5大商社、バフェット氏の買い増し好機?円高・利上げ影響は”軽微”と各社強気!【決算まとめ】
5大商社の25年3月期第1四半期決算(1Q、4~6月)は、資産売却や円安による為替差益が寄与し三菱商事など3社が増益となった。通期純利益見通しに対する進捗率の高さも目立った。一方、直近では日銀の追加利上げ懸念や米利下げ観測から円高圧力が強まり、1Q期間中より円高となる1ドル147円台の水準で推移している。各社の25年3月期の想定為替レートは140〜145円。現行の水準が続く、または円高が進行すると、円安による利益上振れ期待が剥落していくことになる。ただ各社の最高財務責任者(CFO)は決算会見で足元の円高や日銀追加利上げの影響は「大きくない」、「限定的」などとコメントしており強気の姿勢だ。
商社決算発表が集中した8月初旬は日本株の大暴落が発生した。日経平均株価が7月末終値比で8月5日までに約20%下落するとともに5大商社のバリュエーションも大きく下がった。ブルームバーグは8日の記事で、投資著名投資家ウォーレン・バフェット氏がさらなる日本商社株の保有比率引き上げを以前に示唆していたことから「同氏にとって買い増しの好機では」と指摘している。各社の決算内容と株価の位置、アナリストの見方などを確認した。
★決算発表時期に大暴落!8月下落率が最も低く、下げ渋っているのは三菱商事
<概況>
▼1Q決算は7月31日に住友商事、8月1日に丸紅、三井物産、三菱商事、5日に伊藤忠商事が発表。
▼暴落があった8月初来の下落率が最も低かったのは三菱商事で、住友商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅と続く。
▼1Q段階で通期純利益予想に対する進捗率が最も高かったのは三菱商事で37%、三井物産は31%、丸紅30%、住友商事24%、伊藤忠23%だった。
▼為替感応度:対ドルで1円上下した際の純利益に対する影響は三菱商事が50億円と最も大きく、三井物産(34億円)、伊藤忠商事(26億円)、住友商事(20億円)、丸紅(16億円)と続く。
▼8日終値からアナリスト平均目標株価までの乖離が最も大きいのは三井物産(53.14%)で、丸紅(47.44%)、住友商事(42.78%)、三菱商事(36.6%)、伊藤忠商事(31.8%)が続く。
▼国内大手証券のアナリストは「4〜6月期は円安効果を除くと減益の商社もあった。会社の25年3月期計画の上振れ可能性が高いと言えるのは予想が保守的な三菱商事くらいだ」と指摘。
▼住友商事のみPBRが1倍割れとなっている。
▼1Q決算は7月31日に住友商事、8月1日に丸紅、三井物産、三菱商事、5日に伊藤忠商事が発表。
▼暴落があった8月初来の下落率が最も低かったのは三菱商事で、住友商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅と続く。
▼1Q段階で通期純利益予想に対する進捗率が最も高かったのは三菱商事で37%、三井物産は31%、丸紅30%、住友商事24%、伊藤忠23%だった。
▼為替感応度:対ドルで1円上下した際の純利益に対する影響は三菱商事が50億円と最も大きく、三井物産(34億円)、伊藤忠商事(26億円)、住友商事(20億円)、丸紅(16億円)と続く。
▼8日終値からアナリスト平均目標株価までの乖離が最も大きいのは三井物産(53.14%)で、丸紅(47.44%)、住友商事(42.78%)、三菱商事(36.6%)、伊藤忠商事(31.8%)が続く。
▼国内大手証券のアナリストは「4〜6月期は円安効果を除くと減益の商社もあった。会社の25年3月期計画の上振れ可能性が高いと言えるのは予想が保守的な三菱商事くらいだ」と指摘。
▼住友商事のみPBRが1倍割れとなっている。
◆ $三菱商事 (8058.JP)$
・1Q純利益は前年同期比12%増の3543億円、市場予想を上回った。
・オーストラリアの製鉄向け石炭(原料炭)炭鉱の一部売却や円安が利益を押し上げた。
・野内雄三最高財務責任者(CFO)は為替相場について、日米金利差の縮小傾向から「やや円高の方向に進んでいく可能性が高いのではないかと考えている」と分析。ただ、5月時点で1ドル=143円とした想定為替レートについては、「現時点で大きく見直す必要はないと考えている」と話した。(1日ブルームバーグ)
・会社通期予想には日本KFCホールディングスなどの売却益が織り込まれていないことなどから外資アナリストはリポートで、「上期決算時の上方修正、追加の株主還元の提示が期待できるだろう」と指摘。
・1Q純利益は前年同期比12%増の3543億円、市場予想を上回った。
・オーストラリアの製鉄向け石炭(原料炭)炭鉱の一部売却や円安が利益を押し上げた。
・野内雄三最高財務責任者(CFO)は為替相場について、日米金利差の縮小傾向から「やや円高の方向に進んでいく可能性が高いのではないかと考えている」と分析。ただ、5月時点で1ドル=143円とした想定為替レートについては、「現時点で大きく見直す必要はないと考えている」と話した。(1日ブルームバーグ)
・会社通期予想には日本KFCホールディングスなどの売却益が織り込まれていないことなどから外資アナリストはリポートで、「上期決算時の上方修正、追加の株主還元の提示が期待できるだろう」と指摘。
◆ $三井物産 (8031.JP)$
・1Q純利益は市場予想を上回った。
・インドネシア石炭火力やブラジルの貨物輸送会社株式一部売却などで増益。
