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“悪夢”再来か!日銀会合で二番底?年内利上げへタカ派色強まれば市場に大きなインパクト【日銀会合プレビュー】

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moomooニュース日本株 コラムを発表しました · 09/16 23:45
「令和のブラックマンデー」を招いた7月会合以来となる日銀金融政策決定会合が、19~20日に開かれる。20日昼頃に決定内容を発表し、午後に植田和男総裁の記者会見が行われる予定。
前回の7月会合は、株式投資家にとって忘れ難いイベントとなった。3月以来2度目の利上げに加え、植田総裁が会合後の記者会見で年内のさらなる利上げの可能性について言及。市場にサプライズを与えて急激な円高を促し、8月5日の「令和のブラックマンデー」を引き起こす一因となった
今回の9月会合では政策変更はないとみられるものの、利上げペースの加速に関する植田総裁らの発言次第ではドル円相場や株価に再び大きなインパクトを与え、二番底へと向かう可能性も否定できない。米国の利下げに関する思惑で足元の為替レートが円高に振れていることも前回の“悪夢”と重なる。株式投資家も固唾をのんで見守る緊迫の重要イベントになりそうだ。
“悪夢”再来か!日銀会合で二番底?年内利上げへタカ派色強まれば市場に大きなインパクト【日銀会合プレビュー】
令和のブラックマンデー招いた前回の7月会合
前回の7月会合では、事前の市場関係者の多くの見立ては、6月会合で方針を示した長期国債の買い入れ減額に関するスケジュールを決定するだけだった。実際に、7月会合では長期国債の買い入れ減額について、四半期ごとに4000億円程度ずつ減額し、26年1~3月に3兆円程度へと半減させる計画を決定した。
ところが、会合はこれで終わらなかった。市場の多くの思惑に反し、3月にマイナス金利を解除した政策金利を0~0.1%から0.25%へと引き上げることを決定。さらに植田総裁は会合後の記者会見で、「データが見通し通り、あるいは見通し対比で上振れる際には、(年内の)短期金利の一段の調整があり得る」「(0.5%を超えないという壁については)特に意識していない」などタカ派的な発言をして、市場にサプライズを与えた。
これを受けて、会見日の7月31日には一時1ドル=153円台を付けていたドル円レートが3営業日後の8月5日には一時141円台まで進行。12円近く円高に振れる激しい動きが海外ヘッジファンドなどによる円キャリートレードの巻き戻しを促し、日経平均株価の下げ幅が過去最大、下げ率でも2番目を記録する「令和のブラックマンデー」へとつながった
「日銀=株式市場のリスク要因」が定着?!
株式市場がひとまず落ち着きを取り戻すきっかけになった一つが、8月7日に内田真一副総裁が講演で「金融資本市場が不意安定な状況で利上げをすることはない」「当面、現在の水準で金融緩和をしっかりと続ける必要がある」(7日付ブルームバーグ)と述べたことだ。日銀がタカ派色を弱めたとの見方から為替は円安に転じ、株価も回復基調となった。
とはいえ、その後も日銀審議委員からは早期利上げに肯定的な発言が相次ぎ、円高=株安に振れる要因となり続けている。日銀は株式市場にとっての「リスク要因」との見方が定着しつつあるといえる。
9月11日には中川順子審議委員が講演で「現在の実質金利が極めて低い水準にある」「2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現の観点から、金融緩和の度合いを調整していくことになる」(11日付日本経済新聞)などと述べたことを受けて、ドル円レートは1ドル=142円台から一時140.7円台と動き、円の年初来最高値を付けた。12日には田村直樹審議委員が記者会見で26年度までに「少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておく」ことが必要と発言(12日付日本経済新聞)。米国が9月に0.5%の大幅利下げを行うとの見方が強まったこともあり、16日には1年2カ月ぶりの一時139円台を付けた。
前回会合のデジャブ?
