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米AI相場は一過性のものか、「二段ロケット」上昇はあるか

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太郎丸 コラムを発表しました · 2023/08/18 01:06
AI相場の騰勢に一服 
年初から右肩上がりの推移を見せた米AI(人工知能)相場の騰勢に一服感が出ている。ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数 $ナスダック(NDAQ.US)$は年初から一時40%に逼る値上がりを見せてきたなか、8月に入り一転して息切れの展開が目立った。 AI相場の牽引役となる半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も史上最高値(22年1月)近辺まで迫ったものの、8月に入り一時10%以上の下落を見せた。 AI関連株投資の広がりを受けて、今年の米株式市場は予想外の盛り上がりを見せてきたが、米政策金利(5.25%~5.5%)は22年ぶりの高水準にあるほか、足元では、米長期金利は一時4.28%と、約10カ月ぶりの高水準まで上昇したことを背景に、米 $アップル(AAPL.US)$ $マイクロソフト(MSFT.US)$を筆頭に、米テック大手が軒並み利益確定の売りに押された。 
ナスダック総合指数の年間推移
ナスダック総合指数の年間推移
AI相場の原動力はChatGPTと  $エヌビディア(NVDA.US)$
2022年の米IT関連株は、米FRBによる本格的な利上げに伴うEPS減少のほか、QT(資金吸収)によるPER縮小という二重苦に苛まれていた。22年米主要指数の騰落率をみると、ダウ平均は10%の下落に対し、PER水準が高いナスダックは30%の値下がりを見せた。そうしたなか、 OpenAIが2022年11月、人工知能チャットボット「ChatGPT」を公開したと共に、ITセクターを巡る悲観論が様変わりした。ファクトセットがまとめた 「AI企業パフォーマンス」(2022年6月~2023年6月、2022年6月は100)では、AIサプライヤー154社の加重平均指数(AI指数)とグローバル・マーケット・ベンチマーク指数(グローバル指数)との相関関係が示されている。 ChatGPTのリリースを機に、 AI指数が上昇に転じ、今年3月下旬に入りグローバル指数を上回るパフォーマンスを見せた。更に、エヌビディア(NVDA)1Qの決算発表を境に、 AI指数は一段高を目指す展開となり、 今年6月末まで AI指数の年間値上がり率が36.01%に達し、グローバル指数の14.14%を大きく上回った。 ChatGPTとエヌビディアが AI相場の双璧であると言っても過言ではない模様だ。 
AI指数(オレンジ)とグローバル指数(グリーン)の年間推移
AI指数(オレンジ)とグローバル指数(グリーン)の年間推移
米ITセクターの株価と業績に大きな乖離 
米ITセクター好調なパフォーマンスに対して、 ITセクターの四半期業績は振るわなかった模様だ。ファクトセットのまとめ(8/4時点)によると、 $アップル(AAPL.US)$ $マイクロソフト(MSFT.US)$ $インテル(INTC.US)$など米テック大手の4-6月期決算が総じて市場予想を上回りながらも、ITセクターの4-6月期EPS見通しは前年同期比1.1%増と、6月末(同▲3.5%)から若干の持ち直しにとどまっている。2023年通期見通しでは、 ITセクターのEPSは前年比1.3%の増益見通しとなり、6月末時点(同0.9%増益)から僅かな改善にとどまった。また、 PERのバリューエションをみると、 ITセクターの向こう12か月間予想PERは27.0倍と、直近5年平均の22.5倍や直近10年平均の19.4倍を大きく上回っていることを踏まえて、AI相場「二段ロケット」上昇が実現するには、裏付けとなる大幅な増益が欠かせないものとみられる。 
S&P500種主要11セクター2023年増益率(EPS,前年比)見通し(ファクトセット)
S&P500種主要11セクター2023年増益率(EPS,前年比)見通し(ファクトセット)
異彩を放つエヌビディア 
そうしたなか、今月23日に2023年2Q(5~7月期)決算発表を控えるエヌビディアへの市場の期待が高い。同社データセンター(DC)部門の1Q売上高は前年同期比14%増(42.84億ドル)と市場予想を大きく上回ったことが記憶に新しい。DC部門2Q売上高の市場予想は、前年同期比約2倍増の77.79億ドルと、初の50億ドル突破との見通しが示されている。同社DC部門の力強さに比例する如く、主要企業による4~6月期決算でAI開発に向けたクラウドやデータセンター投資が急増している。市場では、23年は1%に満たなかった企業のIT予算に占めるAI投資の割合が24年は8~10%に拡大するとの見方も浮上した。足元では、AI相場を一過性のものとして受け止める市場関係者がある一方で、足元の調整局面を押し目買いの好機として捉える向きもある。 エヌビディアの2Q決算内容が最初の試練として、AI相場の真価はまず問われることになりそうだ。 
エヌビディアの年間株価チャート推移
エヌビディアの年間株価チャート推移
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