・重田哲也CFOは、今後円は対ドルで「145円から150円ぐらいの間」で動くのではないかとの見方を示し「緩やかに円高が進ちょくしていく。これがベストなシナリオ」だと述べた。足元の円高や、日銀の追加利上げによる業績への影響は大きくないとの認識を示した。(1日ブルームバーグ)
・外資アナリストは前中計からの繰り越し資金枠があるため、「余裕含みで継続的な増配と自社株買い、成長投資実行による利益拡大が期待できる」とした。
・想定為替レートは1ドル145円。
・1Q純利益は市場予想を上回った。
・インドネシア石炭火力やブラジルの貨物輸送会社株式一部売却などで増益。
・重田哲也CFOは、今後円は対ドルで「145円から150円ぐらいの間」で動くのではないかとの見方を示し「緩やかに円高が進ちょくしていく。これがベストなシナリオ」だと述べた。足元の円高や、日銀の追加利上げによる業績への影響は大きくないとの認識を示した。(1日ブルームバーグ)
・外資アナリストは前中計からの繰り越し資金枠があるため、「余裕含みで継続的な増配と自社株買い、成長投資実行による利益拡大が期待できる」とした。
・想定為替レートは1ドル145円。
◆ $伊藤忠商事 (8001.JP)$
・1Q純利益は市場予想を下回った。
・北米鉄鋼事業が苦戦。前年同期に電池事業関連で一過性の利益があった反動も減益要因に。
・鉢村剛CFOは米景気後退について「我々の米国事業ではリースや住宅関連事業でスローダウンしている部分があるが、本当に景気悪化につながるか判断するのは時期尚早ではないか」との見解を示した。急激な株安については、「今後検討している買収についてはプラスに働く部分もある」とも述べた。(5日日本経済新聞)
・今期期中平均レートは1ドル145円、期末は140円と想定。
・1Q純利益は市場予想を下回った。
・北米鉄鋼事業が苦戦。前年同期に電池事業関連で一過性の利益があった反動も減益要因に。
・鉢村剛CFOは米景気後退について「我々の米国事業ではリースや住宅関連事業でスローダウンしている部分があるが、本当に景気悪化につながるか判断するのは時期尚早ではないか」との見解を示した。急激な株安については、「今後検討している買収についてはプラスに働く部分もある」とも述べた。(5日日本経済新聞)
・今期期中平均レートは1ドル145円、期末は140円と想定。
◆ $住友商事 (8053.JP)$
・前期に計上した米国事業の一部売却益の反動減で当期減益に。
・諸岡礼二CFOは会見で、金利上昇について、「短期的には資金調達コストへの影響はあるものの限定的」との見方を示した。金利が1%上昇したとしても、負債コストの増加は数十億円の半ば程度と説明。また中長期では金利上昇の効果が収入分に上乗せされるため、影響が残り続ける訳ではないとした。また、日銀の利上げに伴って資金調達の場所などを変えることはないとしている。(1日、ブルームバーグ)
・外資証券はリポートで、通期純利益計画に対する進捗率は、南アフリカ鉄鉱石事業の利益計上が当期はない中でも24%であり、「まずまず堅調な滑り出し」とした。
・想定為替は1ドル140円。
・前期に計上した米国事業の一部売却益の反動減で当期減益に。
・諸岡礼二CFOは会見で、金利上昇について、「短期的には資金調達コストへの影響はあるものの限定的」との見方を示した。金利が1%上昇したとしても、負債コストの増加は数十億円の半ば程度と説明。また中長期では金利上昇の効果が収入分に上乗せされるため、影響が残り続ける訳ではないとした。また、日銀の利上げに伴って資金調達の場所などを変えることはないとしている。(1日、ブルームバーグ)
・外資証券はリポートで、通期純利益計画に対する進捗率は、南アフリカ鉄鉱石事業の利益計上が当期はない中でも24%であり、「まずまず堅調な滑り出し」とした。
・想定為替は1ドル140円。
◆ $丸紅 (8002.JP)$
・第1四半期の純利益は1426億円と、市場予想(1454億円)を下回った。
・丸紅の古谷孝之CFOは決算会見で、円高や利上げに対し、資金調達コストへの影響は限定的だと述べた。今後の利上げの継続性やペースを注視するとした上で、利上げに伴う適正なインフレのもとに経済成長が進めば、同社の国内事業にとっては良い影響があるとの見方を示した。(1日ブルームバーグ)
・外資アナリストはリポートで、主力であるアグリ事業の下振れが特に嫌気されているようだが、「過剰反応の印象」とした。
・今期中平均レートは1ドル140円を想定。
・航空機リース事業が増益だったほか、みずほリースへの追加出資に伴う負ののれんも利益を押 し上げた。円安による増益効果は90億円程度。
・第1四半期の純利益は1426億円と、市場予想(1454億円)を下回った。
・丸紅の古谷孝之CFOは決算会見で、円高や利上げに対し、資金調達コストへの影響は限定的だと述べた。今後の利上げの継続性やペースを注視するとした上で、利上げに伴う適正なインフレのもとに経済成長が進めば、同社の国内事業にとっては良い影響があるとの見方を示した。(1日ブルームバーグ)
・外資アナリストはリポートで、主力であるアグリ事業の下振れが特に嫌気されているようだが、「過剰反応の印象」とした。
・今期中平均レートは1ドル140円を想定。
・航空機リース事業が増益だったほか、みずほリースへの追加出資に伴う負ののれんも利益を押 し上げた。円安による増益効果は90億円程度。
ーmoomooニュースKathy
出所:各社IR資料、日本経済新聞、Bloomberg、時事通信、moomoo
出所:各社IR資料、日本経済新聞、Bloomberg、時事通信、moomoo
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