自動車ニッポン落日の危機!トヨタ・ホンダ急減速、日産赤字転落 ”トランプ銘柄”テスラの復活で攻守逆転【決算まとめ】
3社揃って販売台数と利益が減少、ホンダと日産は通期見通しを下方修正 ▲自動車国内ビッグ3とテスラ、BYDの24年7~9月期の業績 第2四半期(7-9月)は、3社とも販売台数が前年同期割れするとともに、営業利益や純利益も前年割れした。日産は四半期での純損益が赤字転落した。
上期までの業績を受けて、ホンダと日産は通期の業績見通しを下方修正した。ホンダは売上高の通期見通しはプラス3.4%に上方修正したが、純利益は1兆円の見通しから9500億円へと4.7%下方修正した。販売台数が減少した中国など持分法適用会社の投資利益の減益などを理由に挙げている。
日産は当初見通しと比べて、売上高は9.3%減の12兆7000億円、営業利益は70%減の1500億円に下方修正し、純損益は従来の3000億円から「未定」に改めた。在庫調整のための販売費用の増加や価格改定で1000億円、販売台数減少などで1000億円の営業利益のマイナスを見込んでいる。純損益については、事業構造の再構築「ターンアラウンド」に関わるコストを試算中としている。
日本勢3社の苦戦を尻目に、ライバルの米中2社は好調に推移した。米テスラは販売台数がプラスに転じ、営業利益も改善。営業利益率を2ケタに戻し、「稼ぐ力」も取り戻した。販売台数の増加によって1台当たりの販売原価が下がったほか、初めて黒字化したサイバートラックも利益改善に貢献した。温暖化ガス排出枠(クレジット)の売上増も利益改善につながっている。
一方、BYDは販売台数、売上、利益とも2ケタ増と絶好調。売上高ではテスラを抜き、販売台数ではホンダや日産も抜いた。
通期販売台数の見通しも下方修正上期の実績を受けて、3社は揃って通期の販売台数の見通しを下方修正した。
トヨタは年度の販売台数見通しを1095万台から1085万台へと10万台減らした。
トヨタ単体では1040万台から1010万台へと30万台減らしている。うち国内は5万台、海外は25万台の減少を見込んでいる。
ホンダも390万台から380万台へと10万台減らした。減少分は全てアジアで、うち
中国が7万台を占める。
日産は365万台から340万台へと25万台減らした。前年度対比では6.0%増の予定から1.2%減へ、前年割れに変更した。削減台数の内訳は
中国8万台、北米7万台、その他4.5万台、欧州3.5万台、日本2万台。
米中市場での競争激化が打撃国内3社の不振の要因は、主要市場である米中での競争激化だ。
▲7-9月期の国内自動車ビッグ3の米国、中国、日本での販売台数
中国市場では3社とも販売台数が大幅減販売台数の落ち込みが最も顕著なのは、中国市場だ。地元EVメーカーの席巻により、日本勢の存在感は低下の一途をたどっている。
ホンダの販売台数は4割超の大幅減。EVなど新エネルギー車市場の拡大や価格競争激化の影響を受けたとしている。同社は日本での販売台数が伸び、中国での販売台数を上回ったが、その半面、
日本での営業損益が9億円の赤字(前年同期は581億円の黒字)に転落。中国での販売台数の減少を日本での販売強化で補ったとの見方をすれば、結果的に中国での不振が日本市場にしわ寄せされたとみることもできる。日産も販売台数が10%以上減少し、アジアでの営業利益が約3割減っている。
一方、
トヨタは販売台数こそ1割程度減っているが、営業利益は475億円から643億円へと改善している。今後は販売台数の減少に歯止めがかかるかどうかが焦点になりそうだ。
深刻なのは米国市場日本勢にとって中国市場と同等かそれ以上に苦境が明らかになったのは、米国市場だ。
トヨタの北米での営業利益は前年同期の2391億円から273億円へと大幅にダウン。営業利益率は5.3%から0.6%へと大幅に低下した。販売台数の減少だけでなく、労務費の増加なども影響したというが、コスト増加分を売価に上乗せできないことが利益の減少につながったといえる。
日産も北米での営業利益が前年同期比84.6%減の168億円へと大幅に落ち込んだ。
ホンダは販売台数こそ伸ばしているが、米国での営業利益率は2.5%で前年同期から1.4ポイント程度下げている。
為替差益は「焼け石に水」円安による為替差益は、トヨタは2400億円(第2四半期のみ)、日産は280億円(上期)だった。ホンダは逆に90億円のマイナス(上期)なった。第1四半期は475億円のプラスだった。ドル円レートではプラスだったが、ドルとブラジルレアル、カナダドル、メキシコペソのレートでマイナスになったことが影響した。