今回の会合前は、前回の会合前と重なる側面が二つある
一つは、足元で米国の金融政策に起因する円高が進んでいることだ。前回の7月会合前には、米国で9月に利下げに転換するとの見通しが強まり、円高に転じていた。円高転換で市場が揺らいでいるときに日銀会合のインパクトが加わったことが、令和のブラックマンデーにつながった。今回も米FRBが利下げ幅を0.25%でなく0.5%にするとの観測が高まり、一時1年2カ月ぶりの1ドル=139円台を付けている。
もう一つは、「政治要因」が絡んでいることだ。前回は低支持率に悩む岸田政権から円安是正のために早期の追加利上げを求める声が相次ぎ、日銀の判断に影響を与えたとの“疑念”が市場には残っている。発言を行った茂木敏充自民党幹事長や河野太郎デジタル相は、27日の自民党総裁選に立候補している。この他にも、石破茂元自民党幹事長や加藤勝信元官房長官など、過去に円安是正のための利上げを支持する発言をしている候補者がいる。各候補者は総裁選を控え、各地で演説会などを行う予定で、メディアなどでも発言が取り上げられる可能性が高い。利上げに関する発言はもちろん、次期首相の有力候補が誰なのか総選挙が早期に行われる可能性が高いのかが報じられるだけでも、植田総裁らの発言に影響を及ぼさないとも限らない。
米FOMCの政策発表の影響も
一方で、前回と異なる波乱要因となる可能性があるのが、米FRBの政策決定だ。前回は日銀会合とFOMCは同日に開催され、政策決定の発表は日銀が先だったが、今回は逆になる。9月FOMCは17、18日に開催され、日本時間の19日未明に発表という流れになる。米国は利下げに転じることは確実視されているものの、下げ幅が0.25%か、0.5%になるか見方が分かれている。FOMCの結果は為替レートや日本の株式市場にもインパクトを与えることが想定され、日銀の判断にも影響を与える可能性がある。
年内の追加利上げ、市場は織り込むに至らず
エコノミストの予想は、3回目の利上げ時期について、今年12月と25年1月に割れている
ブルームバーグが6~11日に行った53人へのエコノミスト調査では、次回の利上げタイミングについて、53%が12月、19%が25年1月、15%がことし10月と回答。今回の9月との回答はゼロだった(13日付ブルームバーグ)。日経QUICKニュース社が9月9~11日に行った日銀ウォッチャー調査では27人のうち12人が12月、11人が1月と回答。9月との回答はやはりゼロだった(12日付日本経済新聞)。
エコノミストたちも現在のところ、日銀審議委員が相次いで発言しているように、経済・物価状況が「オントラック」(見通し通り)に進み、予定通りに段階的な利上げが進むとみているようだ。
これに対し、市場は年内の追加利上げを完全に織り込んではいないようだ。17日付ブルームバーグによると、スワップ市場は年内追加利上げの確率を32%しか織り込んでおらず、日銀が年内利上げに含みを持たせた場合、年末までに1ドル=135円に達する可能性もあるとみるエコノミストもいる。上場企業の多くは今年度の想定為替レートを140円台としており、130円台は織り込めていないのが現状だ。
植田総裁らから年内の追加利上げに向けたタカ派的な発言が飛び出し、円高がさらに進行した場合、市場にインパクトを与える可能性があることに留意すべきだろう。
マクロ指標は日銀の「オントラック」
これまでのところ、経済・物価状況については、日銀の見通しの通り(オントラック)となっており、タカ派的な発言を行いやすい環境にあるといえる。
総務省が8月30日に発表した8月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、前年同月比で2.4%上昇。コメの価格上昇などもあり、7月の2.2%から上昇幅が拡大した。
また、厚生労働省が5日に発表した毎月勤労統計調査では、実質賃金が前年同月から0.4%増加し、2カ月連続でプラスとなった。内閣府が9日に発表した4~6月のGDP改定値も、年率換算で2.9%増と持ち直し基調となっている。
ただ、個人消費に関しては、まだ回復とは言えない状況にある。総務省が6日に発表した7月の家計調査では、実質的な消費支出(2人以上世帯)が3カ月ぶりにプラスに転じたものの、前年同月比の増加幅は0.1%にとどまっている。
ーmoomooニュースMark
出所:日銀HP、総務省・厚生労働省HP、日本経済新聞、Bloomberg、NHK
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