【2024年振り返り】各月最強の暴騰米国株は？月間3倍急騰も！AI関連かトランプ銘柄がずらり　3銘柄は二度登場！

2024年も終わりに近づき、今年の資本市場を振り返ってみると、目覚ましい成果と波乱の瞬間が交錯した1年であった。人工知能（AI）が年間を通じて最強テーマとして主役を担い、トランプ相場が下半期に彩りを添えた。

2024年に米国株式市場は目覚ましい上昇を見せ、世界の投資家の注目を集めた。 $S&P 500 Index (.SPX.US)$は年初来25.18%上昇、 $Nasdaq Composite Index (.IXIC.US)$は31.38%上昇した。また、 $NYダウ (.DJI.US)$も14.07%上昇、米国株の主要3指数はそれぞれ史上最高値を更新した。

2024年の米国株の強気相場は、主に2つの要因に支えられた。
●AIブームによるテクノロジー株の高騰
各大手テクノロジー企業がこの分野への投資を増やし、AI関連のサプライチェーン企業が恩恵を受けた。データセンターは2024年のAI投資の重要なキーワードとなっている。AIへの投資が増加する中、多くのソフトウェア企業がAIの応用から恩恵を受け、好業績を示しており、AI技術が無駄な投資ではないことをさらに証明した。

●トランプ氏の政権復帰
11月の米大統領選挙の結果発表後、トランプ氏が再選されたことで市場の熱狂を呼び起こした。これにより、 $テスラ (TSLA.US)$の株価は史上最高値を更新し、 $トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ (DJT.US)$は急騰した。そのほか、仮想通貨関連株も大幅に上昇した。トランプ氏の就任に伴い、減税や規制緩和といった「トランプ2.0」の政策が実現する可能性が期待され、トランプ関連銘柄が注目を集めた。

●DJT
トランプ関連銘柄 $トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ (DJT.US)$は1月と10月にそれぞれ116.86%、119.91%急騰した。

2024年1月15日、共和党アイオワ州党員集会で、トランプ氏は2024年の米大統領選挙で初勝利を収めた。数日後には2016年よりも迅速に党内指名を獲得し、これによりトランプ関連銘柄が急騰した。

11月5日の米大統領選挙日に近づき、トランプ氏は10月の世論調査で優位を示し、資本市場も彼に対する支持を示した。トランプ氏がDJTの最大株主で、同社はトランプ関連銘柄として株価が上昇し続けた。

●SOUN
音声人工知能（AI）技術を手掛ける米 $サウンドハウンドAI (SOUN.US)$は2月と12月にそれぞれ346.99%、157.25%急騰した。

AI投資ブームに乗り続けて、 $エヌビディア (NVDA.US)$の投資動向が市場の注目を集めた。NVIDIAは2月15日、SECに提出したフォーム13Fで音声AI企業サウンドハンドAIへの投資を開示した。提出された書類によると、NVIDIAはサウンドハンドAIの約173万株を保有し、保有株の時価総額は約367万ドルで、ポートフォリオの1.59%を占めていた。しかし、その後サウンドハンドAIの業績は市場予想を下回った。

12月に各AIソフトウェア銘柄が決算を発表、AIによる業績の押し上げを示した。サウンドハンドAIも、同社の「アメリア」AIエージェントがフランスで成功裏に展開され、保険会社であるApivia Courtageの業務効率を向上させたと発表、投資家の好業績に対する期待が再燃した。

●SMR＆BE
AI電力関連銘柄 $ニュースケール・パワー (SMR.US)$は3月に71.29%急騰、 $ブルーム・エナジー クラスA (BE.US)$は11月に185.94%急騰した。

テクノロジー大手がデータセンターを拡張する中、電力需要が急増し、電力不足と電力渋滞が2大課題となっている。ブルーム・エナジーは11月15日、米大手電力のアメリカン・エレクトリック・パワー（AEP）と最大1ギガワット（GW）の製品供給契約を締結したと発表した。これはこれまでで世界最大の燃料電池商業調達となり、燃料電池の導入はAIデータセンターの即時の供給に役立ち、電力網の渋滞に左右されない。

また、原子力はほぼAI電力需要の最適解となりつつある。ニュースケール・パワーは3月11日、今後数ヶ月で機関投資家向け会議に参加する計画を発表した。同社自体が会議を招集したわけではないが、「小型モジュール炉」開発を進める米新興企業として、投資家の楽観的な見方を促進した。

●ASTS
宇宙ベースの携帯電話ネットワーク構築を手掛ける米 $AST・スペースモバイル (ASTS.US)$は通信事業大手と提携し、米国での信号100%カバーを実現し、5月に株価が274.43%急騰した。

今年5月、ASTスペースモバイルは米通信大手 $エーティー・アンド・ティー (T.US)$および $ベライゾン・コミュニケーションズ (VZ.US)$と提携を結んだ。同社はAT&Tの850 MHz帯の周波数を利用し、顧客に衛星接続サービスを提供することになった。両社の目標は、米国のセルラー接続を強化し、信号のカバレッジホールを根本的に解消することだ。AT&Tおよびベライゾンとの提携に加え、同社は世界中の45社以上の移動体通信事業者と協力関係を築いている。

●LUMN
通信設備の提供企業 $ルーメン・テクノロジーズ (LUMN.US)$はテクノロジー大手 $マイクロソフト (MSFT.US)$と提携し、7月と8月に連続して急騰した。

マイクロソフトは「Copilot」といった生成AIサービスを拡大し続ける中、AIサービスに対するネットワーク需要を満たすため、より多くのデータセンターが必要となっている。マイクロソフトは7月25日、AIネットワークの容量と能力を拡大することを目指して、通信設備の提供企業ルーメンと新たな提携を結んだ。

同社は、ルーメンのプライベート・コネクティビティ・ファブリックが同社の拡大するデータセンターへの接続に役立つという。ルーメンのPrivate Connectivity Fabricはカスタムネットワークで、同社に既存の光ファイバー専用線を構築し、および新旧のネットワーク経路での新たな光ファイバー接続を提供する。

●ALNY＆SMMT
商業段階のバイオ医薬品メーカーの $アルナイラム・ファーマシューティカルズ (ALNY.US)$は6月に63.71%急騰、イギリスのバイオ医薬品企業である $サミット・セラピューティクス (SMMT.US)$は9月に68.72%急騰した。

アルナイラムは6月24日に株価が37%超急騰、2023年2月以来の最高値を更新した。同社はウェブサイトで、開発中のRNAi薬vutrisiranが第III相HELIOS-B試験でポジティブなトップライン結果を得たと発表した。

臨床試験データによると、メルクの主要抗がん剤Keytruda（ペムブロリズマブ）と比較して、サミットの抗がん剤二重特異性抗体ivonescimabは肺がん患者の病勢進行または死亡リスクを49%低減させ、同社の株価は9月9日に55.99%急騰した。