期中に円高に振れる局面が多かったことや、前年同期も1ドル=140円台を中心とした円安になっていたことから、第1四半期ほどの為替差益は得られなかった。
なお、想定レートについて、トヨタはこれまでの145円から通期で147円に変更した。ホンダは140円から下期は143円、通期では148円に変更。日産は第1四半期決算発表時に145円から155円に変更していたが、今回は149円に修正した。
トヨタの時価総額、テスラの後ろ姿が遠のく国内3社の株価は、為替レートが円高に振れたことも響いて、7月以降2~3割程度下落している。大統領への返り咲きが決まったトランプ氏を強く応援していたマスク氏が率いるテスラや、業績好調のBYDの株価が好調なのと対照的な結果となっている。
トヨタは一時は時価総額がテスラに迫っていると話題になったが、足元ではテスラに大きく引き離されている。
▲自動車国内ビッグ3とテスラの株価の状況(8日時点)
各社の反攻の芽は?日産は事業構造を再構築へトヨタの不振は、認証不正やリコールなどの問題で生産が滞ったことも影響している。同社は当初から24年度を将来の成長に向けた「足場固め」と位置付けていた。
上期の半年間に「人への投資」に1800億円、成長投資に1100億円を費やし、営業利益の減益要因となっている。人への投資のうち、1150億円は仕入先や販売店向けのものだ。通年での投資は、当初の3800億円の「人への投資」から、「人への投資」と成長投資で計8300億円に拡大させる方針。
生産回復、インセンティブ抑制、バリューチェーン収益の拡大などにより、稼ぐ力の維持・強化を図るとしている。
ホンダは
中国で生産能力の適正化を進めており、第3四半期以降は
北米のインセンティブを抑制する方向で動いているという。
3社の中でも最も深刻なのは、四半期で純損失となった日産だろう。同社は苦境にある原因について、大きく3点を挙げている。
1.中国メーカーの台頭
中国国内のEVなど新エネルギー車拡大によるガソリン車の市場縮小および価格競争の激化
東南アジアや中東、中年米などへの輸出拡大による影響も
2.ハイブリッド車への未対応
米国で需要の高まっているハイブリッド車やプラグインハイブリッド車のラインアップがない
3.「日産固有の課題」
コスト競争力やブランド力の不足
日産は苦境から打開するために、
ビジネス環境の変化にも柔軟・機敏に対応できる「スリムで強靭な事業構造」に再構築するとともに、
商品力を高め再び成長軌道に戻す「ターンアラウンド」に取り組むという。
グローバルの人員9000人の削減や生産能力20%削減により、26年度までに年間350万台レベルの販売台数でも株主還元や成長投資を継続できる収益構造に改める。さらに、
中長期的視野に立ってルノー、 $三菱自動車工業 (7211.JP)$、ホンダとの戦略的パートナーシップの推進も行うとしている。
なお、26年度までに年間販売台数を100万台増加させ、営業利益率を6%以上に引き上げるとしていた従来の計画は見直す。
トヨタとホンダは株主還元を実施新たに発表した株主還元は3社がそれぞれ異なった対応をしている。
最も積極的な
トヨタは、増配を発表した。中間期は1株当たり10円増配の40円、期末は5円増配の50円と予想している。
ホンダは新たに上限1000億円分の自社株買いを発表した。同社は5月にも上限3000億円の自社株買いを発表しており、取得額を上乗せした。配当に関しては、中間期は株式分割を考慮すると実質5円の増配とした。ただ、期末は現時点で5円の減配を予想しており、通年では前期と同額の配当を予想している。
日産は通期で25円の配当を予想していたが、
中間配当(前期は5円)を無配とした。期末配当も今後の業績改善の状況を見極めた上で判断するとしている。
ーmoomooニュースMark
出所:各社HP、moomoo
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181338057犬心久美子 : 申し訳ありませんが、トヨタの場合、これは衰退の危機と呼ぶには十分ではありません!彼らは過去にはるかに厳しい挑戦に直面してきました。トヨタは、このようなことによって落胆することはありません![bangbang ‼️](https://static.moomoo.com/nnq/emoji/static/image/img-apple-64/203c-fe0f.png)
アスコセンダ : トヨタは、今過渡期にありますね。
トヨタの快進撃は、全固体電池を搭載した電気自動車の登場を待たないといけないかもしれません。