半導体の開発を強化している。それを嫌気し、エヌビディアの株価は4月9日に一時5%近く下落した。各社の動きがエヌビディアにとって脅威になると警戒された。4月10日以降、エヌビディア株はアナリストによる強気見通しで反発したが、出来高は増えておらず、各社の新AI半導体強化に対する懸念は完全に消えていないようだ。
今回は、各社の動きがエヌビディアにとってどれほどの脅威となるだろうか、インテルより競合性の高いAMDの挑戦結果も踏まえながら考察してみたいと思う。
エヌビディアの競合と顧客が新AI半導体を強化
4月9日:インテルが新AI半導体「Gaudi3」を発表
4月9日:「グーグル、新CPUを自社開発 AI競争のコスト低減へ」(ウォールストリートジャーナル報道、日本語版は4月10日)
4月10日:メタが自社開発のAI半導体「MTIA」第2世代を発表
競合による新AI半導体投入の脅威は?
AI半導体の主力製品を確認してみると、シェア8割以上を占めるエヌビディアが圧倒的に先行している。同社が最も性能が高い「H100」を発表したのは2022年3月に遡る。つまり、今より2年前のことだ。その後の生成AIブームの恩恵を受けた需要急拡大により、翌年度の同社データセンター部門(AI半導体の売上が計上される部門)の売上高は前年の5倍になり、市場予想を大幅に上回った。
≪インテル・メタ・グーグルが新AI半導体≫ エヌビディアにとっての脅威はどれほど?!恩恵を受ける企業は?
急拡大する需要を取り込むべき、シェア2位の $アドバンスト・マイクロ・デバイシズ (AMD.US)$ は2023年12月に「H100」の対抗製品「MI300」を発表した。当時も、エヌビディアのシェア低下を懸念する声が上がった。しかし、今年年初の決算発表でエヌビディアは市場予想を上回る好決算を発表した。エヌビディア製品に対する需要は引き続き旺盛で、AMDの脅威は限定的と実績をもって証明した。
2024年3月、エヌビディアは今最も売れているAI半導体「H100」よりも優れている「世界で最も強力な半導体」(エヌビディアの発表文より)の「Blackwell」と「Blackwell」搭載の「B200」と「GB200」を発表した。その際同社は、「生成AIは、現代を定義するテクノロジだ。Blackwellは、この新しい産業革命を後押しするエンジンだ」と説明した。「GB200」は「H100」に比べてLLM(大規模言語モデル)推論では30倍、LLMトレーニングでは4倍の性能向上となり、電力効率は25倍になる。つまり、AMDの「MI300」よりはるかに高性能だ。
≪インテル・メタ・グーグルが新AI半導体≫ エヌビディアにとっての脅威はどれほど?!恩恵を受ける企業は?
エヌビディアは「Blackwell」を発表した際、AWS、Google Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructureの4大クラウドサービス・プロバイダーが、Blackwellを利用したインスタンスを提供する最初のクラウドサービス・プロバイダーになると紹介した。 $アマゾン・ドットコム (AMZN.US)$ やグーグル、 $マイクロソフト (MSFT.US)$ $オラクル (ORCL.US)$ 「Blackwell」の顧客であることを意味する。
AMDよりも出遅れているインテルは2024年4月9日に、「H100」の対抗製品「Gaudi3」を発表した。現在の予定からすると、インテルが「Gaudi3」を出荷する際(2024年7-9月の予定)、エヌビディアは既に次世代AI半導体を出荷する見通しとなっている。
上記のように、エヌビディアが圧倒的に先行しているうえ、それに奢らず先手を打って世界最強の製品を打ち出していることを考えると、AMDとインテルの脅威性はそれほど高くないと言えよう
これはAMDとインテルにまったく事業チャンスがないことを意味するものではない。生成AIブームの恩恵でAI半導体市場のパイが大きくなっているため、AMDもインテルも一定の市場を獲得することはできよう。ただ、エヌビディアの支配的地位を脅かすほどではないとみられる。
≪インテル・メタ・グーグルが新AI半導体≫ エヌビディアにとっての脅威はどれほど?!恩恵を受ける企業は?
なお、AMDとインテルの株価がエヌビディアに比べて軟調なのは、業績期待に比べて株価に割高感があることも影響していると考えられる。
≪インテル・メタ・グーグルが新AI半導体≫ エヌビディアにとっての脅威はどれほど?!恩恵を受ける企業は?
顧客のAI半導体内製化による脅威は?
