米大統領選討論会で明暗？ハリストレード上昇気流に乗る　トランプトレードの巻き戻し加速

2024年米大統領候補討論会が、現地9月10日21時から予定通り開催された。今回の討論会は、民主党のカマラ・ハリス副大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領が初対決に臨んだ。大統領選討論会が終了した後、アメリカの有名歌手テイラー・スウィフトがソーシャルメディアでカマラ・ハリス副大統領を支持すると表明した。

アナリストによると、「トランプトレード 」と「ハリストレード 」の核心的な違いは、インフレへの影響と産業への影響にあるかもしれない。ハリス氏が選挙に勝った場合、同氏の政策はトランプ氏と比べ、米インフレへの影響が相対的に小さい可能性がある。米消費関連株、再生可能エネルギー関連株などが恩恵を受けるかもしれない。

9月11日、太陽光発電や再生可能エネルギーを代表とする「ハリストレード」は強い動きを見せた。一方、リチウム関連株は急騰し、減産刺激の噂に加え、リチウム株もハリストレードの一部。
関連銘柄 $アレイ・テクノロジーズ (ARRY.US)$、 $ファースト・ソーラー (FSLR.US)$、 $カナディアン・ソーラー (CSIQ.US)$、 $サンラン (RUN.US)$、 $ショールズ・テクノロジーズ・グループ (SHLS.US)$、 $エーイーエス (AES.US)$、 $ソーラーエッジ・テクノロジーズ (SEDG.US)$、 $DAQOニュー・エナジー (DQ.US)$、 $エンフェーズ・エナジー (ENPH.US)$、 $ケーエルエー・コーポレーション (KLAC.US)$など

一方、「トランプトレード」である $トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ (DJT.US)$やエネルギー株などは11日にパフォーマンスがが相対的に振るわなかった。
関連銘柄 $ファンウェア (PHUN.US)$、 $ヒューマナ (HUM.US)$、 $ランブル (RUM.US)$、 $ライオット・プラットフォームズ (RIOT.US)$、 $ユナイテッドヘルス・グループ (UNH.US)$、 $オクシデンタル・ペトロリアム (OXY.US)$、 $コノコ・フィリップス (COP.US)$、 $ニューコア (NUE.US)$、 $エクソン・モービル (XOM.US)$

討論会直前、米大統領選の支持率差が急接近―選挙の行方に影響も？
大選挙自体の動向を見ると、8月初に開始されたハリス氏の「ハネムーン期間」を経て、8月下旬からはアメリカ大統領選に無所属候補として出馬していたロバート・F・ケネディ氏がトランプ候補を支持するなどの事件が発生した。トランプの支持率が上昇し、両者の差が徐々に縮小。9月2日の1.9％差が、9月11日の第一回討論会前には1.1％差に縮まった。過去二回の大選挙の第一回討論会前の世論調査を見ると（2016年はヒラリー・クリントン氏がトランプ氏に9.6％リード、2020年はバイデン氏がトランプ氏に7.1％リード）、今回の第一回討論会前の双方の差はわずか1.1ポイントで、この討論会のパフォーマンスが投票傾向に大きな影響を与える可能性があるという。

市場の行方、討論会の結果次第　「トランプトレード」か「ハリストレード」か？
アナリストによると、7月トランプ前大統領の銃撃事件を受け、一時的に「トランプトレード2.0」が開始されたが、7月下旬に終了し、「ハリストレード」はまだ開始されていない。この討論会の結果が、市場が次に「トランプトレード」に戻るか、「ハリストレード」に移行するかを決定することになる。

討論会で、双方の政策主張に大きな変更はなく、引き続き人工妊娠中絶問題、や移民、戦争などめぐり論戦している。
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論会前後に実施したCNN・SSRS世論調査によると、討論会を視聴した投票者のうち、トランプ氏を好意的に見ると回答した人は、討論会前に41%いたが、討論会後には39%に減った。ハリス氏は同調査で39%から45%に上昇した。

また、米メディアCNNが11日行われた米大統領選候補者討論会について、緊急世論調査を実施。63％がハリス氏の勝利、37％がトランプ氏の勝利との回答であった。

今後の雇用統計と選挙キャンペーンに関連する発言が大統領選結果を左右するとの見方がある。