エヌビディアのAI半導体の顧客であるメタやグーグルなどがAI半導体の内製化を進めていることは必ずしも新しいニュースではない。実際、メタやグーグルだけでなく、マイクロソフト、アマゾンもAI半導体の開発を数年前から行っている。たとえば、マイクロソフトは、2023年11月に初めて自社開発のAI半導体を発表しており、すでに一部のデータセンターで導入されている。
つまり、テック大手は過去数年間において、内製化を進めると同時にエヌビディアから調達し続けている。AI半導体において自社製品がまだまだエヌビディアの優位性には及ばないためであろう。それもそのはずであろう。エヌビディアに次いでAI半導体で業界2位のAMDでさえ、エヌビディアに周回遅れになっている。
★そもそも、なぜ各社はAI半導体の開発を強化している?
主な要因として、需給ひっ迫に加え、内製化のメリットが挙げられる。
1)需給ひっ迫
需要サイドからすると、生成AIブームの恩恵でAI半導体に対する需要は昨年から急拡大している。それに対して、AI半導体を大量に供給できるのは、市場シェア8割以上を有するエヌビディアとなっている。
その結果、テック大手は必要な量を調達できていない状況にある。たとえば、エヌビディアの2月の決算発表会で、アナリストからは「どのような基準(優先順位)をつけて顧客に配分しているのか」との質問が出た。つまり、顧客からすると、需給ひっ迫は調達リスクになり得る。AI関連製品・サービスをいち早く導入するために、テック大手はできるだけ早くAI半導体を手に入れたい。資金力のあるテック大手からすると、自社開発に乗り出すインセンティブが働く
2)内製化のメリット
内製化の場合、まず、調達コストを抑えることができよう。AI半導体において立場的にエヌビディアの方が優位にあるため、テック大手はエヌビディア製品の高価格(高性能でもある)を受け入れざるを得ない。テック大手からすると、使用状況によってはそれほど高い性能の半導体が必要でないケースもあろう。その部分を内製化できれば、総コストを抑えることができる。次に、自社製品の方が使用状況や要求に合わせたカスタマイズ製品が作られる
したがって、テック大手のAI半導体の内製化は、必ずしもエヌビディアと直接競合する、あるいはエヌビディアから調達しないことを意味するものではないと言えよう。実際、冒頭に出た「グーグル、新CPUを自社開発 AI競争のコスト低減へ」の記事では、「グーグルの内製チップ部門担当バイスプレジデントのアミン・バーダット氏は、“私はこれをパイのサイズを拡大する土台だとみている”と話した」という。Bloombergアナリストは「グーグルは少なくとも自社が(エヌビディアでなく)インテルよりはできると思っているかもしれない」と指摘した(エヌビディアのAI半導体「H100」はGPUである)。
総合的にみると、テック大手の内製化による脅威は短期的に限定的と考えられる。他方、テック大手がある程度高性能のAI半導体の開発に成功した際は、エヌビディアからの調達を減らす可能性はあるかもしれない。中長期的にはテック大手の動きに目を配る必要があろう。なお、それに対するメッセージなのか、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは直近、自社製品を導入したほうが総コストは抑えられると強調した。
テック大手のAI半導体強化の恩恵を受ける企業は?
半導体受託生産(ファウンドリー)において世界最大手のTSMCが恩恵を受けられると思われる。メタの新AI半導体「MTIA」第2世代は、TSMCが最初の 「MTIA」に使用された7ナノメートルプロセスの技術を改良した5ナノメートルプロセスで製造すると報じられている。
インテルもファウンドリー事業を強化しているが、同社は4月3日に、ファウンドリー事業について売上高の減少と黒字転換までに数年かかる見通しを発表した。インテルンにとってTSMCへの挑戦の道のりはまだまだ長いかもしれない。
なお、TSMCは4月10日に、3月の売上高が前年同月比34%増加したと発表した。1-3月では前年同期比16%増となり、市場予想を上回った。Bloomberg記事は、「この1年余りで最も高い伸びとなり、世界的なAI開発ブームでハイエンド半導体やサーバーの需要に拍車がかかるとの期待を裏付けた」と報じた。
グーグルのAI半導体を報じた4月9日付のWSJ記事によると、「グーグルはカスタムハードウエアの生産で半導体製品大手ブロードコムと2016年から緊密に連携している」。また、「ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は3月の社内プレゼンテーションで、グーグルが先ごろTPU(グーグルの自社開発半導体)の生産を急拡大させてから、ブロードコムのカスタムチップ部門のビジネスが急増したと述べた」という。グーグルの自社開発強化は引き続き、ブロードコムに恩恵をもたらすかもしれない
≪インテル・メタ・グーグルが新AI半導体≫ エヌビディアにとっての脅威はどれほど?!恩恵を受ける企業は?
2024年4月12日作成 マーケット・アナリスト Amelia
出所:各社資料、Bloombergおよび各種資料をもとにmoomoo証券作成
≪インテル・メタ・グーグルが新AI半導体≫ エヌビディアにとっての脅威はどれほど?!恩恵を受ける企業は?
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